担任Nと別れた後は、Kちゃんとランチの約束をしていることもあるし、他の先生には会わずにKちゃんが行ってみたいと言うおしゃれなカフェに行くことにした。




徒歩で向かいその間、まずはお互いにどんな受験だったかを話すことになった。




お互いどこが志望校だったかを全く知らなかったのだが、自分はKちゃんが京大志望であったことに驚き、Kちゃんもまた自分が京大志望であったことに驚いていた。



しかしKちゃんは京大が第一志望校ではあったものの、直前に怖くなってしまい、世間一般で言う“志望校を落とす“ことを選択し、阪大を受験したそうだ。



どこかで志望校を落としたとしても合格する確率が必ずしも上がる訳ではないと聞いたことがある。Kちゃんもその例に倣ってしまったらしかった。





この噂の理由としては大きく二つあって、

まずは精神面。

偏差値的に下の大学を受験するということで、わかっていたとしても、無意識に気が緩んでしまうということ。確かに、50m走でも50mよりも向こうを目指して走ったほうが良いタイムが出るという定説もあるから、ゴールよりも手前を目指してしまうような形になってしまい、勉強のペースが落ちてしまうのも必然だろう。


二つ目に大学によって問題形式にかなり差があること。これはかなり大きい要素だと個人的に考えている。

受験でうまく点数を稼ぐコツはそれぞれの大学の問題が持つ特色に適応できる綿密な戦略立てることだ。


特段明晰な頭脳を持つ人ならばこういったことは必要ないのかもしれないが、努力して伸びる人、冬までに合格圏に届いてなかった人でも合格する人達はこの戦略を上手く立てている場合が多いように感じる。

勿論戦略を立てることが向いているがどうか自体も、人それぞれではあるのだが。



そういった話をしているうちに、目的のお洒落なカフェに着いた。