とても分かりやすい言葉で書かれていて、スルッと読める。

私は放射線を使った研究をしてきたし、今の仕事も人に放射線を当てて治療する分野の端っこで仕事してるようなもんだから、放射性物質も放射線も得体の知れない物ではないのであんまりナイーブになることはないんだけど、福島原発が事故を起こしてから随分と過敏な反応をする人がそこそこいるのも事実だからね。

危険だっていう人たちの声高な叫びを目にする度、それって本当?って疑問が湧くだけで、むしろ、そんなに不安がって狂乱にも近く、危ない危ないって言っている方が精神衛生上良くなくて病気になりそう…と思ってきたのよね。

私たちには報道されることでしか物事を知る術はないのだけれど、その報道自体事実飲みを伝えているかどうかは分からないし、何か一つのことに固執して揺るがずに信じるというより、色々な情報を取り入れた上でどれが一番正確そうかを判断していかないと簡単におかしなことになってしまうってことが、この本からも理解できるなと思う。

難しいことは分からないと言わずに、まずは知ろうとすることが一番大事なのです。

この本は早野先生が実際に何度も福島に行き、現地で色々な調査を自ら行って得られたデータを元に事実を分かりやすく対談形式で書かれていて、そこには「○○に違いない」とかいう、そうかもしれないし、違うかもしれないなんてあやふやな事は含まれていないので信頼できる情報だと私は思ってる。


そして個人的にはやっぱり物理出身者の話は分かりやすく感じてしまうな笑
過去、7年半素粒子研究してたけど、たかだか7年半と思いつつも、吸収しやすい若い時期に接していた環境って年取っても居心地良く思えるもんなのね。