●オミクロン株ではこれまでの新型コロナウイルスと比較して


1.    感染力はデルタ株の約2から3倍と高い

2.    入院リスクは低いと考えられている。(海外の研究で、約80%減少。海外での致死率はインフルエンザと同程度か、やや高値。肺炎はしばしば生じるが、人工呼吸器などの使用は少なく致死率はインフルエンザよりもやや高い報告が多い)

3.    2回のワクチン接種による発症予防効果は低下しているが、重症化予防効果はあると考えられている。(国内外での感染者のうちワクチン接種済みが、過半数の場合が多い。)

4.    3回目の接種で、発症予防効果も重症化予防効果も上がると考えられている。

5.    潜伏期が短い。(約3日で、これまでの新型コロナでは潜伏期約5日)


感染力の強いオミクロン株にまん延防止がどこまで効果があるかは不明な点も多いように思う。感染拡大を食い止めるなら、より強いブレーキをかけなければ困難だという医師らも少なくない。

中国以外の多くの国では、強いブレーキをかけずに、3回目のワクチン接種を推進しているところが多い。


●医療側の立場としては、日本国内で、早めに広い範囲で強いブレーキをかけて欲しいという声を多く耳にする。


理由は、日本の現状として

1.    3回目のワクチン接種が広まるのには時間がかかる

2.    日本の医療供給体制は脆弱な面がある(病床使用率を指標にしては、オミクロン株の勢いには対応できない)

3.    日本における重症化リスクなど、不明な点が多い。特に今後高齢者への感染が広まった場合のリスクを知ることが肝要。


●いまだかつてない感染爆発ゆえ、早めに強く広い範囲でブレーキをかけることで、短い期間の健康への被害で終わるようにも思いますが、経済面での損失もあるので、この政治判断は、きわめて難しく、いまだかつてない厳しいものと思います。


●今後、高齢者や持病を持った方々の感染例でも肺炎の発症が少なく、重症化が極めて少ないことがもし明らかになれば、強いブレーキまでは不必要になる可能性もある。

ただ、どれだけ致死率が低くても、感染者が大爆発したときの状況は心配が残る。


●ちなみに、

南アフリカのオミクロン株の感染拡大は1カ月半でおさまりつつあることから、(ベータ株、デルタ株は、合わせて約5か月かかった)。

これまでの変異株より早めに落ち着くだろうという説もある。(あくまでも仮説)