腎臓ためには、肉は脂身も含めたほうがいい | ドクターズガイド オフィシャルブログ 名医から聞いたとっておきの話

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昨今の糖質オフブームは、炭水化物に対する評価をガクンとさげた反面、タンパク質をヒーローにした感があります。そんななか、赤身肉は腎臓に負担がかかるという記事がありました。この季節は熱中症予防として塩分摂取も奨励されますが、過剰な塩分も腎臓によくないという定説があります。腎臓、タンパク質、塩分について、この際はっきりしておこうということでピックアップしました。

まず赤身肉と腎臓に関する研究発表ですが、シンガポールの研究者チームが6425人の成人中国人の食生活を15年にわたって調査した結果、食事のなかで赤身肉を多く摂取した人が、少なかった人に比較して腎臓病リスクが40%高くなっていたとのこと。そして、リスクの高い人の食事のうち、1食を赤身以外の鶏肉、魚、貝、卵、乳製品、大豆、豆類などのタンパク質に置き換えたところ、最大で62%、リスクを減少させることができたそうです。なんに対して40%高い、62%低いという分母については詳細がなかったのですが、赤身肉がなんらか腎臓に負担をかけていたらしいことは確かです。

人体が食物をエネルギーに変換すると、体内に副産物が発生します。炭水化物と脂質の副産物は水と二酸化炭素だけですが、タンパク質だけは尿素や窒素といった体によくないものも発生し、腎臓はこれを濾しとって、尿と一緒に排泄する働きをしています。タンパク質の摂取が少なければ、腎臓の仕事が減って負担が減り、長期的には腎機能低下のリスクが減る。同じカロリー量を摂取するなら、脂質も混ぜてのほうが腎臓には負担が少ない、ということで、脂肪の少ない赤身は望ましくないわけです。先の調査で出た数字も、赤身肉のちょっと高い負担が、長期的に差を出した結果でしょう。

ならば大豆などの植物性タンパクで、とも思えますが、筋肉や血液を作る材料としては動物性タンパクのほうが効率がよく、摂取タンパク質の60%は動物性にすることが奨められています。

いっぽう塩分と腎臓の関係ですが、これも腎臓の仕事量につながっていました。非常にざっくりと言うと、体は体内の塩分が多くなりすぎる(しょっぱいものをたくさん食べる)と、これを規定値まで薄めようとして水分を貯めこみ(喉が乾いて水分を摂る)、体内の水分量が多くなります(むくむ)。多くなった水分を排出するには尿を多く作ることになり、腎臓の濾過の仕事が増える→負担がふえる、ということです。

まとめますと、腎臓には負担だけれど動物性のタンパク質は必要。そして夏は塩分もたくさん摂取しなければならないことが多くて、場合によってはこれも腎臓には厳しくなりそう。なので、食事には脂質も含めて必要なカロリーを摂るようにして、腎臓にやさしい夏にしよう、ということになります。なんだか微妙でややこしい話になってきました。

個人的には、脂身を好むわけでもなく、けっこうな醤油派で日常的に塩分は高め、健康診断ではたいてい腎臓の件がひっかかります。幸いこれまでは異常なく過ごしていますが、すでにまじめに注意すべき年代でもあるので、肉を食べるときは脂があるのを選ぶべきかと考えています。