貴乃花親方は、本来、相撲協会に全面協力すべきで、そちらを重視し、必要に応じて警察に被害届を出すべきとする意見が多いのが現状です。


私は、古き封建社会を引きずった可能性の高い相撲界(我々の医療界も同様)においては、貴乃花親方が全てを相撲協会に話すと、真相が揉み消される危険性もあり、あえて、協会には協力せず、警察へ被害届を出し、中立的な立場の捜査に委ねたのではないかと思います。

いわゆる「膿」を、きちんと出したかったのではないでしょうか。


日本相撲協会の聴取も、貴ノ岩の体調を理由に拒否し続けていて、来年初場所も体調不良が深刻だから貴ノ岩は休場と報じられています。しかし、すでに報道されている「念のため疑った病名」なども書かれた診断書では、全治2週間であり、肉体的には既に治癒していると考えられます。


となると、私の憶測ですが、外傷やその後の騒動で、強い精神的ストレスを感じていて、場合によっては、急性ストレス障害を生じているか、あるいは、外傷後ストレス障害(PTSD)を生じる可能性もあります。PTSDだとすると外傷を受けてから、一定期間の無症状があった後に、さまざまな症状が生じる場合が多いのです。


貴ノ岩のストレス度がどの程度であるかは不明ですが、ストレス軽減の処方箋の一つは、認知行動療法だと思います。


すなわち、いつ、何がきっかけで喧嘩になり、どうして暴力に繋がったか、どうすれば回避できたのかをまずは整理して言語化していくこと。なぜ自分は悪くないのかの心の整理をしたり、今回の事件はたまたま偶然が重なった事柄であったことなのだと認知したり、再び被害を受けることはありえないとか、過ぎ去った事で今後の自分の人生を規定することはないなどを、医師が寄り添いトラウマ体験を受け入れ自己実現をサポートしていくことが重要です。


そう考えると、警察による詳細な真相解明は、貴ノ岩に対する精神的ストレス軽減につながるだけでなく、同時に相撲界に潜んでいるかもしれない病んだ考え方を正す良い処方箋となるかもしれません。


日馬富士が引退して、社会的制裁を受けたことで、書類送検を見送り、事件が不透明で終わらないことを祈願します。


もしも、本事件以外に、他にも相撲界に暴力などに関する悪しき古き伝統や封建社会の病みがあるなら、本事件をきっかけにすべて治療すべきと思います。


以上は私の個人的見解です。

憶測で病気を疑ってはいけないことは、医師として承知してますが、何かの参考になればと思いブログに記載しました。