2020年11月13日(金)
記念講演会 江戸川乱歩と名古屋
■講師:金城学院大学文学部教授 乱歩研究家 小松史生子教授
■日時:2020年10月31日(土)午後4時半から
■場所;名古屋栄東急REIホテル
■主催:江戸川乱歩旧居跡記念碑建立実行委員会、名古屋稲門クラブ、瑞陵会(五中・瑞陵高校OB会)、栄町商店街振興組合


 

講演メモ
 ・記念碑建立は、人生のなかで一大メルクマーク。
  お茶の水大学国文学部→東京大学大学院 →金城学院大学(2002年)採用
  国文学の中で、江戸川乱歩を研究することは20年前はタブーの領域。
  修士、博士論文を書くなんてどんでもないこと。
 ・文学には価値観の多様性あり。
  横溝正史、夢野 久作の探偵小説は亜流。

 


 ・社会構造がかわり、最近は価値観の多様性がとりだたされるようになり。江戸川乱歩の作品も再評価させるようになった。
  価値観の多様性を豊かに訴える文学を作り出した江戸川乱歩。名古屋がうみ出したことも重要。
  枠を設けない、自由な発想をサポートする自由な土地柄。
 ・平井憲太郎さん、江戸川乱歩の孫にあたる(長男・憲太郎の息子)が話されたように。
  ボーイスラブの観点で読者が付いている。同性愛問題も作品の中に出ている。
  若い読者を引き付けてる。
  江戸川乱は、名古屋という土地が生み出したことが重要。自由な発想ができる。

 

 

 ・『東海の異才・奇人列伝』を出版した。発想がかわっている人。地元の人はもっと自信をもっていいのでは。
  金城学院大学に私を採用してくれたこと。28歳の江戸川乱歩を研究している女性をよくも採用してくれた。
  今回のエゴ川乱歩の記念碑を2017年から参加。地元のお方々が記念碑を作るため10年以上活動していたことが感動。
 ・短編小説『人間椅子』、『押絵と旅する男』などが近代文学史上再評価 学生が学位論文を書いている。
  これを機会に実際読んでいただきたい。きっと乱歩のイメージがかわる。
  エログロ、ナンセンスのレッテルもあるが。
  人間の心理の奥になにが潜んでいるのかを抉り出すように書いていった作家。


 ・記念碑を作ったからと言って終わりではない。
  名古屋出身の作家さんたちの顕彰と若い人々への情報発信しいくためにも文学館をを作る方向で活動していきたい。
  三大都市の名古屋に文学館が一軒もないことはおかしい。1Step記念碑、2Step文学館!