2020年3月28日(土)


本日の読売新聞に、「コロナも多様性の一つ 養老孟司さんに聞く」が掲載されていました。
人間には都合がよくない新型コロナも多様性の一つ。登場してしまったからには、共存するしかない。だって自分の一部ですから。 
まずは身のまわりにある自然を手入れして、住みやすい社会をつくることから始めたらどうでしょう。

色々とヒントになる言葉がありました。


 

『コロナも多様性の一つ』 養老孟司さんに聞く
◆はじめての経験
しばらくしたら収まると思っていたけれど、一気に広がったね。
症状が軽いから広がるんですよ。
ウイルスは、生きた細胞がないと増えない。
だから、ホストである人が死んでは困る。
新型コロナの場合、感染しても風邪のような症状だけで治る人が今のところ多いので、知らないうちに人に感染させてしまう。

ここまでくると、即効策はないでしょう。ただ、爆発的な患者急増は医療崩壊を起こすので、ワクチンができるまでいかに感染を遅らせるかが課題になる。
はじめての経験だからしょうがない。
また、感染拡大は、国の習慣、文化の違いもあり、単純比較はできない。
マスクの習慣があった日本と、なかった欧米。
建築様式の違いやハグの習慣の有無もある。
それと、イタリアでは、お年寄りとの同居が多く、家族全員が出入りするコモンルームがある家が多いという。
こうした生活様式と感染とのかかわりもハッピーかと言えば、そうではない。
大流行の原因も対策も簡単にはわからないのが現状です。

◆人ごとではない
みんな生き物を軽くみている。
そんな簡単じゃない。
特にコロナウイルスのように微細なものは、構造はわかっても、人間にどう影響するかは未解明です。
写真で見るコロナウイルスの大きさで、人間を描いたら、どのくらいになると思う?
富士山よりもっと大きくて、とてもじゃないが情報を追いきれない。
微細な対象を丁寧に調べたら周りがボケるんですよ。

みんな自分という人間のことがお留守になっている。
その人間には、同じウイルスに感染しても体質や遺伝的に亡くなる人もいれば、元気な人もいる。
それが生物多様性です。
そもそも生物が色々あることを、多様性の一言ですますのがおかしいし、人間には都合がよくない新型コロナウイルスも多様性の一つ。
登場してしまったからには、共存するしかない。だって自分の一部ですから。
例えば田んぼだって自分ですよ。
なぜなら、そこで稲が育ち、米になり、それを食べて自分の体になるんだから。
そうすると田んぼは将来自分でしょ。
物質は循環しています。ですから、ウイルスだって、存在してしまったからには、もはや人ごとではない。

◆生き方を見直す
敵だからという話になると、外出できず、人とも会えず、経済は止まる。
しかもいっくら人工的に安全な環境をつくっても、自然は多様で絶えず変化するから、頭で考えたシステムでなんとかなると思わないほうがいい。
感染者がゼロになっていなければ、再び広がる可能性はある。
ゼロになったかは神様じゃないとわかりません。
ただ、世の中も自然も、思うにかませぬものですから、起こったことはしょうがない。
その結果をいかに利用し、生き方を見直すかで先行きは違ってくる。
日本の敗戦経験と同じだよ。
稲を丁寧に育てれば秋には収穫があるでしょう。それと同じで、まずは身のまわりにある自然を手入れして、住みやすい社会をつくることから始めたらどうでしょう。