2026年7月23日(木)![]()
今日23日は二十四節気の「大暑」で、一年で最も暑さが厳しい頃です。暦通りに今日23日も災害級の暑さ。こちらでも39℃の猛暑日、熱中症警戒アラートも出ています。![]()
さて、農村プロデューサー養成講座・入門コース第4回では、「地域資源利活用分野」 ~公立小中学校から考える「公共的な空間」のこれから~ をテーマに学びました。
講師は、東京科学大学 環境・社会理工学院 建築学系教授の 斎尾直子先生。公共施設計画の専門家として、長年にわたり農山漁村の空間づくりに携わってこられた先生です。
🏡 農山漁村は「地域資源の宝庫」
講義ではまず、農山漁村が抱える現状について説明がありました。
- 超少子高齢化の進行
- 自然災害の増加
- 公共施設の老朽化
こうした課題により地域資源が失われつつある一方で、農山漁村には人々の居場所や歴史ある公共施設など、地域の暮らしを支える貴重な資源が数多く残されていることが紹介されました。
🏫 公立小中学校は「地域の核」
今回の講義で特に印象に残ったのは、公立小中学校(廃校を含む)を地域資源として活用する考え方です。
学校は、
- 地域の中心に立地している
- 多くの人の思い出が詰まっている
- 広い敷地や施設を備えている
- 地域コミュニティの拠点になりやすい
といった特徴があり、地域資源として高い価値を持っています。たとえ廃校となっても、「屋根のある広場」「地域の家」「多機能スペース」など、新たな役割を持たせることで、人々が集い交流する場として再生できる可能性があることを学びました。
図書館も学校と同様に地域を支える公共施設の一つです。公共施設の再編や複合化を考えるうえで、大変参考になる内容でした。
🌿 「公共的な空間」とは
斎尾先生は、これからの公共空間について、次のような考え方を示されました。
- 行政が整備した施設だけが公共ではない
- 屋内・半屋外・屋外を一体的に活用する
- セミプライベート・セミパブリック・パブリックという空間のグラデーションを大切にする
- 誰もが安心して気軽に利用できることが重要
- 「1機能=1施設」ではなく、複合化・融合化を進める
公共性とは、「誰が整備したか」ではなく、「誰もが安心して利用できるか」という視点が重要であることを改めて考えさせられました。
🏫 学校建築の課題と可能性
高度経済成長期に建設された学校施設は老朽化が進み、全国で建替えや再整備が進められています。
今後の学校には、
- 多様な学習形態に対応できる空間
- インクルーシブ教育を支える設計
- 教職員が働きやすい環境
- 防災拠点としての機能
- 地元木材を活用した木質化やエコスクール化
などが求められています。
農村地域では、小規模校だからこそ地域の実情に合わせた柔軟な施設づくりが可能であるというお話も印象に残りました。![]()
🚨 災害時の避難所としての学校
学校は、災害時には地域の避難所として重要な役割を担います。東日本大震災以降、新しい学校施設では避難所機能の充実が進められています。
一方で、農村地域では徒歩圏内に学校がない地域も増えており、地域活動の拠点となる「公共的な空間」が、平常時だけでなく災害時にも重要な役割を果たすことが紹介されました。
🌾 農村コモンズの再生
講義の最後には、「農村コモンズ」の考え方について学びました。
従来の農村コモンズ
- 入会地
- 神社・集会所
- 農産加工所 など
現代の農村コモンズ
- 直売所+子どもの広場
- 学校+図書館+デイケア施設
- 親子の居場所+カフェ+集会所
機能や運営主体が融合し、利用者も地域内外へ広がるなど、多様な人が集う空間へと変化していることが紹介されました。
「行政組織ごとの施設整備ではなく、『公共的な空間』として地域全体で場所づくりを考えることが重要である」という先生のお話が、とても印象に残りました。
✨ おわりに
今回の講義では、これまで学んできた「コミュニティづくり」とは異なる、「空間づくり」という視点から地域を考えることができました。
農山漁村に残る地域資源を生かしながら、人々が安心して集い、支え合える場所をどのようにつくっていくのか。その重要性と可能性について、多くの気づきを得ることができました。
次回の講義も楽しみにしています。![]()
📘 付け加え
斎尾先生がお勧めされていた『人口縮小!どうする日本?』も読んでみたいと思います。
縮小社会にふさわしい公共空間のあり方や地域の未来について、講義で学んだ内容と重ね合わせながら、理解をさらに深めていきたいと思います。


