2026年10月17日(土)晴れ
 今回は、昆虫を見る目が変わった公開セミナーでした。
 普段は畑で見かける虫たちですが、今回の講演では昆虫の進化や森林生態系との関わり、さらには未来の食料問題を解決する可能性まで学ぶことができました。
 

  セミナー概要

 昆虫の進化・生態・利用法をテーマに、農学部で行われている最先端の研究を一般の方にもわかりやすく紹介。
第71回東京大学農学部公開セミナー「昆虫 ―多様な能力の解明と実用技術開発―」
日 時:2026年10月17日(土) 13:30~17:00
会 場:ハイブリッド開催(現地:東京大学弥生講堂一条ホール/オンライン:ZoomとYouTubeによる配信)
参加費:無料
主 催:東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
共 催:(公財)農学会

  メモ

 最初の講演では、シデムシを例に「なぜ多くの昆虫が飛ぶ能力を失ったのか」が紹介されました。森林のような安定した環境では飛ぶ必要性が低くなり、飛翔能力が退化していくそうです。研究者が「飛ぶってカッコいいでしょう」と語られたのも印象的で、壮大な研究も好奇心から始まるのだと感じました。
 次の講演では、クマの出没と昆虫の関係について学びました。特に興味深かったのは「捕食者飽食仮説」。ブナは豊作と凶作を繰り返し、大量の実をつけることで昆虫や動物に食べ尽くされるのを防いでいるそうです。クマ問題の背景に、木や虫を含めた生態系全体のつながりがあることを知りました。


 

 最後は、アメリカミズアブを利用して生ゴミを飼料や肥料に変える研究の紹介でした。これは、ムーンショット型研究開発制度の目標5「2050年までに、未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出」にもつながる取り組みです。

 

 パネスディスカッション

 

  おわりに

 講演を通じて最も心に残ったのは、「昆虫学は何の役にもたたないのか」という問いでした。飛ぶ昆虫への純粋な興味から始まった研究が、将来の食料問題や環境問題の解決につながるかもしれない。そんな学問の面白さと可能性を感じた、有意義な時間でした。ウインク