始めるべきインフルエンザ対策が意外と楽しいかもしれない | ドクターズガイド オフィシャルブログ 名医から聞いたとっておきの話

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気持ちいい秋の季節になりましたが、自分が思うよりも寒い時間もあったりして油断できません。おなじみの米国のサイトNEWSMAXの健康ニュースにも「注射無しでインフルエンザを予防。1分間で免疫ブースター」というタイトルがありました。目新しい内容ではありませんが、今思い出すべきこととしてピックアップしました。

プロバイオティクス:最近頻繁に出てくるプロバイオティクス。10あまりの研究結果を総合した評価で、プロバイオティクスで風邪のリスクを42%低減できるとしています。具体的にはヨーグルトを食べる習慣が現実的でしょう。

お茶:ハーバード大学での研究で、2週間、毎日5杯の紅茶を飲んだ人は、飲んでいない人に比べてウイルスに対抗するインターフェロンの産生が10倍以上に増加という結果が報告されたそうです。研究者は、この活性を促したのはお茶に含まれるL-テアニンという成分だと考えており、病気と戦うポリフェノールとフラボノイドも豊富です。
ここでは紅茶が取り上げられていますが、テアニンもポリフェノールもフラボノイドもビタミンも、緑茶のほうが豊富なようですから、日本人としてはぜひ緑茶を採用すべきだと思います。

ビタミンD:免疫システムが機能するためにはビタミンDが必要。ドイツの研究では十分なビタミンDが、免疫機能を5倍も向上させるという報告もあるそうです。日照によって体内で生成されるのは知られていますが、冬場の日照では足りないかもしれないので、サプリメントを利用するのもいいだろうとありました。過去の試験では、毎日ビタミンDを摂取した子供のインフルエンザリスクが40%以上低下したという報告があるそうです。

手を洗う:これはもう耳にタコともいえますが、それだけ重大事項なので。ウイルスを体内に入れないためには、とにかく手からの侵入を防ぐこと、とにかくマメに手を洗うことです。タオルの使用はその効果を薄めることになるかもしれないので、理想的なのはハンドドライヤーとペーパータオル、とありました。日本のお国柄なら、今後個人宅でもこういった設備が普及していくかもしれません。

歌う:ドイツの科学者が「歌う」ことで免疫グロブリンAの濃度、呼吸器系で抗体として働くタンパク質、ストレスに対抗するホルモンが増加することを発見したそうです。具体的には、聖歌隊で歌う人の血液を検査したところ、モーツアルトのレクイエムをリハーサルしたあと、両方の免疫強化化合物の増加が確認されたとのこと。一週間後にこの曲を歌うのではなく「聞いた」だけのときは、組成の変化はなかったたため、「歌う」ことが重要なのだという結論となりました。
テストしたのが「レクイエム」ですから、楽曲の雰囲気にはあまり関係なさそうです。

笑う:「歌う」につづいて「笑う」風邪対策。カリフォルニアのロマリンダ大学で行われた研究によると、笑いはT細胞を増やし、ナチュラルキラー細胞とYインターフェロン、免疫グロブリンA、免疫系を活性化する化合物、感染に対する抗体の量を増やし、ウイルスに対抗する化合物を増加させ、かつストレスホルモンといわれるコルチゾールを減らすことが確認されたそうです。被験者や笑った内容などの詳細はありませんでしたが、これらの効果は翌日の検査でもまだ確認できたとのこと。

というわけで、一日一度はヨーグルトを食べ、まめ手を洗ってきれいにし、緑茶を飲んで温まり、プライベートではカラオケで存分に歌ってお友達と大笑いして、ビタミンDのサプリメントを飲んで寝るという、意外と楽しい毎日がインフルエンザ対策になりそうです。

個人的には、「ヨーグルト」と「歌う」がネックなのですが、ヨーグルトは腸内細菌の問題ですから納豆やお味噌での対応とします。歌に関してはかえってストレスとなるのでとりあえず却下させて頂いて、かわりに同じ効果が期待できるらしい「森林の散歩」を採用することにしようと思います。