安倍総理の新型コロナウイルス記者会見をみて、思った6つの事。


昨夜から、私の信頼する医療関係者やジャーナリストと議論し、自分の頭を整理するためもあり、ブログに記載してみました。献身的に議論してくださった方々に心から感謝いたしたします。



安倍総理の新型コロナウイルスに関する記者会見、そして、メディアで発信する医療関係者のこれまでにないばらつきのある発言などから、多くの方々が心配な日々を過ごされているように感じます。


私は感染症の専門家ではありませんが、メディアと現場の医療の架け橋の仕事に、10年あまり従事してきました。


新型コロナウイルスに関する政府の対策や、報道に関して、私も微力ながら発言する機会をいただきました。患者さんの治療方針と同様に、刻一刻と変化する状態に、柔軟な姿勢が求められています。


①全国休校要請の根拠には疑問!


当初は、安倍総理のリーダーシップ性を期待できる発言と思いました。しかし、安倍総理の記者会見には当惑しました。全国休校措置の根拠を科学的に説明されなかったことです。調べてみると、専門家会議でも全く話題にされていない内容であったようです。文科省大臣も総理も「子供の生命を守る」と言っていましたが、この感染症で子供の重症化はまれなことは、揺るぎのない事実です。


全国休校要請は、安倍政権のパフォーマンスの要素も多いのでは、と思うようになりました。ただ政府の近くにいる専門家は、一部を除いて、全国休校要請には意義あるようにメディアで発言されています。


総理の記者会見からは、根拠が示されず精神論が主のように感じましたから、効果には半信半疑な印象を持ち、デメリットよりメリットが上回るかどうかは未知です。


ただ、#安倍やめるな がトレンド入りしたように、我が国には、他にリーダーシップをとってくれる人はいませんし、副次効果を含めて好転化を期待するしかないです。しばらく辛抱するしかないです。


②PCR検査対象者は厳粛に!


民間検査会社や保険適用により、保健所などでの負担が減り検査できるようになりそうです。

しかし、今、求められるものは第一に、死亡例を少なくすることですから、検査対象は絞るべきだと思います。高齢者や持病を持っている人が肺炎とわかれば、検査は有用で、今後は治験の薬を使用していけます。

ただし、特効薬がわかっていない現在、検査を年齢を問わず無差別にやっても、陽性者の重症化を防止できるわけではなく、病院のベットは少なくなり、医療崩壊につながります。

「検査で陽性と分かっても、できることは安静と栄養などだけ。重症化を直接的に防ぐ治療はない」ことは大事です。

また現在の検査では偽陽性、偽陰性も多い状況なので、「検査で陰性でも安心できない」です。


③効果のある薬を既存の薬から見つける!


すでにアビガンなど、多施設治験に入っているようです。

そして効果ある薬が見つかったら、重症化や死亡を少なくするために、主に年配者に使用すべきと思います。


④クルーズ船問題、結果から学ぶ!


医療関係者や乗組員が、過労と混乱の日々だったようです。

結果的に、14日間は完全なる隔離とは言えず、乗組員が個室部屋ではなかったこと、乗組員感染者が増加したこと、下船した方で感染者が増えていることは残念です。各国に即刻お帰り頂きその国で隔離してもらう、というほうが良かったかもしれません。しかし、現状は政治的な要素もあって必死であったようです。最終的に良くない結果になった、それを今後に生かしてもらいたいです。


⑤理想的な報道のあり方!


メディアの報道の中には、「スタジオのみんなで一緒に結束して怒る」と言うのが散見されました。私のメディアの古き恩師は、「正しく」「ためになり」「興味深い」の3つがなくてはダメとよく教えてくれました。

「ためになり」は同じ情報になってしまうこともありますが必要なら繰り返し伝えるべきです。


⑥政府、厚労省に、医師のスポークスマンを!


メディアで発言される医療関係者の意見がばらついている以上、政府や厚労省が、お墨付きのスボークスマンとして医者や専門家に、わかりやすく説明させる必要があるように考えます。高度な医学知識をわかりやすく解説し、すべての質問に回答してくれる人です。