(つづき)

5.小児の発熱と抗生剤


発熱のほとんどは、ウイルス性の風邪が原因です。

発熱の原因となるバイ菌には、ウイルスと細菌があります。

細菌は、それ自体が細胞を持ち、単体で生きていけます。

細胞の細胞壁を壊す、などの作用をもつ抗生剤が効きます。

これに対し、ウイルスは他の細胞に寄生しないと生きていけません。

ですから、ウイルスには抗生剤が効かないのです。


小児の風邪はほとんどがウイルスによる感染症であるため、抗生剤は効きません。

風邪が長引いて、弱っているときに細菌の感染を合併したときには、

抗生剤が効きます。


つまり、抗生剤が必要な小児の発熱は、非常に限られるのです。


熱が出たからといって、むやみやたらに抗生剤を使用していると、

「善玉菌」を含む腸内細菌のバランスがくずれ、

その結果、下痢をしたり、免疫力を下げてしまう結果になってしまいます。


本当は、しっかり血液検査などをして、細菌感染であることを確認してから抗生剤は使うべきなのです。


お母さんの中にも「抗生剤は出してくれますか?」などと言ってくる人がいますが、それも、抗生剤が風邪に効くと思い込んでいる結果であり、そう思い込ませているのは、われわれ小児科医の責任だと思います。

抗生剤の多用は、耐性菌を作ったり、アレルギーの原因になったり、免疫力が下げたり、百害あって一利なしです。


ぜひ、正しい知識をお知らせしていきたいです