健康という観点からは、痩せるべきかどうかは見た目では決まらないようです。
「太っている」ことが「不健康」だとは限らないという報告がありました。ヨーク大学のジェニファー・クック助教授のグループによる研究です。

肥満の指標として有名なのは、BMI指標ですが、今回の研究では、エドモントン肥満ステージングシステム(EOSS)を使用。この基準で検討すると、体重は過剰でありながら、健康的には問題ない肥満者が多く存在することが明らかになりました。
調査は、肥満とされる6000人のアメリカ人を16年間追跡し、その死亡リスクを痩せている人と比較するという方法で行われました。その結果「一般的に余分な脂肪があるだけで健康を否定される傾向があるけれど、それは必ずしも真実ではない」という結論が得られたということです。
「肥満であっても健康上の問題を示していない人が存在し、こういった人たちは食事や運動などにおいて健康的なライフスタイルをもっています。」とクック助教授は語っています。
EOSSについてよく知らなかったのでちょっと調べてみると、これはアルバータ大学のArya Sharma博士のグループによって開発された指標で、ステージ0~4までの5段階評価になっており、身長と体重の関係で肥満度を判断するBMIに対し、高血圧や血中脂肪、物理的、心理的要素も考慮に入れる指標とのこと。20年後の死亡リスクを知るにはBMIより正確といわれているそうです。ちなみに、ステージ0の場合は肥満であっても医学的リスクはなしとされます。
Sharma博士のグループの研究でも、29,533人分の個人情報を基に16年後の死亡率について調査を行った結果、ステージ0もしくは1の場合、通常の体重の人との間では、死亡リスクに差がないという結論に達したそうです。
詳細は数字はわかりませんでしたが、これらの報告が言わんとする所はわかります。
主に先進国においては「肥満=健康の大敵」「肥満=自己コントロールができない」といったイメージが浸透しきっていて、仕事においてさえ不利な評価を受けることがあります。しかしこれらの研究によって「肥満が健康にまったく影響していない人もいる」ということが示されたわけで、少なくとも見ただけで「不健康である」と判断してはいけないということになります。
この結果をきいてホッとする人、顔をしかめる人それぞれいると思いますが、どちらにも共通するのは「確かな検査をしない限り判断はできない」ということです。
もし自分が望むライフスタイルで肥満が避けられないのなら「良好な検査結果」という免罪符を手にするべきでしょう。それでも不利なことはあるかもしれませんが、自分の能力を主張するチャンスは増えます。
しかし検査結果が良くなければ、どこにも何もいいことはありません。
健康のために痩せるには覚悟がいりますが、肥満の状態を続けるという選択も、冷静な判断のうえでなければいけないということなのでしょう。