姪っ子が今年小学生になったので、そろそろ「将来何になりたいの?」なんて事を聞いてみても良いのかな、と考えている時に、ふと思った。
この、「将来何になりたいの?」っていう質問を受けられるのって、実は子供だけの特権だったんだな、と。
と言うか、その質問に答えられる事が、子供だけの特権だった、と。
私が子供の頃、「将来の夢は?」と聞かれた時に、最初に答えたのは(記憶にある限りでは)「お花屋さん」でした。
理由は、花が好きだったから。
その次は「獣医さん」、理由は動物が好きだったから。
でもその後、友達だったか誰かに「獣医になったら血を見なきゃいけないよ」と言われて、それは怖いと思って、結構すぐに「ペットショップの店員さん」に変えました。
私の、自分で考えた夢はここまで。
その後、小学6年生で卒業アルバムを作る時に、「将来の夢」を書く欄があって、そこで詰みました。
その時点で私は別に「花屋さん」にも「獣医さん」にも「ペットショップの店員さん」にもなりたくなくて、将来の夢が既に無くなってしまっていたんですよね。
結局母に相談して、「本読むのが好きだから、作家で良いんじゃない」と言われ、卒業アルバムには「作家」と書き、今もそれはある意味変わっていません。(本当に作家=小説家になりたい訳ではないけれど)
その後の人生でも、「将来の夢は?なりたい職業は?」という問いは、ずっとついて回ったような気がします。
高校を決める時、大学を決める時、就職活動をする時。
夢って、なぜかいつも仕事と結びついているような気がします。
でも、やりたい仕事なんて無い、だから夢が無い。
それを辛く感じていた時期もあったな~、と振り返って今は思います。
今の私には「将来の夢」は無いけれど、「やりたい事」ならたくさんあります!
自分が書きたいと思っている小説を全部書き上げる事。
日本全国の水族館にも行ってみたい。
目標としていたひらパーの年パスは無事に購入しましたし。
iZOOに行きたい、宇治植物園に行きたい、岩国の白蛇センターに行きたい、食べてみたい物もあるし、見てみたい物もたくさんあります。
既に叶えた夢もあれば、これから叶えたい夢もあって、まだまだ夢は尽きそうにありません。
世の中には「サッカー選手になりたい」とか「ケーキ屋さんになりたい」とか、いわゆる「将来の夢」を叶えた人もいると思います。
でもそれ以上に、叶えられなかったどころか、私みたいに「将来の夢迷子」になってしまった人も多いんじゃないかな、と思ったり。
大人になってみると分かるんですが、実際今働いてる人で、「子供の頃からこの仕事をしたかったんだ!」なんて人は、圧倒的少数派なんですよね。
見失った「将来の夢」を探すより、仕事とは無縁の自分の「やりたい事」を考える方が、圧倒的に人生楽しく生きられる事に、ようやっと最近気付いたような気がします。
仕事は生活をする手段に過ぎず、夢は別の場所に持っておく。
昔、そういう風に書いている自己啓発本みたいなのを読んで、「でも他の夢なんて無いし…」と思っていた時代も私にはありますが、今は分かりました。
そもそも夢って、そんな高尚な物じゃなくて良かったんですよね。
社会のために貢献するとか、世間で大活躍するとか。
そうじゃなくて、もっと日常の中で楽しみを見出すとか、自分で立てた自分のためだけの目標を達成するとか。
そういうのが「夢」で良かったんだ、と分かった今は、満ち足りた気持ちになれています。
無邪気に「将来〇〇になりたい」なんて言えるのは、子供だけの特権。
姪っ子や甥っ子には、言える間は私も「将来何になりたいの?」と聞こうと思います。
そしてそれに答えられなくなった時には、「何かやりたい事ってある?」と聞いてみようと思います。
私みたいに「将来の夢迷子」にならず、楽しい人生を歩んで行って欲しいと願いつつ。