坂口憲二(42歳)さんの特発性大腿骨頭壊死症についてまとめてみました。


●経過

①2012年8月の初舞台「十三人の刺客」の際に、右股関節の痛みを訴える。

②その後、病院で診察を受けていたが、病名が明らかにならなかった。

③2015年3月に特発性大腿骨頭壊死症と診断をうけ、手術を受ける。

④術後は、車イスを使用する生活を送り、現在は半年に1回のペースで通院。日常生活での歩行は問題ないようが、痛みも残っており、走ることは控えている。

●病名

特発性大腿骨頭壊死症(とくはつせいだいたいこっとうえししょう)、難病指定

 

●簡単に表現すると

大腿骨頭(だいたいこっとう)の血流が妨げられることで骨の組織が壊死し、股関節機能が損なわれる病気

 

●病態

大腿骨は、太ももの骨。大腿骨頭は、太ももの骨のうち、股関節に組み込まれている、ボールのような形をした部分。なんらかの理由で、この大腿骨頭に血が巡らなくなると、組織が死んで「壊死」してしまう。

 

なぜ、大腿骨頭に血液が巡らなくなり、壊死につながるか、原因は不明。

 

●症状

骨が壊死しても、すぐに痛みなどの症状が出るわけではなく、壊死の範囲が広くなると、痛みが生じる。壊死が始まってから、痛みなどの症状が出るまでの間には数ヵ月から数年の時間差があり、壊死が生じても、生涯にわたり痛みをきたさないこともある。

股関節の痛み以外に、腰痛、膝痛などで発症することもある。

 

●疫学
年間20003000人が発症し、年代は3050代が多いとされている。

男性にやや多く発症する。遺伝性はないと考えられてる。

 

原因は不明だが、

  1. お酒を多く飲む人に多い場合
  2. ステロイド薬を服用している場合
  3. いずれにも該当しない場合

の3つの場合がある。(誘因)

 

具体的には

  1. お酒を日本酒で2合以上、毎日飲んでいる人 
  2. ステロイド薬を1日平均で15mg以上程度服用したことがある人

●治療

①保存療法:運動の制限、鎮痛剤の投与

壊死が少なく、症状が軽く、関節の動きも保たれている場合。

②手術療法:

壊死部分が大きくなり、痛みが強くなった場合。

壊死した部分を、手術で切ったり、人工関節に置き換えたりする。

 

長い経過をたどることが多い。


坂口憲二さんも長い経過から考えると、今回の決断には、計り知れない苦悩と決意があったんだと思う。クオリティの高い名俳優という職務に対する強い責任感からの判断なのか、あるいは、病いの勢いなのか。


病状が改善して、何らかの形で、また復帰してもらいたい。


あの「医龍」の医師役は、見事だった。