3.11東日本大震災の記憶を風化させてはいけない | 好奇心を満たせば育児は本当に楽になる

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3.11東日本大震災の記憶を風化させてはいけない

 

 

 

 

こんにちは、日本母親支援協会の柴田です。昨日は、3月11日。日本に激震が起きた日です。2011年3月11日、最大震度7の強い揺れと国内観測史上最大の津波を伴い、東北・関東地方を中心とする広い範囲に甚大な被害をもたらした。

 

 

その上、東京電力福島第一原子力発電所が被災し、放射性物質が漏れ出す深刻な事態になりました。昨日も各メディアで特集番組が放映されていました。

 

 

 

 

その映像を見ると当日の朝にテレビの前で信じられない光景を目にして呆然と佇んでいた自分自身の姿が思い出されました。

 

 

死者と今なお行方不明の方を合わせると2万2千人以上の尊い命が犠牲になり、福島原発も廃炉の見通しさえ経っていません。未だに放射線を垂れ流しています。

 

 

7年経った今でも約7万3千人が避難生活を送っています。安心して眠れる場所である家を離れて避難所で不自由な生活をしている家族が沢山いらっしゃいます。

 


 

 

子供は何が起きているのか理解できずに不安な毎日を送っています。そして、親もいつ故郷に帰れるのか、この先どうしていいのかわからずに、不安な毎日を七年間も続けているのです。

 

 

でも、こんな時こそ親が「安全基地」として機能しなければいけません。ここで親がうろたえていると震災後にトラウマとなって親にも子供にも心に深い傷が残ります。

 

 

では、どうして子供の成長に「安全基地」が必要なのでしょうか?

 

 

生まれたばかりの赤ちゃんは無防備です。命と健康を親が守ってくれます。親という「安全基地」が、あってこそ安心して成長することが出来るのです。

 

 

また、親と子の間に信頼関係が築かれていることによって、知らない世界に連れて行かれても安心出来るのです。

 

 

そして、成長していく過程で、家庭から保育園、そして住んでいる街へと子供の活動範囲が拡がっていき、一人でも行動できるようになるのです。

 

 

 

 

このように、子供が自立するためには成長の過程で親が「安全基地」であることが必要なのです。

 

 

その安全基地がしっかりとしていなければいけないのですが、そこはやはり弱い女性です。不安が一杯で母乳も出なくなることもあります。

 

 

そこで安全基地を側面から応援する役割は父親の存在であり、言葉なのです。日常でも母乳育児に満足している多くの母親は、「パパの応援があればこそ頑張れた!」と言う方が多いのです。

 

 

父親としては避難所で少しでも快適な空間を確保することと同時に母親にも安心できる情報や言葉がけをして頂きたいのです。

 


 

 

もちろん救援物資や義援金も送らせて頂きましたが、少しでもお役に立てないかと、震災から4日後に「臨時育児相談室」を開設した経験があります。その時にも多くのご相談が寄せられました。

 

 

その時に立ち上げたブログの記事が以下の様なものです。

 

 

 

2011-03-15 07:29:43

 

おはようございます。柴田です。この度の大震災で被害は受けていませんでしょうか?心配しています。

 

 

例え被災地から遠く離れていても、毎日の悲惨な状況をテレビや、新聞などでご覧になっていると思います。それらの情報から、あなたの心に不安やストレスが生じているのではないでしょうか?

 

 

その不安な気持ちは、おっぱいや赤ちゃんの心にそのまま伝わり、悪影響が様々な形で出てきます。

 

 

今回、そんなあなたの心のケアの為に、臨時育児相談室を開設しました。どんなことでもご相談下さい。

 

 

とりあえず3月末までの期間を設けます。また、それらのご相談内容は、他のママにも共通していることが多いと考えます。

 

 

ですので、内容によっては、ブログに取り上げてみんなでシェアしたいと考えます。もし、取り上げて欲しくない場合は、その旨を書いて下さい。

 

 

それでは、取り急ぎご連絡まで。あなたからのご相談をお待ちしています。

 

 

 

当時は、本当にたくさんのご相談が寄せられました。行政は個々の被災者に対応する余裕が無いときでした。小さなお子様を持っている若い母親は頼る人がいなかったのが現実です。

 

 

多くのご相談の中から一つだけご紹介させて頂きます。

 

 

2011-03-15 08:54:52

いつもたくさんの情報をありがとうございます!さっそくですが、気になっていることがあり、メッセージをさせて頂きます。

 

 

東日本大地震後、娘(生後4ヶ月)の様子が変わりました。


 

私は、福岡に住んでいて、今回の地震の被害には遭わなかったのですが、地震発生当日は、ニュースを見て手足の震えが止まりませんでした。

 

 

前あった、福岡県西方沖地震を思い出してとても不安になりました。もし今、地震や津波が来たら、この子を抱えて逃げきれるか、この子を抱えて被災してしまうことの恐ろしさを考えてしまいます。

 

 

また、今回、私が住む地域が地震に遭わなくてよかったとも思ってしまい、被災した方に申し訳ない、複雑な気持ちにもなります。


 

娘は2月27日から3月7日までRSウイルスで入院していたのですが、退院して帰ってきてからは母乳の飲みもよく、機嫌が良い日が続いていました。

 

 

しかし、地震発生してから、機嫌が悪い時間が増え、授乳回数も増え、逆にお腹が空いていてもおっぱいを拒否して泣き続けたり、夜中や朝方に大泣きして起きたり、長い時間抱っこしても、何をしても泣き止まなかったりします。

 

 

やはり、私の不安が伝染して機嫌が悪いのでしょうか?

 

 

今までも、機嫌が悪い日はありましたが、機嫌が悪い時間が長いこと、毎日機嫌が悪いことが気になっています。

 

 

地震のことはあまり気にして不安にならないように心掛けていますが、どうしても「もしも」を考えてしまうし、小さな赤ちゃんを抱えて被災してしまった方のことを考えてしまったりしてしまいます。


 

自分だけではどうしようもなく、柴田さんに頼らせて頂きたく思います。よろしくお願いします。

 

 

 

地震や津波が襲った東北ではなく、遠く福岡にお住まいの方にも心的被害が出ていました。

 

 

このご相談に対して、さっそく次のようなお返事をさせて頂きました。

 

 

2011-03-15 09:08:27

 

おはようございます 。まさしく、今回の大震災の影響ですね。



多くのママが、大なり小なり同じような悩みを抱えているのではないかと思います。ママの不安がおっぱいの味に現れ、赤ちゃんの心にも伝わっているのですね。

 

今回の大震災に限らず、世界中では毎日戦争が続き、天災もあちこちで起こり、政府の弾圧という人災も起こっています。そんな中、毎日泣き続けている赤ちゃんが何万、何十万人いるのでしょうか?

 

それらの一人一人のことを思い続けていたら、身が持ちません。冷たいように感じるかも知れませんが、どうしようもないことです。遠く離れていても出来ることはあります。その出来ることを精一杯して下さい。

 

その上で、一度その場を離れて下さい。

 

今日、テレビで漫才師のサンドイッチマンが宮城で被災して帰京したのでインタビューに答えていました。

 

「避難所で、避難している人達が僕たちを見て「アッ!サンドイッチマンだ」といって笑顔を見せたのです。今まで疲労と不安に顔を強ばらせていた人達です。もし、僕たちに出来ることがあればなんでもします」

 

被災者こそ、笑いが必要なのです。ご相談者さんも、漫才を見て笑いましょう。楽しい映画を見て、笑いましょう。現実を離れて、笑顔を作りましょう。家族みんなで楽しい話題を話しましょう。


 

そうすれば、赤ちゃんも安心します。是非、そうして下さいね。

 


 

震災から遠く離れた所にお住まいの親子にも、心的被害が出ています。私のところは被害がなかったからと安心しないで下さい。

 

 

ニュースを見ることで、いつ起こるかもしれない不安に襲わているはずです。それがお子様にも伝わっていくのです。

 

 

ニュースを見て、心配になるのではなく、今できることは何かを考えて「行動」して下さい。

 

 

非常災害袋を購入していなければ、急いで注文して下さい。ご自宅に不安があれば、建築士に点検をお願いして下さい。

 

 

お住いの地域の避難場所に指定しているところを探して下さい。ご家族で被災時に集合場所を話し合って下さい。

 

 

そして、パートナーに対する愛情をもう一度思い起こして下さい。今ある幸せは、奇跡の連続の上に成り立っているのです。

 

 

もしかしたら、愛するパートナーに明日は会えないかもしれないのです。今こそ、風化されようとしていた愛情を再確認するべき時期なのです。