一般的な果物や野菜に豊富なカリウム塩が、骨の強度維持に重要であるという報告がありました。イギリス サリー大学のヘレン・ランバート博士が率いるグループの研究です。
人間の骨は、生涯にわたって「破骨細胞によって骨を壊す(骨吸収プロセス)」、「骨芽細胞によって骨を作る(骨形成プロセス)」代謝を繰り返しており、1年でだいたい20~30%の骨が新しく入れ替わります。これはリモデリングと呼ばれる作用のバランスが崩れ、「作る」作業が追いつかなくなると壊すばかりが進んで、骨粗鬆症となります。
根本的には、腸の加齢によって骨形成に必要な栄養の吸収が追いつかなくなることが原因と考えられますが、女性はそれに加えて、閉経によって骨形成に重要なエストロゲンの分泌が減少するというパンチも受けます。また骨形成は適度な刺激で促進されますので、運動が不足すればいっそう追いつきません。もちろん、病気や遺伝、体質といった原因もありますが、結局は、年齢が重なれば多かれ少なかれ、誰もがこの問題に直面します。
一般的には、骨の材料はカルシウムなのだから、これを食べることが対策になると考えられることが多いのですが、腸の吸収も問題であるなら、目詰りしたフィルターにどんどん材料を入れているようなもので、最善策とはいえないでしょう。
これに対して、今回の研究は「骨を壊す(骨吸収プロセス)」のを遅くする点に着目していますので、アプローチとして斬新な気がします。報告によると、果物や野菜に含まれるカリウム塩が、骨吸収プロセスを遅らせたことを確認。骨の強度維持に重要であることを実証したとのこと。
確かに、自然の成り行きで「作る」スピードが遅くなったのなら、「壊す」スピードもそれに合わせれば、全体的な状態は維持できます。そのうえで、栄養吸収や運動に関する改善をはかって総合的に骨を若返らせる努力をしたほうが効果的に思えます。
ただ、詳細な調査方法やオススメ食材をピンポイントで示しているわけではなかったので少々ざっくりとした感じです。またカリウム塩に関しては、むやみに摂取するのもまたよろしくないという記事もありますから、私達もざっくりめに捉えて「骨を弱くしないためには、野菜と運動が大切」ぐらいに思っておいたほうがいいかもしれません。
でもこれを機に骨粗鬆症が起きるしくみを知っておけば、いろいろとムダの節約はできそうです。
