落ち着ける犬にするために、必要な視座、考察 | ドッグスクール 縁 島根県松江出雲雲南の犬の教室・幼稚園・LINE相談・個別相談・講習制ドッグラン/キャンプ場

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犬に、人に優しい、人道的なトレーニング

犬が痛めつけられず、飼い主さんが辛い思いしないために。

多くの飼い主さんが思い浮かべている「理想の犬との関係性」はというと、


【一緒にいて心地よい】

【一緒にいて安心する】

【一緒にいて落ち着く】

ではないだろうか?


しかし、現実にはそうなっていないことがしばしばあり、つまり

【一緒にいて興奮する】

【一緒にいて落ち着かない】

【一緒にいるとそわそわする】

の関係性に陥っている犬・飼い主さんは多いだろう。


この要因のひとつには、次のような認識、信念、価値観を飼い主が強く信じていることがあると思う。

つまり、

【犬を楽しませる】

【犬を喜ばせる】

【犬を構ってあげる】

ことを飼い主が犬へ提供することこそが「良き飼い主」、「良き育て方」、「良きしつけ」である! という認識、信念、価値観だ。

これを仮に【積極的なギブ】と呼ぶことにする。


この文章の目的として、『果たして、【積極的なギブ】を無秩序に、際限なく、浴びせるように与えることは、犬にとって良いことなのだろうか?』 という疑問を投げかけたい。


この積極的なギブをもとにした犬の接し方を実践するとなると、具体的には以下のような接し方になろう。

【犬の行動に反応を返す】

【いつも動的な活動をさせる】

【過干渉】

【犬の気分をもり立てる】


犬と接する人間が上記のような接し方を【過剰に】、【常に、いつも、毎回】、したとすると、冒頭に挙げた【一緒にいて落ち着けない】状態を引き起こしうるということだ。


例えば、

「人間が家に居たら、必ず犬はゲージ類から出ている」

「いつも接するときは黄色い声や、オーバーな動きで犬のテンションをあげる」

「犬を常に見ている、声をかけている、触っている」

「犬の一挙手一投足に何かしら反応(見る、声、動作)を返す」

などがそうだ。


こういうとき、当然犬は喜びがちだ。脳内では幸福物質ドーパミンがドバドバ出ているだろう。

犬や人間にとって幸せに生きるということは、疑いようのない目的の一つだが、ここで問題とするのはその『程度』だ。

結論を言ってしまえば、【『そこそこ』、『控えめ』に、ときに『無しで』を基本スタイルで犬と接しましょう】である。


犬にとって飼い主は間違いなく大好きな存在だ。特別な存在だ。それだけ犬の感情を揺さぶるし、影響が大きい。


ここで余談だが、ある心理学実験では、「好きな片思いの異性が目の前に現れると[好き度]と同時に[ストレス度]が爆上がりする」のだそうだ。

好きなはずなのに、近くにいると強いストレスになってしまうなんて、なんとも世知辛い。


例え話で、もしも大好きな芸能人やアイドル(仮にキムタクにしよう)が家に突然やってきたらどうだろう? その瞬間、恥ずかしさや驚きもあろうが、総じてとても嬉しい気分になるはずだ。思考はそこからだ。そのキムタクがずっとあなたの隣にいて、常に話し掛けて、行動を評価して、トイレにもついてきて、寝るときも離れない。そして、一日、一週間、ずっとその状態だとしたら、あなたのストレス度はいかがなものだろうか?

落ち着かない、不安定、イライラする、そっとしておいて、などネガティブなものになるのではないだろうか?


好きでたまらないはずの存在がずっと何かを提供し続けることが、いかに精神を揺さぶり、安定を損ねうるかを想像していただけるのではないだろうか?


また、別の例えとして、「毎日、何時かは分からないが1万円くれる上司がいたとしたら、その上司と一緒にいて平常心でいられますか?」を考えてほしい。

その上司が同空間にいるだけで、期待感が高まってしまいソワソワしないだろうか? 上司の言動が常に気になって落ち着けない状態にならないだろうか?


上記の例え話の

「キムタクの振る舞い」と

「一万円」は強い快を生む。

犬の接し方でいう【積極的なギブ】に当たる。


飼い主が、犬に対して「キムタク」、「一万円上司」の振る舞いをしているとしたら、犬は知らず知らずのうちに、あなたに対して過剰な期待感を惹起させてしまうようになり、あなたが原因で精神的安定感を損ねてしまう状態になっているかもしれない。


大好きな犬のため、良かれと思って提供している積極的なギブのせいで、犬にとって飼い主が落ち着けない対象となってしまっている、犬を不安定にさせてしまっているのではないか。


やはり、犬を過剰に喜ばせるという価値観、信念は問題を生むことがあり、

『そこそこ』、『控えめ』に、ときに『無しで』を基本スタイルで犬と接するのが、飼い主、犬にとって良い関係性を築く上で大切だと言える。



多くの飼い主さんが、広い視座、別の視点を取り入れ、接し方を改善、修正しつつ、よりよい犬との関係性の構築を図ってほしいと願っている。