抗生剤不適切使用で注意したい「菌交代現象」
💊抗生剤使用で注意したい「菌交代現象」~風邪に抗生剤は本当に必要?~風邪や軽い感染症で、すぐ抗生剤を欲しがる患者さんに外来でよく出会います。「先生、抗生物質出ないんですか?」と。実は日常的に抗生剤を使うことには意外なリスクがあります。私は診察した際に、これは必要と判断しない限り、処方しません(当たり前)。抗生物質の不適切な使用のリスクの一つが「菌交代現象」(antibiotic-associated dysbiosis)です。🦠菌交代現象とは?抗生剤は病原菌だけでなく、腸内や体内の善玉菌も減らします。 すると、耐性菌や病原性菌(例: Clostridioides difficile、カンジダ菌)が過剰に増える現象です。•これにより、抗生物質関連下痢(AAD)や腹痛、場合によっては偽膜性腸炎・C. difficile感染症(CDI)を引き起こすことがあります【Kelly & LaMont, 2008; Fishbein et al., Nat Rev Microbiol 2023】抗生剤は風邪の主な原因であるウイルスには効きません。そのため、普通の風邪での使用は腸内フローラを乱すだけになりやすいです。⸻📖医学研究からわかること•抗生剤は腸内菌の多様性を低下させ、長期影響を残す。Dethlefsenらの研究(2008)で、抗生剤投与後も腸内菌は完全回復せず、数週間〜数ヶ月(場合によっては年単位)の変化が残ることが示されました。以降のレビューでも長期dysbiosisが確認されています。【Dethlefsen et al., PLoS Biol 2008; Fishbein et al., Nat Rev Microbiol 2023; Szajewska et al., Nat Rev Gastroenterol Hepatol 2025】。•耐性菌の長期定着抗生剤使用後に耐性菌が長期間残存する可能性【Jernberg et al., Microbiology 2007】。•感染症リスク増加菌交代現象はC. difficile感染症(CDI)などのリスクを高めます【Brown et al., 2013; Di Bella et al., Clin Microbiol Rev 2024】。🕯️ 日常生活での工夫1. 風邪や軽症感染症では抗生剤を避ける(医師に安易に頼まない、医師も慎重に判断)→ 休養、水分・栄養補給が基本。菌交代現象や耐性菌増加を防ぐ最善策です。2. 必要時も医師の指示を厳守(最小限の期間・用量で)3. 抗生剤使用後・使用中の腸内環境ケア•プロバイオティクス(特にLactobacillus rhamnosus GGやSaccharomyces boulardii含有のもの)や発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌など)•プレバイオティクス・食物繊維(野菜、きのこ、海藻、全粒穀物)→ 最新レビューで、これらがdysbiosisの回復をサポートし、AAD予防に有効とされています【Szajewska et al., Nat Rev Gastroenterol Hepatol 2025; Hodzhev et al., Open Forum Infect Dis 2024】。• タイミング:抗生剤投与後2〜3時間あけて摂取(生菌が殺されないよう)。🕯️ まとめ•抗生剤は強力ですが、不適切使用は腸内フローラの乱れ(dysbiosis)を招き、短期・長期の健康リスクを生みます•風邪などウイルス性感染症では基本的に不要。腸内フローラを守ることが長期健康につながります。•必要な場合も最小限にし、食事・生活習慣(+可能ならエビデンスの強いプロバイオティクス)で善玉菌をサポートしましょう。😇さて、すぐ抗生物質を処方する・求めるお医者さんや患者さんを、あなたはどう思いますか?※本記事は、私自身の経験や医学的知見をもとに作成し、AIを活用して情報整理、内容確認、エビデンスチェックをしています。⸻参考文献 1. Kelly CP, LaMont JT. N Engl J Med. 2008;359:1932-1940.2. Dethlefsen L, et al. PLoS Biol. 2008;6(11):e280.3. Jernberg C, et al. Microbiology. 2007;153(Pt 2):321-332.4. Brown KA, et al. Clin Microbiol Rev. 2013;26(4):645-680.5. Fishbein SR, et al. Nat Rev Microbiol. 2023;21:772-788.(抗生物質の腸内微生物への長期影響)6. Szajewska H, et al. Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2025;22:155-172.(プロバイオティクスによる回復支援)7. Di Bella S, et al. Clin Microbiol Rev. 2024;37:e0013523.(CDIの最新レビュー)8. Hodzhev V, et al. Open Forum Infect Dis. 2024;11:ofae615.(高用量プロバイオティクスミックスのAAD予防効果)