今から夏の暑さ、熱中症に負けない体づくり
(解説)
熱中症にならないために、体に備わった仕組みは二つありますが、今の春の時期は、この仕組みが夏のようにうまく働いていないので、そのために、熱中症になる人がいます。いわゆる春の熱中症です。
人は暑い時や運動や活動などで、体温が上昇しそうになると、二つの仕組みが働きます。
一つは、皮膚に血液を集めて、皮膚の表面から外の空気に熱を逃そうとします。ただし、この仕組みは、体温が37度だとして、気温がそれよりも高い38度とかでは働きません。
もう一つの仕組みに、汗をかく、すなわき発汗して、それを蒸発させ、その時に奪われる気化熱によって体温を下げようというものがある。しかし、冬はあまり汗をかかないため、汗を作る汗腺の働きが衰えています。今の時期、この春も、汗をかきやすい体とは言えないのです。
「暑熱順化」させて熱中症にかかりにくくすることが大切です。
(もちろん水分補給を十分にして行ってください)
(説明)
本格的な夏を前に、今から徐々に行ってもらいたいのが、熱中症にかかりにくくする「暑熱順化」です。すなわち、汗をつくる汗腺の働きをたかめておくことです。
暑熱順化すると、汗が出やすくなるだけでなく、汗が出ていくときに塩分が再吸収され、塩分の少ないサラサラの汗がかけるようになります。
暑熱順化に必要な期間は、数週間と考えられています。
「暑熱順化」に加えて、血液量を増やし、さらに熱中症にかかりにくくする
(説明)
ややきつい運動とは、若い人ではジョギング、お年寄りでは、早歩きでも構わず、汗をかけばいいのです。20代で1週間、30、40代で2、3週間、50代以上で4週間程度続ければ、体の血液の量が200~400cc増加するという報告があります。たんぱく質が消化吸収され、血液の中に入ると、水分やミネラルなども血液の中に入ってくる、移動してくることが知られています。膠質浸透圧によります。
血液量が増えれば、多少の脱水にも負けない熱中症に負けない体になります。