日本の保険診療には診断基準と言うものがあります。
これに基づいて保険診療をするわけです。
2024年婦人科学会より多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)診断基準が公表されました。
PCOSの表現型には人種差があるため、欧米の診断基準とは多少事なります。
ちなみに当院では以前より両者を総合的にみて治療をお勧めしています。
以下の3つの項目全てを満たすものがPCOSです。
①月経周期異常(無月経、稀発月経、無排卵周期症)
②多嚢胞卵巣またはAMH高値
③アンドロゲン過剰症(採血によるアンドロゲン高値または男性型多毛)またはLH高値
(肥満例では下垂体からのゴナドトロピン分泌能が低くなるので、LHを用いずにLH/FSH比で判定)
多毛や卵巣所見の判定にAMHの項目が増えましたね。
PCOSでは慢性的な排卵障害のために同様の状況になることから、子宮体癌の発症率が増加します。
また、肥満例においては将来的な糖尿病、脂質異常症、高血圧症などの生活習慣病を予防するために早期からの減量指導や薬物療法が重要となります。
PCOSを甘くみてはいけません!