医者が見ているのは患者かパソコンか? | 人生を豊かにする本物の医療を目指して。 Dr.SHUTOのブログ 「Wellness&Happiness」

人生を豊かにする本物の医療を目指して。 Dr.SHUTOのブログ 「Wellness&Happiness」

心と体に優しい医療により、縁ある方々が悔いのない健康で幸せな人生を送るきっかけになりますように。

真弓定夫先生のご著書からの引用です。

 

「オンライン診療推進」などと言っていますが、それが当たり前になってしまうと、

 

人が人をみる医療の温かい面や、医師としての心構えに悪影響が生じないか心配な面もあります。

 

歴史的には、例えばCT検査や超音波検査等々の画像診断が発達して、医者が打診をしなくなり、聴診器もあまり使わなくなった、などという前例もあります。

 

一方で、検査技術の向上で診断精度が上がったり、僻地医療などでオンライン診療が大活躍するなどといった長所も当然あります。

 

科学技術を取り入れることの短所を理解したうえで、現代医療に取り入れるというスタンスが大切です。

 

一つ心配なのは、これから医学部を卒業する次世代の医師たちは、

 

患者に触れない医療が当たり前とかになってしまったりしちゃったりすることです…

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私が医者になった五十年前には視診・問診・打診・聴診・触診が重視されていました。

 

今でも私はそれらが診療の基本であり、要諦でもあると信じています。

 

ところが、年とともにさまざまな便利な検査法が開発されています。同時にコンピューターによる診断や治療も普及してきました。

 

医者である以上、私もそれを否定しているわけではありません。

 

しかし、患者に触れる本来の医療のあり方と、器械に頼る診療とが逆転してしまっていないか、重大な反省期にあると考えています。

 

先日、こんな川柳を目にしました。

 

「お医者さん、パソコン見ないで、私診て」

 

残念ながら病院では日常的に見られる風景です。

 

これをユーモアとしてではなく、医者はもっと真摯にとらえるべきではないでしょうか。

 

(『子どもたちに贈る12章』 真弓定夫著 生食協会MOOK)

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