@ER×ICU 〜救急医の日常〜

おこしいただきありがとうございます★

救急医です ヘ(゚∀゚*)ノ






大阪府の某ソルジャー系病院で研修を送り、福岡のERで修行
大阪の某救命センターでさらに救急どっぷり生活を送り


現在は家業をついで副院長として日々奮闘中★★






ブログは研修内容や病院のこと、日々思うことをまとめております

実名の方が発信しやすいかもと思って新たにブログ開設しましたのでそちらもよろしくお願いいたします






こちらのブログの対象は




医学生、研修医、医者になろうと思っている人

そして研修医や救急に興味がある人


のつもりです・・・





テーマ

ギラギラ研修医
・・・研修医時代の毎日 完結

ギラギラ研修医ER
・・・ERの出来事 ER'はその続編

島流し@UWAJIMA
・・・僻地研修の様子


書籍
・・・コレは!!と思う書籍

どーでもいい話
・・・その名の通り


どーでも良くない話
・・・広く一般に知って欲しいアレコレ

治療の常識非常識
・・・治療に関する「へぇ」

限定記事
・・・全世界に発信するのには申し訳ない話題


家の話
・・・本邦初公開★救急医の自宅訪問コーナー


お酒
・・・好きなお酒に関するアレコレ


何食べてんの?
・・・救急医の食生活に迫る







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  • 11Nov
    • 再出発

      アメブロでブログを初めて10年が経とうとしております当初、匿名でやっており、途中で半匿名みたいな感じになりました立場が変わり、書籍を出したり論文を書いたりしているうちに、さらに匿名性が薄れてきました広く発信したいこと、仕事でやっていることの宣伝や啓発などをしっかりやりたかったり、匿名のほうが情報発信しにくいこともあるので出直すことにしました新しくブログを立ち上げて、さらに自分らしい発信の場を作っていきますまた応援していただける方がいらっしゃいましたら、是非訪れて、読者登録いただけると嬉しく思いますhttps://doctor-hero.hatenablog.com/entry/2019/11/10/再出発手探り状態ですが、使いやすいブログにしていきたいですここを消したりということは今の所考えておりませんコメントなども含めて大事な思い出です

  • 31Oct
    • 15年目の手紙の画像

      15年目の手紙

      もう15年になるねそしてこのブログをやり始めてから10年最近、目的を失ってしまったので、更新が停滞気味・・・最初は研修医を集めたくて、普段やっている医療が決して悪いものではないことをいろんな人にわかってもらいたくて始めたけど、今年は研修医も募集定員の3倍以上の申し込みがあり、時代は変わったなと実感しているところだねさて君たちと、読者の皆様に重大ニュース今の職場は今年でやめます家業を継ぐことにしました世間に向けて発信したいメッセージも変わるだろうし、社会に対する自分の役割も変わって行くと思うので、ブログも一旦中締めにしようかと考えていますこの日に背中を押してくれたおかげで突っ走ってこれたちょっとしんどくても、2人分、3人分と思ってやってこれた感謝だ毎年、何か変化があって、読み返すと生きていることを実感する今年も本当にいろんな変化があった遺伝性血管性浮腫は、とにかく新規患者さんの発見と、治療中の患者さんのQOL向上に奔走しています界隈ではそれなりに認知されてきたので、一生の仕事として頑張っていきたいと思ってる敗血症の啓発は救急医学会と集中治療医学会と感染症学会が共同して、Japan Sepsis Allianceとして動き始めて、僕はWHOやGSAの動画に字幕をつけるという仕事をしました英語が嫌いだった高校生の自分に、こんな仕事をしていることを教えたら卒倒すると思うわあとは、中毒と、良い部門長を目指すための書籍が2冊原稿書き終えて、もう1冊書いているところ論文書きたかったけど、こっちは研究が頓挫して残念な結果になってしまった・・・諦めずに、チャンスを狙いますオーケストラは、今週末に伊丹で演奏会ベートーベンとハイドン、オネゲルやるこっちのみんなにお別れ言わないとな最近は、筋トレにはまってる筋トレしてから出勤スパイダーマンを目指して鍛えてきたけど、だいぶ近づいたよ大阪離れたら気軽にUSJに行けなくなってしまう・・・ここで得た筋肉は無駄にせず、水泳に活かして行くのだ忙しいのもあるけど最近ようやく、暗い気持ちを微塵も感じなくなってきた15年かかるんだな大変なことだ仕事と一緒に、一旦ブログの卒業をしようかと思いますどこかに移設するか、ここで新しい形で再出発するかだから、一旦手紙も卒業しようあれこれ考えて、情報発信を続けていくから、こっそりみといてほしいそっちに行くのはもう少し待ってて紹介しても恥ずかしくない兄に変化しつづけよう

  • 22Oct
    • セカンドインパクト症候群の画像

      セカンドインパクト症候群

      前回脳震盪のお話をしましたラグビーと脳震盪今回は、セカンドインパクト症候群を掘り下げて見たいと思います。セカンドインパクト1回目の頭部打撲に続いて起こった2回目の頭部打撲をセカンドインパクトといいます脳震盪、もしくはそれに準ずるような頭部外傷の数日から数週間後、2回目の頭部外傷を負った際に、致死的な脳浮腫を呈するものをセカンドインパクト症候群と呼んでいますこれはエヴァンゲリオンのセカンドインパクト・・・早くシン・エヴァンゲリオン劇場版:||が公開されないか・・・それはおいといてセカンドインパクト症候群の話をしましょう1973年に初めてその病態が報告され、1984年にセカンドインパクト症候群という用語が使われました致死率は50%程度ともいわれていますSaunders RL, Harbaugh RE.The second impact in catastrophic contact-sports head trauma.JAMA. 1984;252:538-9.病態については、血管の過拡張による脳浮腫、いわゆるvasoparalysisが原因と考えられていましたが、頭をぶつけるだけでそんなことが起こるのかという疑問はありましたCantu RC, Voy R.Second Impact Syndrome.Phys Sportsmed. 1995;23:27-34.近年、セカンドインパクトの際に頭部CTを撮ると急性硬膜下血腫所見を伴うことも指摘されており、何らかの関与が考えられていますが、結論は出ていませんCantu RC, Gean AD.Second-impact syndrome and a small subdural hematoma: an uncommon catastrophic result of repetitive head injury with a characteristic imaging appearance.J Neurotrauma. 2010;27:1557-64.初回のCTでは変化がなくても、フォローでCTを撮影するとうっすら硬膜下血腫が出てきているような場合もよく経験します小脳テントの部分や、大脳鎌のあたりは骨や膜でもともと白くなりやすいところで、気をつけて見ていないと出血を見逃してしまいます脳震盪症状が継続する場合にはフォローを行うことも重要ですまた、見逃しがちな部位は、冠状断を確認すると出血所見を指摘しやすくなりますので、疑わしい場合には冠状断作成も検討した方がよいでしょう選手の復帰は?初回の脳震盪でERを受診された方から、よく「いつから復帰できますか?」という質問を受けます当然ですよね僕が選手なら1分1秒でも早く復帰したいです岸和田で開催される、かの有名なお祭り関係の方には、頭蓋内出血を起こしていたとしても「明日は走られへんのか!? 何とかなれへんか!?」などと詰め寄られたりします前回紹介した国際スポーツ脳震盪会議によるSCATでは、復帰のための道筋も例示してくれていますhttps://bjsm.bmj.com/content/bjsports/early/2017/04/26/bjsports-2017-097506SCAT5.full.pdf以前は「当初の安静」が主張されていましたが、近年は「症状に応じて動かしましょう」とされています症状が落ち着いていればステップアップし、スポーツに戻ることが許可されますただし、何らか症状が出現した際には前のステップに戻りますなので、アドバイスとしては「日常生活を送って何も症状が出なければ、歩行やランニングから始めて、コーチなどと相談しつつ、症状の有無を確認しながら強度を上げていってくださいね。もし何らか自覚症状があるなら無理せず相談してください」としていますなお、SCAT5には学校生活に戻るまでのステップも記載されていますお祭り関係へのアドバイスは記載がありませんが、当然その日はもちろん翌日も走ってはダメです翌年のお祭りは症状と相談ですかね……セカンドインパクト症候群と脳損傷と競技復帰しかし、やはり気になるのはセカンドインパクト症候群です受傷数カ月以内の再受傷は恐ろしいのです軽微なものでも頭蓋内出血を伴っている例や、初期症状が重篤な例では、競技復帰させたくありませんどの程度の損傷で、どのくらい時間が経てば大丈夫かなどを明確に言えるエビデンスは当然ありません経験的に、こうした症例では数カ月のスパンを置いて競技復帰を促すしかないと思われますが、日本脳神経外科学会は2013年に以下のような提言を行なっています日本脳神経外科学会「スポーツによる脳損傷を予防するための提言」1-a. スポーツによる脳振盪は、意識障害や健忘がなく、頭痛や気分不良などだけのこともある。1-b. スポーツによる脳振盪の症状は、短時間で消失することが多いが、数週間以上継続することもある。2-a. スポーツによる脳振盪は、そのまま競技・練習を続けると、これを何度も繰り返し、 急激な脳腫脹や急性硬膜下血腫など、致命的な脳損傷を起こすことがある。2-b. そのため、スポーツによる脳振盪を起こしたら、原則として、ただちに競技・練習への参加を停止する。競技・練習への復帰は、脳振盪の症状が完全に消失してから徐々に行なう。3. 脳損傷や硬膜下血腫を生じたときには、原則として、競技・練習に復帰するべきではない。セカンドインパクト症候群と硬膜下血腫の関係はまだ曖昧ですが、わずかにでも出血があるなら、残念ながら引退を考えてもらうしかありませんたかが脳震盪、されど脳震盪来院時点で症状が消失している場合はいいですが、症状持続時などは救急外来だけでフォローするのは困難ですから、院内全体で情報を共有し、コンセンサスを得ておきたい病態の1つです

  • 21Oct
    • ラグビーと脳震盪の画像

      ラグビーと脳震盪

      ラグビーワールドカップここ数週間、ラグビー熱が急上昇しましたこれまでラグビーを見たことがなかった人まで熱狂している様子を見ていると、自国開催のパワーってすごいなと思います決勝トーナメントで敗退しましたが、このイベントの日のために努力を積み重ね、ラグビーの魅力をバンバン伝えてくれた選手の皆様を尊敬する次第ですラグビー漫画オリンピックの体操競技で金メダリストの森末慎二氏とタッグを組んだ『ガンバ! Fly high』、そして同じく金メダリストの内村航平氏とタッグを組んだ『THE SHOWMAN』という体操漫画を描いている菊田洋之氏が、以前『HORIZON』というラグビー漫画を描いていました HORIZON(1) (少年サンデーコミックス) Amazon ガンバ!Fly high (1) (小学館文庫 もC 1) 968円 Amazon THE SHOWMAN (1) (少年サンデーコミックス) 499円 Amazon 徐々にラグビーのルールを説明し、ラグビーの試合の描写が中心となり、高校ラグビーの地方大会でこれから盛り上がるというところで突然伏線の回収がはじまり、何でそんな早く終わっちゃうんだというくらいのあっさりした終わり方をしてしまったのですが、ラグビーの認知度とか、当時の状況を考えると仕方ない部分があったのかもしれません今、盛り上がっている時ですから、ぜひみんなに読んでほしい作品ですラグビーと脳震盪さて、スポーツにはけががつきものですが、特にラグビーは激しいタックルが行われる分、危険も大きいですタックルで倒れこむ時は相手をかばいながら倒れなければならないという紳士的ルールがあるものの、頭から地面に打ち付けられるということもまれではないですそして脳震盪を起こしますプロがいくら紳士的タックルのトレーニングをしても、脳震盪リスクは軽減できないとされていますところで、脳震盪ってどんな症状が出るのかと問われると、意外と返答に困るかもしれませんなんとなく曖昧に、頭を打った後意識障害やなんらかの症状を呈するものだと認識されているかもしれません様々な症状を呈するので、なんかおかしいと思ったら脳震盪を疑うスタンスで良いと思いますが、International conference on concussion in sport(国際スポーツ脳震盪会議)では、以下の項目を1つ以上満たせば、脳震盪として適切な対応がなされるべきであると提言されていますa. 自覚症状:身体(頭痛など)、認知(霧の中にいるように感じるなど)、感情(情動不安定)b. 身体的徴候(例:意識消失、健忘、神経障害)c. バランス障害(例:歩行不安定)d. 行動の変化(例:易刺激性)e. 認知障害(例:反応時間の遅延)f. 睡眠/覚醒障害(例:傾眠、無気力)McCrory P, et al. Consensus statement on concussion in sport-the 5th international conference on concussion in sport held in Berlin, October 2016.Br J Sports Med. 2017;51:838-47.多くの場合、脳震盪症状は1週間程度で改善しますが、数カ月程度長引く場合もあります成人で10~14日以内、小児で4週間以内に回復しない人は脳震盪後症候群と呼ばれています初期症状が重篤なほど、長期に症状を及ぼす場合が多いことが知られています2度目の脳震盪の方が深刻な症状を呈する、いわゆるセカンドインパクト症候群も知られておりますので、慎重な対応が必要です頭部への機械的外力で神経機能障害を呈することは古くから知られていましたが、スポーツが盛んになり、そしてスポーツ医学が発展し、脳震盪もきちんと定義と評価を行わなければならない病態として認知されてきました近年はスポーツ中に脳震盪が疑われる状況になった場合、根性で何とかしろという風潮や、美談にするような風潮はさすがに下火になりつつあるかと思いますが、プロ・アマ関係なく、選手のその後を見据えて、安全面に配慮した対応をしてくれるといいなぁと思います脳震盪の評価 国際オリンピック連盟は、国際ラグビー評議会も含む種々のスポーツ連盟と共に、数年ごとに前述の国際スポーツ脳震盪会議を開催し、決定事項をまとめて共同声明として発表していますこの時、脳震盪の評価・対処法をまとめたSports Concussion Assessment Tool(SCAT:スキャット)や、一般人が脳震盪を認識するためのツールであるConcussion Recognition Tool(CRT)なども発表されます最新のSCATもダウンロード可能なので、興味があればご覧ください次回は2020年改訂予定です先日の日本代表の試合でも、脳震盪が疑われた選手がおり、フィールド上で脳震盪の評価が行われておりましたSCAT5はいくつかの段階からなりますが、まずはフィールド上での評価となります最初に救急搬送が必要なほどの諸症状がないかチェックし、起き上がることができないなどの、見て分かるような脳震盪症状がないかチェックしますそして記憶能力が保たれているかを調べ、GSC(Glasgow Coma Scale)を用いた意識障害の評価をしますさらに頸椎の評価も行います脳震盪が疑われる場合、直ちに競技を終了させ、症状が消失していたとしても、医師の診察なしに運動に復帰させてはならないとしています試合が中断したら、こうした評価をしながら、安全に配慮して試合進行しているのだなと思ってください予選トーナメント全勝し、そして決勝トーナメント進出という歴史を作った選手の皆様を心から讃えたいと思います本当にお疲れ様でしたまだ決勝トーナメントは続きます他国の精鋭の安全と健闘を願っています

  • 14Sep
    • 妊婦さんが尿管結石になったら

      先日、近医産婦人科からの紹介がありました妊娠30週を迎えようとする女性が、かかりつけ産婦人科を左側腹部痛のために受診しました諸検査の結果、妊娠経過に問題はなく、痛みは他の原因だろうということになりましたで、超音波で腎臓を見てみたら、左腎盂の拡張があり、尿管も拡張しており、尿管結石が疑われる状況であると疼痛を何とかしてほしいということでの紹介ですしかしそこまで診断がついていれば、妊婦でも妊婦でなくても治療法にそこまで差はありません腎盂腎炎の合併があるとか、膿瘍形成をしているとかいうことがなければ、泌尿器科医も救急医も産婦人科医もやれることはほとんど同じだと思いますただし、困るのは妊婦さんにはロキソニンやボルタレンなどの非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)が使いにくいということですNSAIDsの影響を受けるのは胎児です胎児期には、肺で呼吸することがないので、大動脈と主肺動脈の間に「動脈管」という血管でバイパスを作っています血液は右心室から肺を通らずに直接下行大動脈へ流れます通常は出生後に肺呼吸となり、血中酸素分圧が上昇することとプロスタグランジンEが減少することから動脈管が収縮し、生後12時間程度で閉鎖しますもし妊娠後期にNSAIDsを投与すると、プロスタグランジンEの合成が阻害され、動脈管が閉鎖してしまい、胎児に心不全が起きてしまうことが懸念されます心不全までには至らなくとも、収縮した動脈管のおかげで、胎児の肺に血液が流れ、肺動脈の血管抵抗が高まった結果、出生後に肺高血圧症となる可能性を高めます妊婦の鎮痛、どうしましょう?紹介元の産婦人科のドクターは当然そんなことはご存じですから、尿管結石の鎮痛における第一選択とされるNSAIDsは使わず、ペンタゾシン(ソセゴン)使用しましたしかし女性の疼痛が治らず嘔吐もしているということで、紹介をしたという経緯になります受け入れてみると、確かに悶絶しています超音波検査をするのも一苦労こんなときにどうするかというTipsを紹介しますとにかくまずはアセトアミノフェン鎮痛です妊婦さんであっても比較的安全に使うことができるとされる鎮痛薬飲めないという人のためにも、最近では点滴静注製剤が販売されています(アセリオ®︎)便利ば世の中になりましたしかしそれでも鎮痛できないときはどうするかこんな時に使えるのが芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)です「芍薬甘草湯」とは名前の通り、芍薬(しゃくやく)と甘草(かんぞう)からなる漢方薬です芍薬は大きな花が開くボタン科の植物で、根を生薬として使用します甘草はマメ科の多年草で、こちらも根を生薬として使用しますワインのテイスティングコメントにも甘草は用いられます世のソムリエが甘草を食べたことがあるかは分かりませんが、僕はあります漢方の教育に力を入れている母校の漢方の講義の一環で、実際に生薬を味わう時間がありましたワインを飲んで「甘草のニュアンスがある……」などと言ったときに「甘草ってなんやねん! お前食ったことあるんか!?」と突っ込まれても「え、あるよ……」と答えられます恥ずかしながら、母校が漢方の教育に力をいれているということは受験当日に知ったのですが、何事も経験です母校に感謝ですさて、芍薬の主成分はペオニフロリン、甘草の主成分はグリチルリチンですペオニフロリンは末梢血管拡張作用があり、血流量増加が期待できますまたペオニフロリンは神経筋シナプスでCa2+イオンの細胞内流入を抑制し、さらにグリチルリチンはカリウムイオンの細胞外流出を促進、アセチルコリン受容体を抑制させて筋弛緩作用を発現させます(参考文献:木村正康. 漢方方剤による病態選択活性の作用機構. 1992;代謝 29[臨時増刊号]:9-35.)尿管結石が嵌頓すると、尿管の平滑筋が痙攣・収縮し、尿の流れが遮断された結果、腎盂内圧が上昇して疼痛が起こると考えられています芍薬甘草湯はこの筋痙攣を改善することを期待して投与するわけです症例数は少ないですが、尿管結石にはNSAIDsよりも芍薬甘草湯の方が効くかもしれないという報告もあります(参考文献:井上雅ら. 日東医誌 Kampo Med. 2011;62: 59-362.)芍薬甘草湯は証をあまり気にすることなく、症状が治まるまで内服してもらえばよい漢方です1~2包飲んでもらって、症状がまだ残るなら追加で飲んでもらうことを考えますもともと妊婦さんの下腿三頭筋の筋痙攣(こむらがえり)にも処方される薬剤ですので、NSAIDsよりも安心して使えると思います尿管結石のガイドラインでも臭化ブチルスコポラミンよりも推奨されておりますので、もし妊婦さんが悶絶していたら使ってあげてみてください

  • 03Aug
    • 熱傷の管理

      京都アニメーション京都アニメーションにガソリンで放火された事件僕はアニメが好きですし、京都アニメーションの作品の中にも思い入れの深いものがあります特に、亡き弟が大好きだったフルメタル・パニック! フルメタル・パニック!戦うボーイ・ミーツ・ガール(新装版) フルメタル・パニック!(新装版) ... Amazon フルメタル・パニック! & フルメタル・パニック? ふもっふ & フルメタル・パニック! Th... 5,900円 Amazon 途中、制作が京都アニメーションになり、クオリティの高い作品に僕も夢中になりました本編小説が完結した時に、なんとも言えない切なさを感じたことを思い出します亡くなられた方々、そしてその家族の皆様に想いを馳せつつ、助かった人たちや、京都アニメーションがなんとか再び立ち上がっていく事を願うばかりです熱傷の話熱傷は本当に恐ろしい病態です手足に小範囲のやけどをした程度ではあまり実感が湧きませんが、広範囲の熱傷となると皮膚は一つの臓器であることを思い出させます広範囲熱傷では、皮膚という臓器が失われた結果起こる全身性の変化の治療をしつつ、どう再建していくかを考えていくことになります再建は皮膚科医や形成外科医が得意とするところかもしれませんが、全身管理については救急医、集中治療医の出番です皮膚の温度管理機能皮膚は様々な機能を持っています例えば、温度管理皮膚の表面には水分がたくさんあるわけではありませんし、血管が露出しているわけでもありません水分があると蒸発するので、水分を奪われ、気化熱で体温も奪われます本来的には熱中症にならないようにこれがうまく機能するのですが、制御を失うと低体温となります蒸泄で水分が飛んで脱水になると余計に中心部から熱が運ばれて来なくなるので、低体温を助長しますそして熱傷では血管透過性が亢進してさらに血管内から水が出ていくので、脱水はさらに大きな問題となります脱水の補正も難しいです近年は過剰輸液の問題も指摘されており、闇雲に大量輸液することはオススメできませんせっかく入れた点滴も肺や皮下に漏れて、全身がパンパンになります循環動態を評価しつつ、低体温にならないように室温管理に努めながら、必要十分な輸液を考える必要がありますというわけで、火傷をしたら冷やせば良いというのが一般的な理解と思いますが、冷やし過ぎもよくないのです広範囲であれば特に、低体温を助長してしまいますちなみに小範囲の熱傷であっても、組織の局所的な損傷を助長するので、氷のようなキンキンに冷たい水を使うのも避けた方がいいです15~20℃くらいの水で5分間程度というのがオススメですやけどしたということで救急要請された方が、到着までに水道水で冷やしていたという情報があると、よかったなと思います皮膚の感染制御機能小学生のころ、「バーリア!」とか言って、うんこを踏んだ友人を遠ざけたことがありませんか?僕はありますただ、素足でうんこを踏んでも、さらにはうんこが手についても、医学的には問題ありません皮膚がありますから皮膚がバリアの役割を果たしてくれているのです熱傷ではこのバリアが破綻することになります皮膚がない状態のところにうんこがつくと、細菌が遠慮なく体内に入ってきます簡単に感染を起こすでしょう広範囲熱傷では感染症との戦いにもなります予防的抗菌薬の有用性については諸説ありますが、少なくとも盲目的にやっておけば何とかなるというようなものでもありません菌トレだけして耐性菌を生み出すだけということにもなりかねないので、難しいところです画一的な治療プロトコルを組めるだけのエビデンスもありません抗菌薬の全身投与で死亡率が低下したというシステマティックレビューはありますので、患者背景や重症度を勘案しつつ予防投与を考え、都度最適な抗菌薬を選択していくしかない状況ですなお、熱傷そのもので炎症反応が起こりますし、侵襲でバイタルサインも変わります。感染症が発症したかどうかの判断はとても難しくなりますいつ抗菌薬投与をすればいいのか救急集中治療医はいつも悩んでいます全力で救命しているが例の放火犯とみられる男性は、今救命のために、失われた皮膚という臓器をサポートする集中治療が行われています大阪府の熱傷専門施設に転送されたということで、友人も診療に関わっているはずです応援したいと思う一方、こんなひどいことをしたであろう男を助けてどうするんだという気持ちが芽生えかける嫌な自分もいます実は京都アニメーションで搬送された人の多くは、熱傷ではなく、外傷という事です恐らく、ビルから飛び降りた人が大勢いらっしゃったのだと思いますアメリカの貿易センタービルのテロの時も、伏せられていましたが、多くの人がビルから飛び降りたはずです火災発生時の事を思うと、本当に胸が痛みます本当にひどいことを・・・・しかし、それはそれという事にしないと、医師として患者にどう向き合うかという根本を見失ってしまいます今は、粛々と治療に当たっている皆さま、そして今も治療を必要としている皆さまに、ただただなんとか頑張ってほしいと思っています【参考文献】・Singer AJ, Dagum AB. Current management of acute cutaneous wounds. N Engl J Med. 2008;359:1037-46.http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMra0707253?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%3dpubmed・Greenhalgh DG. Management of Burns. N Engl J Med. 2019;380:2349-59.https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMra1807442?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%3dpubmed・Avni T, et al. Prophylactic antibiotics for burns patients: systematic review and meta-analysis. BMJ. 2010;340:c241.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2822136/

  • 19Jul
    • 無給医・・・

      文部科学省が、6月28日に全国の大学付属病院で働く医師や歯科医師にどのくらい無給医がいるかという調査報告を出しましたいないいないと言っていたものの、なんと2191名の無給医がいたということです僕は驚きましたが、もっと驚いたのは、2191名は今後給与を支払われることになる人で、無給にもかかわらず今後も給与を払われる予定のない人が3594名いるということでした給与を支給していないが合理的な理由があるということです「自己研さんや自己研究の推進などの目的で診療に従事している」「大学病院とは別に本務先のある医師で、本務先の業務命令により研修として診療に従事しているため、大学病院での診療従事分も含めて本務先から給与が支給されている」だから給与の支払いをしなくてもいいということです僕は学生時代から大学付属病院でこういう実態があるということは伝え聞いておりましたし、父親も相当な薄給で大学付属病院勤務をしていたという話を聞いていたので、大学生の頃から変だと思っていました大学病院で研修しようと積極的になれなかった理由の一つです勉強させてもらっているので給与をもらえるような身分ではないという意見が多いのかもしれませんが、僕は単純にそうは思えなかったのですそれであれば教育内容を公開できるような形で提示できなくてはいけないでしょうし、教育効果も提示できないといけないでしょうし、その教育課程ではちゃんと授業料を徴収すべきですし、それとは別に労働により雇用者が得た利益の一部を給与として還元するように明文化する必要があるでしょう差し引き考えてオチンギンなしね!とか、月5000円ね!みたいなどんぶり勘定をするのは気持ち悪いと感じてしまうのです奇しくも、7月1日に厚生労働省労働基準局長から医師の研鑽に係る労働時間に関する考え方について文書が出されました要点をまとめると、①労働時間内に、勤務場所において研鑽を行う場合については、研鑽に係る時間は労働時間となる②診療等の本来業務と直接の関連性がなく、上司の指示によらずに行われる研鑽は労働時間ではないが、上司に言われて研鑽をやる限りは、本来業務と直接の関連性がなくとも労働時間③論文や学会の準備は業務上必須じゃなくて上司からの指示がなければ労働ではないが、上司からの指示があれば労働④手術や処置の技術向上のための見学は自発的に行う上では労働ではないが、上司の指示があったり、診療に携わったりするなら労働非常にわかりやすいと思います普通の感覚だと思います社会は医師に一定の知識と技術を求めますそれには個人だけではなく、病院をあげて応えなくてはなりません今や医師個人の能力ではなく、病院をあげた高度な医療の質を求められていますのでその為の技能維持を専門職に求めるのであれば、それに必要な時間は労務でなければならないと思います近年、初期臨床研修だけではなく専門研修課程(専攻医課程)いわゆる後期研修制度も形になってきましたこの制度は、社会が求める一定レベルの技能をもつ医師を育てる計画です自己研鑽したい気持ちは当然若手医師にあるはずですが、その気持ちを搾取するようなことがあってはなりません社会の求めに応じて技能を高める努力をしているので、そのための時間にきちんと対価が支払われるようなシステムにしなければならないと個人的には思います診療報酬の発生する業務は当然のごとく給与が支払われるべきですが、今後、教育に関わる時間にもしっかり対価が支払われるようにしていかないといけないだろうと考えていますとてつもなくお金のかかることだと思いますが、とてつもなくお金のかかることを国民が望んでいるので仕方ないんじゃないかなというのが正直な思いですこれまでごまかしてきたものが露呈する機会となりましたが、どう変われるかが今まさに試されています僕個人としては、研修にレクチャーしたり、勉強会などでしっかり何かを教えたりする時には、余分にお金を払ってもいいと思える内容を提供しているつもりです余分にお金をください教育にしっかり対価を出すことで、教育はさらに充実して、より質の高い医療の提供につながるのではないかと思いますレジナビフェアなどに行くと、各病院が教育の機会をどれだけ設けているかについて熱心に宣伝していますが、指導者にその分の対価を用意しているかどうかという視点が問われる時代はすぐそこまできていると信じています

  • 13Jul
    • 3分で敗血症のことがわかる動画

      GSA(Global Sepsis Alliance:世界敗血症同盟)が作成している敗血症解説動画に訳をつけましたとてもわかりやすい動画ですぜひ見ていただければ!!!この度日本集中治療医学会、日本救急医学会、日本感染症学会の3学会が連携し日本敗血症連盟(Japan Sepsis Alliance)が立ち上がりました2020年までに敗血症で亡くなる人を一人でも少なくそして重症感染症から社会復帰できるように啓発活動を続けていきます!!

  • 09Jul
    • 尿管結石は大きいほど痛いわけじゃない!

      尿管結石で救急搬送先日、美容室を新規開拓髪を切ってもらっていると美容師さんが「そういえば僕この間救急搬送してもらったんですよね……」と言ってきました「もしかして尿管結石ですか?」と聞いたらビンゴでしたエスパーかと突っ込まれましたが、若い男性が救急搬送される場合というのは、交通事故か尿管結石の可能性が高いのですただ交通事故であれば救急搬送されたという話ではなく、事故った話そのものをするでしょうから、尿管結石ですかと聞いたわけです若い男性が搬送される理由について説明したら美容師さんも納得していました明け方、いかんともしがたいという感じでひたすら悶絶している大人が搬送されたら(男性の方が多い印象)、問診を取るまでもなく尿管結石を疑うことになります多くの場合、超音波検査で腎盂の拡張や尿管の拡張、結石所見(結石の検出感度は低い)を探し、数十秒で診断がつきますボルタレン(ジクロフェナク)を坐薬で使用し、痛みが治まったところで冷静に病気の説明をすることになります石の大きさと痛みの関係通常は自然排石されるので放っとけばいいのです排石されやすさは石の大きさにより、自然排石される可能性は、5 mm未満で68%(95%信頼区間[CI]:46~85%)、5〜10 mm で47%(95%CI:36〜59%)ということです[1]石のサイズが10mmを超えると破砕が必要になります今は超音波ですが、昔は器械で石を砕いていたようです砕石位は尿道に器械を入れるための姿勢というわけです レビテーター(両支脚器)2個組 08-070-04 レビテーター(24-6927-00)【ミ... 809,000円 Amazon 縛り付けられて尿道に器械を突っ込まれて砕石・・・想像しただけで悶絶ものですさて、石は大きいほど出にくいのですが、石が大きければ大きいほど痛みも強いのでしょうか?この度、この疑問に対する答えを提示してくれた文献を見つけました[2]尿管結石による疼痛をVisual Analog Scale(痛みの強さを100%のうちどの程度かを主観的に評価)で定量し、CTで測定した結石のサイズとの関係を調べていますその結果、意外なことに結石のサイズと疼痛の強さには相関がないと結論されたようです大きい方が痛そうなのに……!悶絶する痛みをどうする?目の前で悶絶する患者さんの鎮痛への第一選択は非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)です尿管の攣縮を減らしたり、腎血流を減らして腎皮膜の内圧を減らすことも期待されますたまに急速輸液をして「結石を流すんだー」みたいなことをする人がいますが、急速輸液は排石や疼痛軽減に寄与しないとされていますので、無益な大量輸液はお控えください[3]疼痛がどうしようもない時にはオピオイドの導入を考えることもあります臭化ブチルスコポラミンが使用されることもありますが、エビデンスは乏しい状況です一方、鎮痙目的に芍薬甘草湯を使うと即効性もあって良いです[4]悶絶する人を見たら使用を検討してください【参考文献】[1] Preminger GM, et al.Eur Urol. 2007;52:1610-31.[2] Sasmaz Mİ,et al.Am J Emerg Med. 2019. pii: S0735-6757(19)30390-0.[3] Worster AS, et al.Cochrane Database Syst Rev. 2012 Feb 15:CD004926.[4] 日本泌尿器科学会、日本泌尿器内視鏡学会『尿路結石症診療ガイドライン 2013年版』(金原出版、2013年) 尿路結石症診療ガイドライン 2013年版 2,052円 Amazon

  • 28Jun
    • 「登校許可証」っていらなくない?

      インフルエンザ流行西日本でインフルエンザや手足口病が流行しているようです先日うちの息子もインフルエンザになりました連日40度を超える発熱でしんどそうにしているのですが、僕にできるのは励まし程度幼稚園を休んでゲームで遊び放題、という元気もなくひたすら寝ていましたかわいそうに……登園許可証が必要!?数日後、なんとか熱は下がり、発症後5日、解熱後3日を過ぎるまで(一般には解熱後2日、幼児は3日)ゆっくりしてもらってから、登園の日がやってきましたそのとき「登園に関する意見書」が必要になると発覚しました登園許可証、治癒証明書みたいなものですね以前から意味不明な制度だなとは思っていましたが、自分の身に降りかかると、さらに意味不明だなと思いました何でこんなもんがいるねんと思いながら、渋々医師のサイン欄に自分の名前を記載して持たせたのですが、ふつふつと色々な疑問が湧いてきました出席停止について出席停止は、学校保健安全法第19条で定められています「校長は感染症にかかっており、かかっている疑いがあり又はかかるおそれのある児童生徒等があるときは、政令で定めるところにより、出席を停止させることができる」ということです出席を停止させることができるのは医師ではなくて校長(園長)ですそういうわけで、許可証を発行すべきなのは校長だと思うのですが、なんで医師が許可証を発行する必要があるのかというと謎です出席停止の解除に自信のない校長が医療機関を頼っているうちに、なんとなく慣習化したのでしょうか実は法的にも出席停止解除の基準は明文化されていますこの判断基準が、非医師が判定できないようなものだったら医師の判断を仰いだらいいのではないかと思いますが、例えばインフルエンザに関しては前述の法律で以下のような記載となっていますインフルエンザ(特定鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)にあつては、発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日(幼児にあつては、三日)を経過するまで。これなら、家で保護者が判断できるし、それを基に学校長が出席停止解除の判断をすることも可能なのではないかと思いますただ、判断困難なものも確かにあり、以下のように出席停止日数の基準を定めているものもあります結核、髄膜炎菌性髄膜炎及び第三種の感染症にかかつた者については、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで。結核菌を排菌しているかどうかは、しっかりと喀痰検査をする必要がありますこうした疾患は、医師の判断をしっかり仰ぐよう校長から指示をしなくてはならないと思いますしかし、そうでない感染症までいちいち登校許可証を医師に求める必要は、やっぱりないのではないでしょうか医師の登校可能であるとする判断基準と、感染症法に記載されている登校可能であるとする判断基準に大差がないからです医師に「許可」を求める理由登校許可証を医師に求める理由として「感染症を隠して通学してくる人がいるかもしれないから、きちんと医療機関で通学していいかどうかを判断してもらうべきだ」というような意見もありますただ残念ながら、医師も嘘を付かれたらどうしようもありません今回は自分の息子なので把握できていましたが、患児の解熱が何日前だったかなんて知りようがありませんし、他の医療機関で診断されていたら、発症したタイミングを知るのは難しくなりますその医療機関にこちらが連絡すれば分かるかもしれませんが、他院に個人情報を電話などで問い合わせるのはかなりハードルが高いことです治癒証明などを発行する際は、保護者の情報から判断することになるので、嘘をつかれたらどのみち終わりですまた、救急外来や休日診療所などでインフルエンザの診断を受けた人が、症状改善後にかかりつけ医を受診しても、かかりつけ医も自信を持って登校許可証を発行できません救急外来で治癒証明発行が難しいのは言わずもがなですどうしたもんでしょうかというところですが、きちんと管理したいのであれば、診断書を提出することを義務付けるなりした方が、後で出席停止解除する基準が分かりやすくて良いと思います行政の態度もおかしい疑問点がもう一つあります登校許可証について、僕が在住する自治体のウェブサイトにはこんなことが書かれています感染症に罹って、医師からの出席停止の指示をうけた場合は、登園する際「学校感染症に係る登園に関する意見書」が必要です。登校・登園に関する意見書が必要な人は下記からダウンロードしてください。大事な部分をもう一回書いておきます登園する際「学校感染症に係る登園に関する意見書」が必要です良いですか?一方、その行政が用意した意見書(診察医師がサインする書類)は下記のようになっています学校感染症で欠席された場合、この意見書を提出すれば出席停止扱いとなります。○○市立小中学校、幼稚園、保育園および○○市内の私立幼稚園、民間保育園、認定こども園、幼児教室では、学校感染症にかかった子どもが登校(園)するときは、この意見書を提出するよう指導しておりますので、よろしくお願いします。(なお、この意見書代については、○○市医師会に無料で協力を依頼しております。)つまり、市民には「必要」と言っておきながら、文書内では学校感染症にかかった子どもが登校(園)するときは、この意見書を提出することが「必要」とはなっておりません医療機関側に見せる文書には必要性の記載がないのですそりゃそうです何の法律にも基づかない行為を強制しているからです行政がこんなことして許されるのかと甚だ疑問です受診料や「意見書代」など、お金がかかることを強制するのであれば、それなりの法的根拠が必要ですよね勝手なルールを作って実行されてしまっては三権分立が成り立ちません市内の医師会には協力を仰いでいるようですが、プロの意見を伺うのにタダでお願いするっていうのも残念な感じがします患者さんのことを考えるなら、健康な状態にも関わらず外来で待つことを強要するのは健康管理上もよくないと思われます何らかの感染症が蔓延している時期は特に、です治癒証明問題、何とかなりませんかね……もう出席停止じゃなくて普通に欠席でいいし、こんなバカバカしいことにつっかかりたくないと思ったのですが、つっかかってしまいましたあふれ出る超小物感!!あー、でも何とかしたい!!

  • 21Jun
    • オンライン診療による緊急避妊薬処方 〜救急医の視点〜

      緊急避妊薬(アフターピル)の処方で動きアフターピルとは、避妊に失敗したり、望まぬ性交渉を持ってしまった場合に、事後72時間以内に服用すれば妊娠の可能性を下げられるというものです72時間以内なので、超緊急で処方しなければならないことはないのですが、たまに救急に問い合わせが来たり、救急外来で処方をお願いされることがありますもちろん早い方が成功率は高くなるため、早く処方するのが良いですし、翌日まで待てないという場合や、暴行を受けた後などで早く処方してあげたいなと思わせる場面はあり得ます現在、このアフターピルをオンライン診療で処方できるようにしようという方向で、国が動いています年間16万件以上の人工妊娠中絶が行われている日本では、望まぬ妊娠対策は喫緊の課題ではないかと思います実は16万人って、救急車で搬送されてお亡くなりになってしまう人の倍程度の数です参照⇨https://www.fdma.go.jp/publication/rescue/items/kkkg_h30_01_kyukyu.pdf救急医として無視できるものではありませんオンライン診療による処方オンライン診療は、ビデオ通話などで、直接の対面診療を代替するものですオンライン診療を行う場合も、初診は対面診療を行うことが原則となっていますアフターピルの処方も原則は対面診療とされているのですが、先日厚労省が行った「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」において、新たなオンライン診療の指針内に以下のような文言が示されました「緊急避妊に係る診療については、例外として、地理的要因がある場合、女性の健康に関する相談窓口などに所属するまたはこうした相談窓口などと連携している医師が女性の心理的な状態にかんがみて対面診療が困難であると判断した場合においては、産婦人科医又は厚生労働省が指定する研修を受講した医師が、初診からオンライン診療を行うことは許容され得る」https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei_513005_00001.htmlつまり、アフターピルを処方してくれる医療機関が近くにない人や、性暴力を受けたばかりで人前に出たくない、近所の目などがあり婦人科受診に抵抗があるというような人にとって、福音となりそうな文言の追加です通院と処方のハードルが下がることで、苦しむ人が少なくなるといいなと思いますハードルは下がっていないしかし、よく読むと意外とハードルが下がっていないという指摘が多くされる状況になっています望まぬ妊娠を避けようという根本的な目標を達成するためには、様々な状況において処方のハードルが下げられなくてはならないと思いますでは実際にどうなっているかというと、処方を受けるためには、対応可能な医療機関を調べたり、女性の健康に関する相談窓口などから医療機関を紹介してもらうなどして、直接の対面診療で受診するのが原則ですその上で、相談窓口の医師などが必要と認めた場合や、対象医療機関が遠いという地理的要因がある場合、「例外的に」オンライン診療による処方が可能になる方向のようですもうちょっと手に入りやすくならないものかと思います過去に、アフターピルをOTC化しようという動きもありましたが、達成できなかった歴史もあるので、「アフターピルへのアクセスをもっと簡便したい」派は、今、いろいろな場で意見表明をしています反対派は?同検討会では、この件について様々な見解が飛び交っています今回、オンライン診療による処方で、そのハードルを下げることに反対しているのは産婦人科医師のようです例えば、同検討会で産婦人科学会の前田津紀夫氏から次のような意見が出されていました「緊急避妊ピルを出すときの責任というのは非常に重いものがあるわけです。付け焼刃の研修ではなかなかそれが会得できるものではございませんので、もし産婦人科の医師だけに委ねていただけないとするならば、かなりハードルの高いしっかりした研修をお願いしないと難しい。最終的に、非常に難しいハードルを課していただかないと、産婦人科の専門以外の人間にこの緊急避妊という診断を委ねるのはなかなか難しいと思います。」当たり前ですが、そもそもどんな薬剤でも、処方することの責任や安全性の担保は重要ですアレルギーや副反応への対応、不適切な時期の投与を防ぐことは本当に大切なことですただ、処方されないことに対する社会の責任も考えたいところですこれは産婦人科だけで抱え込む問題ではないのではないかと個人的には考えています深夜の不都合に広く対応できるように救急医がお手伝いすることでも、社会は変わっていけるような気がしますオンライン処方が可能な医師を限定すると、不適切利用は減るかもしれませんが、利用そのものも減るでしょう処方できる医師を限定したところで、解決できる問題も限定的になりますから、ここは大勢の人を巻き込む方が大事なんじゃないかと提案しておきます多くの医師がこの問題に向き合い、緊急避妊の問題であれば、処方を契機に産婦人科での診療につなげる事ができます今後の避妊法を提示したり、その後のフォローアップをしていただいたりして、より多くの人が恩恵を受けられるのではないかと思いますパブコメ募集中現在、この検討会の意見は公開で行われ、「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直し案」についてのパブリックコメントを募集していますあくまでもオンライン診療を適切に実施することに関する意見募集ですオンライン診療そのものにハードルを設けることにはメリットもデメリットもあると思いますアフターピル問題と混ざって、非常に議論がしにくい感じになっておりますが、僕としてはアクセスをある程度確保しておきたいというのが正直な気持ちですオンライン診療は、7月に新制度に移行するということですが、なるべく多くの人が幸せになる形になればいいなと思います

  • 17Jun
    • EMAフェスティバルに行こう!!

      EMA festivalのお知らせER型救急の文化を日本に根付かせたいと言う熱い救急医の団体EM Alliance(EMA)今年はEMA発足10周年年に2回のmeetingを開催して、ハンズオンセミナーや講演を催しておりましたが、今年でmeetingも20回となりますこれを記念して、今年の夏は、2日間に渡るプログラムでEMA festivalをやります今回のテーマは「令和元年、Brand New ERaへの挑戦!」ER型診療では知らない人はいない3大巨頭からの講演のほか、海外でER診療に従事している救急医からのレクチャー、EMAを普段盛り上げている文献班、教育班、EMA for KIDsのメンバーから特別な体験をお届けします恒例のジョブフェアもあります様々な施設の救急専攻医も来ますので、将来救急の道を考えている研修医にも刺激的な場になるに違いありません!!【 EMA festival概要 】日程:2019年8月3日(土)4日(日)時間:1日目12:00 受付開始 12:30開始 18:30頃 1日目終了予定    懇親会は19:00頃~を予定   2日目8:00開場8:25開始〜13:00頃解散予定会場:横浜労災病院、横浜労災看護専門学校 (JR新横浜駅から歩いて5分!)   https://www.yokohamah.johas.go.jp/access/募集人数:150名(受付完了先着順)参加費:18000円懇親会費:5000円(懇親会にご参加の方は、 お振込み時に合わせてお振込みください。)申し込み方法:以下のURLにアクセスいただき申込みをお願いしますhttp://bit.ly/ema_meeting_festival2019【プログラム】1. 記念講演・座談会 (1日目)福井大学医学部附属病院 救急・総合診療部 教授 林寛之 先生藤田医科大学 救急総合内科学 主任教授 岩田充永 先生京都府立医科大学 救急医療学 教授 太田凡 先生「令和到来!今、若手救急医と挑戦したいこと 〜救急医の魅力とそのポテンシャルを語り合う〜」記念講演+40分の座談会日本の救急のキングギドラとも言える3名の先生方に、質問をすることもできます!!熱い!!2. EMAスタッフがお届けする白熱参加型レクチャー5本立て!(1日目、2日目)「こどものプルプル、あなたのドキドキ、止めてみせます」(EMA for KIDsとmeeting班のコラボ企画)小児の痙攣重積に対応するためのレクチャー小児の痙攣重積なんて診たことがない!抗痙攣薬は何を使うの?いつ相関するの?そんなあなたのドキドキも、子供の痙攣も止めるレクチャーをお届けします!「ER the REAL 〜今月の症例「特別編」〜」(教育班企画)溢れる臨場感!緊張感!!切迫感!!!毎月多くの方に参加いただいているEMA「今月の症例」のリアル版が登場ここでしかできない『全員参加』そして『リアルタイム』で進行する症例体験ビギナーもベテランの方も、ERでの思考と経験を共にしましょう「本当は秘密にしたい文献班の裏ワザ」(文献班企画)EMA文献班が、どのような裏ワザを使って最新の論文情報を手に入れ、ラクして文献を読んでいるかを、皆様に洗いざらい告白し懺悔しますまた、Letterを書いてAcceptされるかチャレンジ企画をやっております当日結果発表をします「エコーをやれば世界が変わる!」(meeting班企画)血管が小さすぎて分からない?エコーを使えばハ○キルーペのようにほら、世界が変わりますよ!meeting班お得意のハンズオン企画動きやすい服装でお越しください「中毒 〜The Sixth Sense〜五感で感じて第六感を呼びおこせ!」(meeting班がEMA OBを巻き込んじゃった企画)人間の「第六感」勘、直感、霊感などとも言う救急、中毒診療でもこの第六感(直感的診断)が役に立つこともあるが、この技術を磨くことは難しいそれでは、クイズや五感を通してあなたの第六感スイッチを押して差し上げよう45分で中毒診療の第六感スイッチ入りっぱなし!3. モーニングレクチャー2本立て (2日目)EMA発足に尽力し、今も一緒に活動している現役米国救急医の二人が緊急帰国こんな機会は滅多にありません視野を広げるチャンスです!! 「サイエンスで未来の救急医療を創造する:クリニシャン・サイエンティストの試み」長谷川耕平 先生Department of Emergency Medicine | Emergency Medicine NetworkMassachusetts General HospitalAssociate Professor, Harvard Medical School長谷川研究室のHP→http://hasegawalab.sakura.ne.jp/「臨床だけでは物足りない?医者を永く続ける(楽しむ)ためのNiche」渡瀬剛人 先生Associate Medical Director, Emergency Department - Harborview Medical CenterAssistant Professor, Department of Emergency Medicine - University of Washington渡瀬先生の紹介→http://coffeedoctors.jp/doctors/2915/4. ジョブフェア (1日目、2日目)全国の救急医が集まる場で、各施設の紹介をできますアピールしてアピールされても得られるものがありますwin-win!!!懇親会では、施設紹介プレゼンテーションもやります5. 懇親会 全国の仲間と楽しく交流しましょう!救急医には昼も夜もありません各病院からの白熱プレゼンテーション合戦に乞うご期待!こない方がもったいないです!!参加資格:医師と言うことで、研修医から救急医、救急に片足突っ込んでいる各科Dr.まで、参加をお待ちしております

  • 10Jun
    • 胸骨圧迫は馬乗りで

      先日、日本から面白い論文が出ましたストレッチャーで移動中の胸骨圧迫は、歩きながらしたほうが良いのか、ストレッチャーの上に乗って患者に馬乗りになってやった方が良いのかということを調べたものですShinchi M, Kobayashi M, Soma K, Maeda A.Comparison of chest compression quality in walking versus straddling cardiopulmonary resuscitation during stretcher transportation: A prospective randomised crossover study using manikins.PLoS One. 2019 May 21;14(5):e0216739.移動中の馬乗り胸骨圧迫は研修医の頃に何度かやったことがあります院内発症の心停止例で、一般病棟からHCUやICUに移動する際、多分上に乗った方が安定して胸骨圧迫できるんじゃないかと思ってやっていましたどこかで読んだこともないし、何で見たのか、そのようにしました患者さんの上に馬乗りになって胸骨圧迫しつつ、神輿を曳くように何人かの医療スタッフがストレッチャーを運ぶ様は、入院患者さんやお見舞いに来た人たちから見たらとんでもない格好かもしれませんかなり驚かれると思います横を歩きながら胸骨圧迫を頑張った方が見た目にはスマートだと思いますしかしどちらがやりやすいかと聞かれたら、感覚的には馬乗りですこの論文では、横について歩きながら胸骨圧迫をする(walking)のと、馬乗りになる(straddling)のではどちらが適切な胸骨圧迫(深さ、リコイル、テンポ、正しい手の位置)ができるかという事を、マネキンを用いて検討しています本当に馬乗りに意味があるんだろうかという些細な疑問を、しっかり研究しているところがすごいです被験者に2種類の胸骨圧迫を連続してやってもらいますが、2群に分けてwalking胸骨圧迫とstraddling胸骨圧迫のどちらを先にやるか割り当てて、全員終了後にデータ解析しています2分間110bpmのメトロノームに沿って胸骨圧迫をして6分間休憩して、別な方法の胸骨圧迫を2分間行って実験終了です20人の被験者に参加してもらい、2分間の胸骨圧迫を30秒間ごとに区切って、平均胸骨圧迫進度を比較いずれの時間帯も平均胸骨圧迫進度はstraddling群で有意に深かったという事です(2分間平均で中央値、51.3mm [四分位範囲46.7-55.5] vs 40.9mm [34.6-50.1]、P = 0.003)また、経時的な圧迫深度の悪化について検討したところ、男性では経時的な圧迫深度の悪化がなかった一方女性ではwalking群で後半1分間の圧迫深度悪化が見られたという事ですなお、straddling群では有意な圧迫深度悪化はなかったようですリコイル、テンポ、手の位置には差がありませんでした馬乗りになる事で、しっかりと自分の体重を患者さんの胸骨にかけることができることが示唆されましたWalkingだとどうしても腕力だけで胸骨圧迫することになるので、やっぱり不利になるのです疲労が蓄積して胸骨圧迫の質が落ちたのだろうと考察で述べられており、納得のいくところですもし、どうしても胸骨圧迫をしたまま移動をしなければならない時は、馬乗りになって胸骨圧迫をしながら移動したほうが安定的な血液還流を維持できそうですねただし皆様、転落にはくれぐれもご注意ください

  • 08Jun
    • 大麻中毒診断は難しい

      人気アイドルグループ「KAT-TUN」の元メンバー、田口淳之介さんが大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕されたというニュースが流れましたKAT-TUNという文字列は見たことがあるのですが、読み方が分かりませんカツーン? カートゥーン? カトゥーン?ニュースでなんとなく耳にしましたが正式名称を探しても見当たらないのです読み方が分からないと、自分がおじさん化してしまったように感じますそういえば紅白歌合戦に登場した米津玄師さんも読み方が分からず、だいぶバカにされました悔しかったので、何て読むのか看護学校の若い学生に聞いたらみんな曖昧でした今のところ、「よねづけんし」さんだと思っていますKAT-TUNと米津玄師、両方とも自信を持って読めた人だけ、僕をバカにしてくださいさて、話を戻して大麻です大麻が体に良いか悪いか、医療上必要かどうかという議論を今回するつもりはありません自分の診療上は今のところ必要ないですし、全ての薬物はよほどのベネフィットがない限り投与すべきではないというのが基本的な考え方ですので、「よほどのベネフィット」が示されるまでは僕から積極的に「使いましょう」と言うことはないと思いますただ、リスクがどの程度あるかというと、経験上、大麻の急性中毒症状で搬送された人を診療したことはありません危険ドラッグを使用した人の診療に携わったことはあります危険ドラッグによく使用されるのは、合成カンナビノイドで、これらは大麻の主成分であるテトラヒドロカンナビノールと比べて、カンナビノイド受容体との親和性が数十倍高く、交感神経作動薬を使用した時のような変化が出るとされておりますとはいえ、最近は危険ドラッグを使用して運び込まれる人も見なくなりました大麻中毒は症状が非特異的で判断が難しいです以前、大麻所持で捕まった人が、留置所の中で様子がおかしくなった(徐々に食欲が低下して、呼びかけに反応せず興奮し、汗をかいて痙攣した)ということで搬送されてきたことがあります大麻の中毒症状か禁断症状を疑われての搬送だったのですが、僕は大麻による影響ではないのではかと思いながら応需しました というのも、僕らが急性中毒疑いの患者さんの診察をするときは、トキシドロームという考え方を参考に診療を進めますトキシドロームは1970年にMofensonとGreensherが使い始めた言葉で、Toxic Syndromeが元になった造語です中毒物質を症状や身体兆候から大まかに分類し、中毒物質が分からない段階でも、身体診察から推定するものです一般的には興奮性、鎮静・催眠薬、麻薬、抗コリン性、コリン作動性に分類されることが多いですが、当院では以下のような表をERに置いて診療しています中毒物質と症状の関連(日本中毒学会「急性中毒標準診療ガイド」などを基に作成)バイタルサインや意識状態、臨床症状からおおよその薬物毒は推定されます興奮状態で発汗して痙攣したとなると、この表を参考にすると覚醒剤か、鎮静離脱かと疑うことになります(ミオクローヌスであればセロトニン症候群も考えておいたほうが良いかもしれません)大量の大麻を使用すると痙攣が誘発されるという動物実験結果があるようですが、頻度を考えれば他の物質ではなかろうかと思うのが自然ですまぁそもそも、留置所で大胆に覚醒剤や大麻を使わないでしょうから、たぶん鎮静剤の離脱じゃないかということで、ジアゼパムを投与したところ、瞬時に元気になってくれました捕まる前まで、睡眠薬を定期的に飲んでいたそうで、逮捕されて投薬が切れたため離脱症状が出たという状況だったわけです大麻の症状としては、何ともいえないメンタル面での変調や、バイタルサインでいうと血圧上昇などがあるとされていますそして大麻の離脱症状はなんともいえない頭痛とかそういったもののはずで、特徴的な臨床症状を呈するわけではなくこちらの表には入れずらいものがありますしかし正直、目の前に慢性中毒の人が現れても見抜く自信はありません「医者に分からないような変化しかないなら使っても大丈夫だろう」というのはとんだ誤解ですが、我々は大麻についても勉強して精進しなくては・・・ついでですが、国家試験勉強中の学生さん向けの情報ですでは、大麻の中毒者に出会ったら、どこに通報しましょうか?麻薬及び向精神薬取締法では、医師は麻薬中毒者と診断したら都道府県知事に届け出ることが義務付けられていますこの法律内で、麻薬中毒は「麻薬、大麻又はあへんの慢性中毒をいう」と記載されておりますので、大麻の慢性中毒の人は都道府県知事に届け出なければなりませんしかし大麻の慢性中毒かどうかの判断もまた難しいものがありそうですちょっと意識状態がおかしな人の尿検査をしたらたまたま引っかかって・・・というのが一番診断頻度が高いかもしれませんなんにせよ、今のところ日本では所持してはならぬとされる薬物です医療用に使うにしてもきちんとした管理が必要です「元」とはいえ、今回は若者に影響力のあるアイドルのしたことです薬物へのハードルが変に下がらないことを願うばかりです

  • 28May
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      学生が来ています

      例年通り、大学生の受け入れをしております院外病棟実習通称「外ポリ」のために神戸大学から1名大阪市立大学から2名医学科6年生が来て実習をしておりますあまりカルテの書き方だったり、どういう思考過程を踏んで治療方針決定につなげるかということを教えられないままに臨床に放り出されるのが日本の現状なのですが、せっかく来ていただいたので、見学だけさせるわけにはいきませんしっかりと自分で考えていただいております学生に求めるのは、毎日一人の救急患者さんを決めて、その人に問診と身体診察を行い、必要な検査を考え、結果を解釈し、治療方針を検討するところまでやってもらうことです国家試験ではいきなり画像が提示されて、診断名を問われたり、診断名を提示されて治療方針を問われたりしますが患者さんは「脳梗塞」や「心筋梗塞」という名札をつけてやってくるわけではありませんましてや「○○という薬剤が○mg必要」などと顔に書いてあるわけではありません当たり前といえば当たり前なのですが、これを自分で考える機会を大学時代にどれだけ設けられるかって大事なことなのではないかと思うのです人間、自分でどうにかしたいと思ったことにしか真剣になれないものです数日でお客さん状態から成長して、少しずつ主体的に考えられるようになっております患者さんのご理解とご協力の賜物ですしっかり勉強して社会に還元してほしいと思いますもちろん僕もそんな彼らから日々学ばせてもらっております

  • 17May
    • 救急領域でのエコーのまとめ本 Emer-Log増刊号

      超音波検査って無害で廉価でそれでいて多量の情報が得られる最高の検査だと思うのですが、なかなか研修医に浸透しませんついついレントゲンやCTなどの放射線検査頼りになってしまうのですあれこれの理由があると思いますが自分の手を動かすことに自信がない主観的なデータとなってしまう恐れがあると思われがちなあたりにハードルがあるのではないかと考えています理解できなくもないです術者の技術に左右される部分が多少ありますとはいえ、身体診察も同じような部分がありますよね僕には聞こえる音が研修医に聞こえなかったり、僕には見えるものが研修医には見えなかったりすることもままありますでも、なんとか自分の体一つで診察出来るようにということで、日々勉強してくれているわけですここでもう一歩身体診察の延長のようにエコーを使えると、できることの幅が広がりますし、無用な放射線検査を減らせるかもしれませんどこかに救急でのエコー利用のノウハウをまとめた一冊があったらいいなと思うわけです思いますよね?思ってくれたみなさんに一冊紹介します 若手医師・ナースのための 救急エコーは、こう見る・こう使う (Emer-Log2019年夏季増刊) 5,400円 Amazon 月間エマログという、救急に携わる若手医師、看護師向けの雑誌の増刊号で、救急エコーのまとめをしてくれました僕も肺エコーのところで執筆担当しました僕のエコー像もふんだんに使いました(自分に自分でエコーあてて画像保存していく作業はちょっと寂しかったです)なるべく苦手意識を払拭できるようにと思って頑張ったので、ぜひ手にとってみてください!

  • 14May
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      マッサージ救命ってなんやねん!!

      5月10日付の共同通信のニュースで、次のような発信がありました。「医師の姫路市長がマッサージ救命 イベント出演の男性が意識不明に」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190510-00000246-kyodonews-sociこれだけみるとなんのことかさっぱりわかりませんマッサージ救命なる術を施したら男性が意識不明になったのか、時系列も目的語もぐちゃぐちゃです日本中のマスメディアにニュースを発信している団体が配信するニュースのタイトルがこんな状態でいいのかとため息がでるわけですが、まぁそこは今後に期待本題に戻ると、姫路城でのイベントに出席していた男性が突然倒れ、居合わせた医師である姫路市長がすぐに一次救命処置を行って救われたという出来事があったようですこういうニュースは本当に気持ちが明るくなりますなかなか医師であっても院外でとっさに動くことは難しいと思いますが、あっぱれです全ての行政職員にこうした処置が行き渡るきっかけになったら素晴らしいなと思いますそれはそれで、マッサージ救命という言葉に一人歩きして欲しくないので、ちょっと心臓マッサージについて考えてみましょうマッサージは古代エジプトの壁画にも残っているくらい歴史の古い行為です体の一部を揉んで、健康になんらかの効果を期待するものです(エジプトのサッカラにある「医師の墓」として知られるアンクマホルの墓の壁画)心臓マッサージは言葉だけを捉えると、心臓を揉むとか撫でるとかという意味合いになりそうなのですが、いわゆる心臓マッサージは胸骨圧迫と言って人間の胸をひたすら押すような動作ですどうやってこの言葉はできたのでしょうか?実は、もともと蘇生のための手技は言葉のまま心臓マッサージだったのですまさか心臓を揉み揉みするのかというと、そのまさかです開胸して直接心臓を揉んでポンプ機能を補助しようというわけで、1800年代までこれが普通だったのです1800年代後半に動物実験で胸骨圧迫により心臓のポンプ機能を維持できることが示されますそして1892年にFriedrich Maassが人体においても胸骨圧迫が有効であることを報告しましたTaw RL Jr.Dr. Friedrich Maass: 100th anniversary of "new" CPR.Clin Cardiol. 1991 Dec;14(12):1000-2.しかし普及には至らず、その後1960年になり、Kowenhovenらが除細動の実験中に胸骨圧迫の有効性に気づき「閉胸式心臓マッサージ」として改めて体系化したことで普及への道を歩むことになります同時期に電気ショックによる除細動や人工呼吸も体系化されたので、1960年は近代CPRの夜明けとも言われますKOUWENHOVEN WB, JUDE JR, KNICKERBOCKER GG.Closed-chest cardiac massage.JAMA. 1960 Jul 9;173:1064-7.今では「心マして!」と言おうものなら「心臓をマッサージしてどないすんねん!胸骨を圧迫すんねんや!!」などと、正しい用語を普及することに余念のないおじさんがどこからともなく湧いて出て訂正してくれますが、そもそも心臓は開胸してマッサージするもので、同じ効果を狙って閉胸式心臓マッサージが生み出されたという歴史があるのですやっていることは閉胸式心臓マッサージなので、心マと略しても命に関わるような問題は生じないと思いますとはいえ、市民に正しい方法を普及させるという文脈においては胸骨を圧迫するのだという点が重要なので、胸骨圧迫という語句を積極的に用いているのです僕もそうしていますそれにしても、マッサージ救命はないよな・・・

  • 11May
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      病院が業務を続けるためには

      夢のような10連休となった世の中でしたが、みなさま、夢から覚めましたか?僕は感動的なことに3連休をいただくことができ、妻の実家に帰ることができました山がきれいでしたさて救急科は毎日が出口問題との闘いで、なかなか大変な状況になりましたが、なんとか乗り切ることができました救急医療が成り立つためには、やはり多くの業種が存続していないと無理なんだということを強く感じました救急においては入り口問題、出口問題と言われる問題があります救急患者さんがいつまでも適切な医療機関にたどり着けないのが入り口問題入院患者さんがいつまでも適切な退院先に退院できないのが出口問題です入り口問題の解消のために玄関口を整備しようということで、僕も北米型ERなるものに傾倒し、なるべく行き先に困らないようにということを考えているところですでは出口問題はどうでしょう患者さんがみんな元気に歩いて自宅に帰ることができれば何の苦労もありませんところが、高齢者は特にそうなのですが、入院に伴ってADLが低下したり、介護度が上がったりということで、必ずしも元いた場所に退院できるわけではありません例えば当院に搬送される誤嚥性肺炎の患者さん以前調査したのですが、搬入元は66%が自宅、33%が施設からですが、退院先は自宅が31%、施設が17%と、半数は元の場所に帰ることができていません多くはリハビリや療養が必要な状態となり転院を必要とします10連休はこの転院先確保が大変でした転院がスムーズに行くようにと、医療連携室のスタッフも奔走してくれましたが、連休に入った瞬間転院調整の流れがストップし、出口が閉ざされました転院予定で、普段なら数日で転院先を選定されるような患者さんが、10日間転院先との調整も進まぬまま待つことになったのです出口が閉ざされて入り口だけ開けると、当然詰まります満床となり、次の受け入れが難しくなってしまい、出口問題は入り口問題を発生させることになってしまうのですいつも、スムーズなやりとりをして出口問題が発生しないような連携が地域には求められるわけですなくなるとありがたさが身にしみますいつもの連携に感謝するばかりでした次回同様の大型連休となったときには、より困らない体制を敷いた上で迎えたいものですえ!?お盆も9連休なの!?

  • 30Apr
    • セミナーご案内

      セミナーのご案内ですその1「救急がもっと楽しくなる」セミナーin岡山大学若手医師から救急は怖いと思われがちですが、そう思っている医師に診てもらう救急患者はもっと怖い思いをします救急診療において最も重要な「蘇生」に軸を置き、苦手意識を持たれやすいポイントを解決していきます気道管理の方法は?呼吸の補助とは?ショックを早期発見する方法とは?ABCの立ち上げはどうしたらいいのか?原因のわからない中毒患者が来たらどうする?とりあえず心拍再開した!そのあとは?などなど(予定)演者は僕です日時:2019年5月19日(日)14:30~17:30会場:岡山大学鹿田キャンパス MUSCATCUBE3階対象:後期研修医、初期研修医、医学生タイムテーブル14:30-14:40開会14:40-16:00白熱前半講義「基本のER」16:00-16:20休憩16:20-17:20熱血後半講義「はばたけER」17:20-17:30閉会・写真撮影申込方法5月13日(月)必着で下記URLから事前に申込を!https://goo.gl/forms/sSRmZwEHgsaB9VLr2その2敗血症セミナーin神戸敗血症や敗血症性ショックの治療においては、早期診断・早期治療、それに引き続く集中治療が不可欠ですスムーズな診療のためには、日常診療上での敗血症診療に関する最新知見の習得と多職種の連携が重要です今回「敗血症診療〜新しい関連エビデンスの整理と実践〜」をテーマに、敗血症診療の新たな関連エビデンスを整理し、敗血症治療の取り組みがどのように行われているのかを共有しながら学びたいと思います僕は企画作成し、座長として会場とのディスカッションを盛り上げる予定です日時:2019年6月22日(土)13:00~17:00会場:神戸大学医学部会館シスメックスホール(〒657-0017兵庫県神戸市中央区楠木町7-5-2)アクセス:http://www.kobe-u.ac.jp/info/outline/facilities/sysmexhall/map.html対象:集中治療における医療従事者すべて【第1部】13:05-14:35基調講演:敗血症関連トピックス抗菌薬の選択とディエスカレーション、中止時期 志馬 伸朗敗血症における栄養管理(経腸栄養、血糖管理) 矢田部 智昭PICSとICU-AW対策 福家 良太【第2部】14:50-16:50敗血症多職種連携フォーラム各施設の取り組み紹介と会場を含めたディスカッション(第1部の演者からのコメントも得つつ、日常臨床での他職種連携と実践について討議)抗菌薬の選択と管理 座長:齋藤 浩輝 自施設での取り組み紹介:狩野 謙一 自施設での取り組み紹介:高橋 佳子 会場を含めたディスカッション早期経腸栄養に向けた取り組み 座長:薬師寺 泰匡 自施設での取り組み紹介:小谷 穣治 自施設での取り組み紹介:星 祐輔 会場を含めたディスカッションPICS、ICU-AW予防を目指した介入 座長:井上 茂亮 自施設での取り組み紹介:剱持 雄二 自施設での取り組み紹介:對東 俊介 会場を含めたディスカッション申し込みはこちらからhttps://www.jsicm.org/seminar/sepsis/痒いところに手が届くセミナーになれば幸いです

  • 18Apr
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      バーチカルギロチン!

      昨年から、近隣の看護専門学校で講義をしております担当科目は解剖総論と神経・筋骨格系の解剖なんで僕が解剖なんだと思わないこともないですが(解剖の研究を突っ込んでしたこともありませんし……)まぁせっかくなら楽しい講義を提供したいと、毎回頑張っております看護学校の学生さんのほとんどは、この間まで高校生だった人たちです突然異世界に足を踏み入れてしまうので、戸惑いも多いことと思います医学の常識にいかに馴染むかというのは、最初の講義を担当する自分にかかっているのではないかと勝手にプレッシャーを感じているのです分かりきったことですが、解剖はとっても大切物の名前を覚えるのも大事ですし、特に重要なのが位置関係です上下、左右、深浅、頭尾、遠近、さまざまな指標があります例えば肩の注射をしようとした時、どこに薬液を注入するかを言語で伝えようと思うと、位置関係を示す言葉の共通認識ができていないと会話が成り立ちません僕が講義初日に上腕に注射をしようとしている写真を提示し「どこに注射しようとしていますか?」と尋ねますすると、「肩の上」とか「肩の外」とか、様々な答えが返ってきます肩の上には何もありませんし(ただの空間)肩の外側だとやっぱり何もありません(ただの空間)臨床で働いている人であれば、上腕の近位部後面と言われればどこのことか思い浮かぶと思いますが、高校生に「上腕の近位部後面」と言ってもちんぷんかんぷんだと思いますまさに、これが新世界への突入なわけです知ってしまったら知らなかった自分には戻れませんし、知らなかった頃の自分を思い出すのも難しくなってしまいます研修医が新しく入ってきて、話が伝わらない時というのは、解剖の理解が足りていない場合が多いのではないかと個人的に感じています例えば、創処置をしているときなど「上」という言葉はとてもやっかいです「もうちょい上」と言った時に、どこを指し示しているのかが正確に伝わらないと、まったく別な場所を認識することになります皮膚の浅部を指しているのか、頭側を指しているのか、自分から見て上なのか(患者にとっては左右だったりする)お互いに同じものを思い描いていないと以下のようになります指導医 もうちょい上や。研修医 こうですね?指導医 ちゃう、上やって。研修医 え? もっとですか?指導医 ちゃうちゃう、上や! うーえ!研修医 え? 浅い方……ですか?指導医 上や! 頭側や!研修医 あぁ左の方ですね!?指導医 そこが左なのはお前だけやないか!うーん、悲しい学生のみなさん、ぜひ位置関係はマスターしましょうさて、位置の話も重要ですが、面の話も重要です人体を分割する平面の話です冠状面(前額面)という言葉って非常にややこしいですよね前後に二分する面ですが、字をそのまま捉えると「冠の状態」なので、あたかも冠を被っているように切断した面か、と水平面と混同してしまいそうになりますなぜ冠状なのかというと、頭蓋骨の冠状縫合に沿っているからということなのですが、冠状縫合の走行は冠というよりカチューシャです本当にイメージしにくい矢状面についても、矢状縫合に沿っている断面なので矢状面と呼ばれますが、矢なんかどっちからでも刺さりますので、必ずしも前から後ろに抜けるわけではないし、本当にややこしいなと思いながら覚えたものです講義では、正中矢状面を説明するためにメトロン星人を例に出したのですが、誰にも伝わりませんでしたメトロン星人はウルトラセブンに登場し、アイスラッガーにより正中矢状面で切断されてやられていますまたメトロン星人Jr.というのもいるのですが、こちらはウルトラマンAに登場し、バーチカルギロチンにより同じく正中矢状面で切断されてやられていますかわいそうすぎる親子なので、これを機になんとか覚えていただきたいと思っています