私は、小学校6年生くらいから医師になりたいと思っていて、
中学高校では進学校に通っていたこともあり、あまり遊ぶこともなく、
ひとりで勉強することがと多かったです。
中高では同級生や友人を困惑させたことも多かったのではと今では思います。
その結果、
自分と他人との距離の取り方がよくわからなくなってしまいました・・・。
大学時代以降は、その遅れを取り戻そうとだいぶ苦労しました。
社会人になってからも、人間関係で失敗することも多かったです。
数々の失敗から学んだこともあり、ある時期から心と脳のこと、コミュニケーションに関することを勉強し、
それをもとに仕事で患者さんとの対話を積み重ねるなどして、
だんだんと人との距離の取り方がわかり、コミュニケーションの技術も身についてきました。
患者さんの悩みを拝聴したり、病気の心理的背景を解明していくことを積み重ねるのは、私自身大変勉強になります。
先日も、友人との距離の取り方がわからないことが原因で体調をこわしている若者が外来に来ましたが、
友人との心理的なソーシャル・ディスタンスをとるためのコミュニケーション技術の獲得も大切なんだなと思いました。
例えば、「血圧が高いから」と、数字を見て薬を処方するだけの外来診療であれば医師でなくてもできるような業務だし、
仕事としても面白くありません。
患者さんとの対話を通して、その患者さんにとってより良い未来が開けていけるような外来診療や在宅医療ができれば、
私の医師としての仕事はより楽しくなるものと思っています。