2026年8月25日(火)晴れくもり

 「農村プロデューサー養成講座・入門コース」第6回(地域づくり実践分野②)は、令和8年8月5日(水)に開催予定でしたが、熊本県で発生した地震の影響を受けて延期となりました。参加者の安全はもちろん、熊本在住の講師の状況にも十分配慮し、安心して講座を実施できる環境を整えることが優先されたためです。

 その後、開催の準備が整い、本日あらためて受講することができました。

 

 講師は、南阿蘇村で農地仲介・新規就農者育成・有機農業の推進などに取り組む株式会社Roots&Bloom 取締役・山戸陸也さん。

 

  🏞 南阿蘇の農業は、思いどおりには進まない

 山戸さんが最初に語ったのは、南阿蘇村の農業が抱える現実。

  • 農家の高齢化
  • 荒れていく農地
  • イノシシ・シカによる鳥獣害
  • 遠い消費地、上がる輸送費
  • 冬の仕事が少なく、収入が安定しない

 「中山間地域の農業は、理想どおりには進まない」その言葉は、現場で汗をかいてきた人だからこそ言えるもの。

 そういえば、2024年の春に九州旅行したとき南阿蘇にも行っています。野焼きも見たことを思い出しました。

 

  🌾 それでも稲作を続ける理由

 高齢農家が“儲からない稲作”を続ける理由は、とても人間的でした。

  • 先祖の土地を荒らしたくない
  • 家族を守りたい
  • 生きがいとして続けたい
  • 周囲の目が気になる

 ただし、「子どもや孫には継いでほしいとは思わない」
という現実もあります。どこも同じです。農村が抱える“心の葛藤”が静かに伝わってきました。
 

  🏡 「水・土・里」を守る取り組み

 南阿蘇村では、「水・土・里」を育む地域創生事業 が進められています。

  • 湧き水の里を守る
  • 有機農業を育てる
  • 里山と景観を守る

 令和5年には オーガニックビレッジ宣言 も行われ、有機農業の団地化にも挑戦しています。

 

  🍚 “風景をつくるごはん”という発想

 興味深かったのは、東京科学大学・真田純子教授の「風景をつくるごはん」の取り組み。農業は、ただ作物を育てるだけではなく、地域の風景そのものをつくる営み だという考え方です。

 

 南阿蘇の美しい風景を守るために、減農薬栽培米を高く買い取り、協賛企業に販売する仕組みづくりにも挑戦されています。 「農業で稼げる → 風景が維持される」という発想は、農村の未来を考えるうえで大切だと感じました。
 

  🌱 農村プロデューサーへのメッセージ

 山戸さんが最後に伝えてくださった言葉は、どれも心に残りました。

  • 地域への敬意は必須
  • “ないものねだり”ではなく“あるもの探し”
  • 地域の人と同じ目線で汗をかくこと

 そして、最後のひと言。『そこに骨をうずめる覚悟はあるのか』 地域づくりは、一時的な関わりではなく、“暮らしそのものを共にする覚悟”が問われるのだと感じました。
 

  ✨ おわりに

 今回が入門コースの最後の講義でした。1か月ほど続いた学びの中で、地域の人の声、現場の苦労、未来への希望を、たくさん受け取ってきました。

  • 農業の厳しさ
  • 風景を守るという発想
  • 地域への敬意
  • “あるもの探し”の大切さ
  • 覚悟を持って地域に向き合うこと

ありがとうございました。