2019年3月28(木)
上野駅中央改札口の真上の壁に描かれた猪熊弦一郎の壁画「自由」。
昭和26年(1951年)から上野駅の中央改札口を見下ろす位置にあるこの壁画はそこにあることを忘れてしまうくらいにすっかり駅の雰囲気に馴染んでいます。
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駅舎の屋根の下の三角部分に描かれたこの壁画は、全体にくすんだ色彩で鮮やかさはありませんが、素朴な感じがして見ている人の気持ちを和ませてくれます。
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猪熊弦一郎は四国の高松生まれ、丸亀育ちで東京美術学校(現東京芸術大学)洋画科を卒業後は国内で活動し、その後、フランスでアンリ・マティスの指導を受けています。第二次世界大戦の勃発で帰国後、この上野駅の壁画を完成させています。52歳から90歳で亡くなるまでニューヨーク、ハワイを中心に活動されていました。現在、丸亀市には猪熊弦一郎現代美術館があります。機会があれば寄ってみたいものです。
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上野駅中央改札口手前のグランドコンコース内待ち合せ場所にある「翼の像」。彫塑家・朝倉文夫の作品です。
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中央改札口を入って東北新幹線の改札に向かう途中にある「三相 智情意」。これも朝倉文夫の作品。
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昭和25年(1950年)作ですが、昭和33年10月10日に上野駅開設75周年式場に出席した朝倉文夫氏が、明治16年の自分の誕生日と同じことに感激して寄贈したものです。
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朝倉文夫は、東京美術学校の教授を歴任し、高村光太郎と並んで日本美術界の重鎮であった人で自然主義的写実描写に徹した精緻な表現姿勢を一貫して保ち続け、驚異的な質と量の作品を残し、戦後早々の昭和23年(1948年)には第6回文化勲章を受章されています。そのほか数多くの賞、勲章を受章されています。生まれ故郷の大分県には朝倉文夫記念館、都内には台東区立朝倉彫塑館(登録有形文化財)があります。
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数枚写真を撮って、恵比寿駅電車へ急ぎました。