大人の外来でも、小児の外来でも、風邪薬を求めて受診される方は多くいます。
風邪薬とは何でしょうか?
その多くは以下の成分でできています。
医者が処方する薬も、だいたいは以下の成分のミックスです。
①鼻水を緩和する薬
②痰を出しやすくする薬(去痰薬)
③咳止めの薬
④解熱鎮痛薬
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<解説>
④解熱鎮痛薬
熱というのは、体内にあるウイルスなどのバイキンを「殺菌するために自分で体温を上げる」という結果、出ます。
体温が高いと、免疫の細胞である白血球の働きが活発になります。
要は「バイキンをやっつけるために必要だから、自分で発熱させて菌を焼き殺す」、というイメージです。
解熱鎮痛薬は、白血球などが出す発熱物質を遮断することで熱が上がるのを防ぎます。
このように、人工的に熱が上がるのを阻止したらどうなるか?
体内の風邪ウイルス、バイキンさん、外敵は大喜びです。
熱が上がらないと、白血球も十分に働けないので、結局はバイキンが活発な期間が長引いてしまいます。
この薬も、決してウイルスを殺したり、ウイルス量を減らすことで熱を下げる薬ではありません。
熱は必要があるから自分で出しています。
発熱が続いたらなんとなく恐い気持ちがすることはわかりますが、熱を恐れすぎないようにしましょう。
<おまけ>
●抗生物質について
普通の風邪には抗生物質は効きません。
ウィキペディアですら「あまり適切とは言えない処置」として抗生物質のことがたくさん記載されています → http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A2%A8%E9%82%AA
抗生物質を多用する医師は日本の場合多いですが、これは大変な問題です。
抗生物質が効果を発揮するのは風邪のようなウイルス感染症ではなく、細菌に感染した時だけです!
細菌に感染した場合、採血などの検査に異常が出ますし、抗生物質が効くような一部の感染症を疑う場合に限定すべきです。
抗生物質を乱用すると、体内にいる善玉菌も悪玉菌も殺してしまうため、体内のバランスがおかしくなります。
抗生物質が効かない「耐性菌」も増えてしまいます。
薬の多用は医療費の高騰にもつながっています。
風邪の時に抗生物質をむやみに使用しないようにしましょう。
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このように、風邪薬というのは、
あくまで症状を抑えるだけの薬であり、原因であるウイルスを殺す薬ではありません。
一時的に症状を緩和させたとしても、風邪を治すどころか、風邪の期間を長引かせる可能性や悪化させる可能性すらあるわけです。
薬というのは「化学物質」です。
化学的に合成されている人工物です。味付けや成型、色付けに様々な添加物も使用されています。
小児の時から、風邪の時、咳・鼻水が出ている時にこのような風邪薬を多用するとどうなるのでしょうか?
化学物質が体内に蓄積した結果、成人になってからアレルギーや様々な病気、そして難病になっていくリスクは本当にないのでしょうか?
子どもの頃から薬を使わず風邪を治し続ければ、体内の免疫は鍛えられ、抵抗力がつきます!
わたくしの周りでは、「自分の子どもが風邪の時に薬を使わなくなったら、子どもの体が強くたくましくなった!」という声がたくさん出ています。
20~30年前の子どもたちは、みんな青い鼻水をダラダラたらしながら外を遊びまわってたじゃないですか。鼻水やちょっと咳が出たぐらいでは医者にかかったりしなかったですよ。インフルエンザも、かかったら大騒ぎしてるのはここ10年くらいの話です。
これからどのような医療を主流にすべきか、よく考える必要があります。
(おわり)
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・私個人の主観的な意見による記事ですので(当然、偏りがあります)、正しいかどうかは各個人の自己責任でお願いいたします。
・メッセージ等による質問はすべてスルーしています(お返事しません)。
・アメンバー申請が何件もきていますが、
申請の際に、メッセージのない方は承認いたしませんのでご了承ください。
簡単な自己紹介と、どういう理由で申請されたかなどを教えていただけるとありがたいです。
お手数ですがよろしくお願いいたします。
Dr.シンスケ
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