(つづき)


■ 葦原涼の恐怖


アギト第9話冒頭で印象的なのは、

涼が謎の青年(=闇の力/テオス/神/創造主)を前にした瞬間、

明確な「恐怖」を示す点。


これは単なる強敵への恐れではなく


・戦う前から

・理由を理解する前から

・言葉を交わす前から


身体が先に拒絶している恐怖


ここがこの場面の最大のポイント



■ 公式設定から見た前提


・謎の青年はアンノウンを統括する上位存在

・人類の進化(アギト化)を異常・排除対象として確定

・ギルスは不完全な進化体、途中段階の存在


つまり、ギルスは

不安定であり、否定されやすい存在

という位置づけ




■ 本能的な「排除される側」の感知


ギルスは、

・力に適応しきれていない

・肉体にも精神にも強い負荷がかかる

・力を制御できていない


いわば進化に失敗しかけている存在。


ギルスにとって謎の青年は、


・管理する側

・選別する側

・拒絶する側


であり、

存在そのものを否定してくる上位原理


だからギルスは理屈で理解する前に、


この存在に見つかったら終わり


という感覚や本能で察知してしまった。


これが恐怖として現れた、と考えられる。



■ 捕食者と被捕食者の関係性


闇の力は、進化個体を刈り取る存在だが、

ギルスは真っ先に狙われる未完成体と捉えられるかもしれない。


完成されたアギトよりも、

不安定で制御不能なギルスの方が、神にとって危険とみなされる可能性もある。


だからこそ、

ギルスは謎の青年を見た瞬間に

「自分は不完全な存在として狩られるかも」と感じてしまった。



■ 思想への恐怖


もう一つ重要なのは、

ギルスの恐怖が力の差では説明しきれない点だ。


人間は、進化とする存在

そして自由に生きようとする存在


しかしギルスは不完全な進化。

闇の力と進化は、最初から対立している


ギルスが恐れたのは

「この世界のルールそのもの」

だったのかもしれない。

この思想的な圧を感じ取ったと考えられる。



■ まとめ


・ギルスは闇の力を理解する前に恐れた

・それは不完全な進化体としての本能的反応

・ギルス=不完全な進化であることの一端を描いた回


この恐怖があるからこそ、

ギルスの物語は単なる怪物化ではなく、

構造的な悲劇として成立している