冷泉家 八〇〇年の「守る力」 (集英社新書)
普段、主にビジネス関連に書籍ばかり読んでいるので、たまには
この様な書籍も目線が変っていいかな、と思い読んでいます。
まだ、読んでいる途中なのですが、「守る」とはどういうことだ
ろうか、と考えてみました。
現代社会は、技術革新が凄まじく、直ぐに新しいものが開発され
、しかも直ぐに商品化され日常的に使えるようになっていきます。
この様な環境では、ものは直ぐに捨てられて、直ぐに新しいもの
を使う、という行動が一般的になって行きます。
私は現在サービス業、所謂、時間消費型の商売を本業にして、不
動産賃貸業に進出し、事業を行っています。
どちらも、物を売る商売でなく、時間や空間を商品にしている商
売、という事になります。
今記事を書いていて、何だか頭の中がまとまっていないのですが
、今の自分を守る、という考え方は基本的には、現代では危険な
思考だと私は思っています。
それは、自分がどう思おうと、社会が新しい商品を欲しがり、そ
の商品を手に入れようとしたがるお客様がいる限りは、商売人と
してはその商品を出来るだけ早く安く提供する、というのは本分
だと思います。
そうは言うものの、価値がある良いものを、一つだけ手に入れ、
それを長く使う、という事も、ありだと思うのです。
この「守る力」という書籍は、日本の伝統が長く守られて来てい
る部分を捉えて書かれている書籍なのですが、この伝統と言うの
は、それはそれで凄く素晴らしいものです。
例えば、この間、ガイアの夜明けという番組で見たのですが、日
本の伝統技能で一つである、包丁作りが紹介されていましたが、
その技術を使って作ったナイフの切れ味は本当に素晴らしく、厚
い肉がすーっと、簡単に切れて、食事をするときの肉が中々切れ
ない、というストレスから完全に開放させてくれます。
ただ、値段が通常の4倍以上と、凄まじく高い(笑)
安さに慣れた現代の消費者には到底受け入れられない、と思いき
や、飛ぶように売れている、という事です。
私は、この減少を見た時に、日本の方にはまだまだ伝統を守る精
神が残っていて、本当に良い物はしっかり残していく、という心
がまだまだ残っている、と感じ凄く感激したのです。
ビジネス世界では、組織はドンドン新陳代謝しないといけない、
マンネリはいけない、世の中の早い展開に合わせて、会社も社長
もドンドン変化していかないといけない、と言われます。
確かにIT分野などの新しいフィールドでは、現実の話、ドンド
ン新陳代謝しないと、生き残れない事は重々承知しています。
それとは、別の世界に、「守る」事の方が大切にされる、という
分野もあるのだと思います。
この伝統を「守る」という事のお陰で、京都や日本各地の古い町
並みが残る地域では、外国からの多くの観光客が訪れるのだと思
います。
私は、「守る」と「壊す・刷新」をバランスよく組み合わせる事
が凄く重要なのかな、と気付かされている書籍です。
参考記事
人のの心を無視した仕事は当然、衰退します。
