雑誌『Precious』12月号がネット記事になりました。


【進化することで未来が拓けるPrecious流「幸福予想図」


【Society】幸せな未来への提言「医学の進歩は、私たちの生き方と健康の常識を劇的に変えていきます」森田 豊さん(医師、医療ジャーナリスト)


Q:ガン、認知症、更年期障害…すべての症状に対応する医療は出てくる?

それこそがまさに、「iPS細胞」を用いた再生医療です。この臨床応用が進めば、悪いところを取り除き、その箇所を自分自身の細胞で補いながら、元の状態に再生することが可能になります。ガンの手術で臓器を取ったのちiPS細胞で構築した臓器を移植したり、脳血管障害や心筋梗塞で死滅した脳や心筋細胞も元の状態に蘇ることになります。これは脊髄損傷の回復から血液製剤まで体のすべてに及び、なにより自分の細胞であるため、拒絶反応がないのが最大の特長なのです。

認知症についても新薬の認可など治療方法が進んでいますが、原因であるベータアミロイドを除去したのちにこの再生医療を活用することで、いずれ治療が可能になるでしょう。更年期障害など女性特有の症状も同様です。現在は薬の服用によるホルモン補充療法などが行われていますが、自らの卵巣にアプローチする、まったく新しい治療が主流になるかもしれません。


Q:AIの進化により、医療機関との付き合い方も変わるのでしょうか?

私が予想しているのが「一家に一台、AIドクター」という未来です。そのAIドクターには、膨大な臨床データから最新の論文までが入っているので、症状を伝えれば病名を瞬時に教えてくれる、という優れものです。さらに注目しているのが、血液一滴でガンを早期発見できるシステムです。AIドクターにそれが搭載されれば、自宅での検査が可能になるでしょう。今、医者不足が叫ばれていますが、「ダ・ヴィンチ」などのロボットによる遠隔手術もさらに身近に。海外の名医に執刀を頼むことも可能になるかもしれません。


Q:この先、画期的な若返りの方法は見つかりそうですか?

若返りに必須なのが「女性ホルモンの活性化」です。先ほども触れたiPS細胞のアプローチで卵巣を再生することで、若返りが夢ではなくなるかもしれません。ホルモンの分泌が盛んになれば肌や髪はもちろん、血管や骨なども強くなります。健康寿命が伸びることにより、心身共に若くいられるでしょう。


Q:ズバリ、私たちは何歳まで生きられますか?

現時点では、統計学的に115歳が寿命の限界値だと推定されています。ゲノム編集で遺伝子を操作すれば、さらに寿命を伸ばすことは可能かもしれません。ここで大切になってくるのが、健康寿命です。介護を必要としない、自立した生活。そのための筋肉を維持するシニア向けの電気刺激やプロテインなどが充実するかもしれませんね。


いずれにしろ、医学の進歩と私たちの死生観は別物です。この先、たとえ不老不死が可能になっても、限られた年数を太く濃く生きることを選ぶ人もいるでしょう。自分はどんな哲学を携え、生きていくのか。それを明らかにしてこそ医学はあなたの味方となる。私はそんなふうに考えています。






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