2024年6月8日(土)

東京大学農学部公開セミナーにオンラインで参加。ウインク


第66回農学部公開セミナー
日 時: 2024年6月8日(土) 13:30~16:35
会 場:ハイブリッド開催(現地:東京大学弥生講堂・一条ホール・オンライン:Zoom)
テーマ:「海と農学」
定 員:現地参加:約300名(事前申込不要・当日先着順)
    オンライン参加:約1,000名(要事前申込)
参加費 : 無料
資 料:要旨集(PDF)
主 催 : 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
共 催 : (公財)農学会


 

【司会】中西 もも(One Earth Guardians育成機構 准教授)

 

第66回農学部オンライン公開セミナー「海と農学」
13:30~13:35    開会の辞    中嶋 康博 研究科長
13:35~14:15    ゲノムと水産と予測    菊池 潔(附属水産実験所 教授)

14:15~14:55    魚の鮮度の価値と可能性に迫る    阪井 裕太郎(農学国際専攻 准教授)
15:10~15:50    400年生きる魚と1年で死ぬ魚:水の生き物から探る老化と寿命の不思議    木下 滋晴
(水圏生物科学専攻 准教授)
15:50~16:30    海と川で繰り広げられる魚たちの多様な旅    黒木 真理
(情報学環/農学生命科学研究科 准教授)
16:30~16:35    閉会の辞    中西 もも

 

農学部150年:農学の魅力と未来を伝える2024【150周年記念関連行事】
・千葉演習林春の一般公開 (2024年4月26日 (金) 開催)
・第66回農学部公開セミナー (2024年6月8日 (土)開催)
・食の安全研究センターシンポジウム (2024年6月12日 (水) 予定)
・社会連携リエゾンオフィス第1回シンポジウム (2024年7月24日 (水) 予定)
・北海道演習林創設125 周年記念式典 (2024年10月11日 (木) ~ 12日 (金) 予定)
・第67回農学部公開セミナー(2024年10月19日 (土) (ホームカミングデイ) 予定)
・東大マルシェ (2024年10月19日 (土) (ホームカミングデイ) 予定)
・社会連携リエゾンオフィス第2回シンポジウム (2024年11月27日 (水)予定)
・農学部創立150周年記念式典 (2025年3月4日 (火)予定)
・社会連携リエゾンオフィス第3回シンポジウム (2025年3月6日 (木)予定)
 
(講演会メモ)
ゲノムと水産と予測
    
1.養殖は成長産業←この20年、研究光家の効果は?
2.ゲノム配列解読と単純な予測
 (性決定遺伝子の研究)←そこそこ、がんばった
3.複雑な予測←キャッチアップから独自技術へ
 (ゲノム予測)

 

 

 ・魚の鮮度の価値と可能性に迫る

大和製衡株式会社のFish AnalyzerTM Pro。この機器は電気抵抗から鮮度を推定するもので、約4 秒で非破壊で測定できる点が革新的。鮮度はA-D の4 段階で表示され、A-B が主に生食用、C-D が主に加熱用と判断されます。
 鮮度がよい商品は、鮮度表示をした方がより高く売れる。

 

    
新たな仮説:魚食離れの一因は「情報の非対称性」ではないか?
・この仮説の魅力は、明確な処方箋 (情報提供)をもっていること。 
・「鮮度」は消費者が重視していながら判別できない情報であり、情報の非対称性の影響が大きい属性と考えられる。
・鮮度表示は魚食離れ緩和・解消に有用と期待される。
・果物の糖度表示の経験が参考になる。 短期的に糖度の低い商品の価格が下がったが2年後には元の水準に回復したという報告(徳田1994)
・重要なことは消費者側に品質の不確実性を押し付けないこと。
・他の情報(調理方法、 環境への影響、誰が獲ったものか等)を表示することにも効果がある可能性。

 

・400年生きる魚と1年で死ぬ魚

 

    
寿命はプログラムされている
・寿命は遺伝的要因と環境要因によって決まるが、 種によって異なって いる最大寿命は、遺伝的要因で決まるようだ。
・ヒトの場合、近年環境要因によって平均寿命が延び続けているが、最大寿命 (120年程度)に変化はない。
・脊椎動物全般を見渡すと、最大寿命があいまいで、極めて寿命の多様性に富むグループが存在
その代表例が魚

 

・海と川で繰り広げられる魚たちの多様な旅

 黒木先生は、子どもたちに生き物の魅力を伝えたり、自然環境への関心を深めてもらうために、科学コミュニケーション活動にも取り組んでいらっしゃいます。

 

東京大学では、40 年以上前からニホンウナギの産卵生態の謎に取り組んできた。

 

学術調査船を用いた大規模な海洋観測によって産卵場を突き止めようとする調査が続けられ、直径約 1.6 mm の天然の卵が発見されたのは、2009 年のことであった。その後も、有人潜水艇や深海カメラを用いたニホンウナギの繁殖生態に関する調査や、まだ産卵場がわかっていないインド-太平洋の他のウナギに関する調査が続けられている。