2024年8月28日(水)

コレクション展を見に行ってきました。どうしても舟越桂の作品をみたくて。😉

写真撮影OKですので、気に入った作品もいつくか撮っておきました。ウインク

企画展『アブソリュート・チェアーズ』は見ていません…。

 

ロビーに展示されていた青木野枝《Untitled (NA96-2)》1996年

 

どうみても工業用の鉄板を溶断し、溶接して組み上げているようです。この人の作風なんですね。


2024年度第2期コレクション展
[会期]2024年7月18日(木)―9月23日(月・振休)
[会場]愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)
[開館時間]10:00-18:00、金曜日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで) 
[休館日]毎週月曜日(ただし、9月16日[月・祝]、9月23日[月・振休]は開館)、9月17日(火)
[観覧料]一般 500円
[主催等]主催:愛知県美術館

 

展示室3 新制作派協会彫刻部の創立メンバーたち

本郷、山内(壯夫)、吉田(芳夫)、舟越、佐藤(忠良)、柳原、明田川の7名によって1939年に彫刻部が設けられた。

 

柳原義達 《⿊⼈の⼥》 1956年

 

本郷新《無辜の民》 1970年(1991年鋳造)

 

⾈越保武 《シオン》 1979年

 

 

佐藤忠良 《レイ 》 1980年

この作品、御堂筋彫刻ストリートでも見ています。ウインク

 

 

追悼 舟越桂《肩で眠る月》1996年

 

 

 

寄託作品の舟越桂《つばさを拡げる鳥がみえた》1985年 は、撮影禁止でした。

    

追悼 舟越桂
 彫刻家の舟越桂さんが、本年3月29日に72歳で帰天されました。安らかな眠りをお祈りいたします。
舟越桂 (以下敬称略) は1951年、彫刻家舟越保武 (この解説文右のシオン》の作者)の次男として岩手県盛岡市に生まれました。三男の直木(1953-2017)も抽象彫刻家です。桂は東京造形大学と東京藝術大学大学 院で粘土による具象彫刻を学びましたが、大学院在学中に函館の修道院 から木彫の聖母子像を依頼されました。楠(クスノキ)材で制作するうちに「この材質なら頭の中にもやもやとあるイメージ、人物をリアルに、ポートレートのように作ることができるかもしれない」と思ったといいます
 1980年に舟越は、楠の木彫に薄く彩色した等身大の上半身像を作り始めました。ワイシャツやジャケット、セーターなどの着衣像であることについて 「普通のひとは、裸の状態ではいませんから」と述べています。1982年からは顔に大理石製の眼球をはめ込んでいますが、 やや外側に開いた瞳は遠くへ視線を投げると同時に、自分の内面を見つめているかのようでもあります。無言の表情と静的なポーズは、瞑想的な雰囲気をまとっています。ここに展示している1985年作《つばさを拡げる鳥がみえた)(寄託作品) はその一例です。
 1988年のヴェネツィア・ビエンナーレで高い評価を得た後、角のような髪型で非日常的な服を着た中性的な人物像も作られ始め、90年代半ば以降は異形の像が主となります。2005年からのスフィンクスシリーズでは、半人半獣両性具有の裸体像によって逆に人間とは何かを問い直し、戦争など人間の愚行への怒りや嘆きも表されました。
 1996年作の《肩で眠る月》は前年に始めた「山のような人」の1点で、グリーンのインクで着彩された大きく丸みある胴体は、山をイメージしています。舟越は東京造形大学に通う車の中から八王子城址の山を見て「あの山は俺の頭の中に入る」と感じたといい、約20年の時を経て人間の存在の大きさや想像力の雄大さを示すものとして造形化しました。この作品では両肩に黒い小山と三角屋根の家があり、右肩の家には小さな出入口への階段も彫り出されて、大きさがさらに強調されています。また、ラグビーキャップのような帽子を被った頭の左後方にはもう一つの小ぶりな顔が表されています。詩的な題名とも相まって、この顔が月なのか、あるいは口をわずかに開けた正面の顔が眠り、もう一人の自分が目覚めようとしているのかなど、作品を観る私たちにも様々な想像を促します。