ビジネスを成長させる上で、欲望というのは大切な原動力だと思います。
私も、ここまで物件数を増やせてこれたのは、もっと稼ぎたいという欲求が無かったら、達成できていない状況だと思います。
でも、それとは逆に、これ以上無理して拡大しなくても良いのでは、という思いも心に浮かんできたリしています。
これはすごく難しい事柄だと思います。
それはどうしてかと言うと、もっと拡大したという欲望やもっと発展したい、もっと豊かになりたいという欲望がないと、技術や科学は発展しないからですね。
例を挙げると、世の中には数々の飲食店があります。
しかも、同じ系列、所謂チェーン展開して数百店舗ある会社もあります。
この様な状態になると、各お店や会社で競争になるので、もっと安い価格でもっと美味しく、という発想が生まれて、その商売の内容が発展していきます。
これが、この位やればもう十分、という店舗ばかりに成ってしまうと、競争が緩やかになりますので、それ以上の発展は起きないかもしれません
産業革命以後、欧州の人たちが世界に進出し、その欲望を全世界に広げ、今の世の中が出来上がってきていると思います。
日本は、それ以前はチェーン展開などを考える会社は少なかったと思います。
江戸時代から数百年続く老舗企業なども、チェーン展開している会社は殆ど聞きません。
日本は、一握りの資本家が多くの富を独占するという発想がなく、皆が程よく儲ければ良いという発想だったのかもしれません。
近江商人も、そういう発想で商売をしていたと聞きます。
ここまで話してまた矛盾する事を言ってしまうかも知れませんが、それでも、もっと発展したいという欲望が無ければ、今の様な便利な社会には成っていないので、ここは判断が難しいところです。
ほどよく発展、という儒教で言うところの「中庸」という精神が良いのでしょうね。
私のブログではよく、「中庸」という言葉を使うのですが、この考え方は、欲望を程よく調整する優れた考え方だと思います。
建物ひとつとっても、何処まで高い建物を造れば良いのか、という事ですね
あれこそ、人間の欲望の象徴のように思います。
空間を貫いて、何処までも高く突き進む、という発想は正に人類の欲望の表れだと思うのですね。
世界の人口問題、環境問題、食糧問題・・・
色々な問題を解決する糸口がここらにあるのかも知れません。