日の読売新聞にて「梅毒患者4千人超、5年で5倍に増加要因不明」と掲載された。

この問題、厚生労働省が作成しているポスターにもなっている。以前、「そこまで言って委員会」で以下を論説した。


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(ポスター)

若者を対象に、人気アニメ、セーラームーンが描かれているチラシに、検査しないとおしおきよ!!の文字を書かれ、ポスター約5000枚、チラシ約15000枚、がつくられた。なんとこれ、厚生労働省が作ったものだ。原作者の武内直子氏も「(性感染症の検査に対する)今までのイメージを払拭し、セーラームーンの声がファンや皆さまに理解され、検査に結びつくことで、多くの方がより健康に過ごせることを願っております」と訴えているのだ。 


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(厚生労働省、梅毒患者数の推移)

厚生労働省によると、梅毒患者数は、急増しており、この5年間でなんと5倍にもなっています。青の棒の男性患者の増加よりも、赤の棒でかかれた女性患者の増加の方が著しいのです。

梅毒は、性行為などで起こる感染症で、症状が重くなると内臓にまで障害が生じ、また妊娠中の女性が感染すると、子供に重い障害が残る場合もあります。


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(厚生労働省、梅毒年齢別にみた梅毒患者数)

年齢別にみた梅毒患者数ですが、若年層では、男女ともに多く、年を取るにしたがって、男性が多くなります。ただし、注目したいのが、20代では女性の方が多く、急増しているのです。そのほか、グラフには載せていませんが、淋病、クラミジアといったもっと身近な病気も若年化が進んでいます。


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私の主張は以下!。

性教育を徹底化して、梅毒感染者急増を食い止めろ!

 

日本の性教育のありかた

性病に関する日本人の知識のなさ

 

性教育は、中学生から徹底的にしてほしいと思います。ある統計によると、中学生の3~5%で性行為の経験があり、高校生の15~30%で性行為の経験があるという。さらに、女子高校生で性行為の経験がある人の8人に1人はクラミジアに感染しているという報告がある。性教育を早める、詳しく具体的に行うこと、に対する反論もあって、性行為にお墨付きを与えて、性行為の開始年齢を早めるのではともいわれているが、たとえば、フィンランドでは、15歳児に学校で避妊具の入った袋を渡される。その他の北欧諸国でも、徹底した早期からの性教育により、性病罹患率減少を導き、性行為開始年齢の若年化は起きていない。

 

性病に関する日本人の知識のなさ

学校でも性教育は行われているが、ただし、あまり具体的な避妊、性病対策といったことまでは行われていない学校が多い。また、日本の親子関係の中で、これを教育する家庭も少ない。

だから、現在ある性教育のマニュアルを、VTRなどにして全国で同じ水準の性教育を徹底化することが、性感染症の予防になら、さらには経済的理由による人工妊娠中絶の減少につながる。

 

また性行動の多様化もあり、すなわち、口を介した感染も無視できないことを、周知徹底させたい。

特に臨床の現場で思うのは、この口を介した感染に日本を含むアジア人は無頓着である。

コンドームだけに過信できないのだ。


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(厚生労働省ポスター)

厚生労働省も、こんなポスターを作成しました。あなたが感染すれば、大切なパートナーにも感染します。

 

(ちなみに)

「自分が、梅毒などに感染していることを知りつつ、性行為をして、その結果として相手にも感染させた場合には、傷害罪が成立します。傷害罪の法定刑は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金です」