肝斑 | 美容外科と形成外科で40年~盛岡タウン形成外科クリニック名誉院長~

美容外科と形成外科で40年~盛岡タウン形成外科クリニック名誉院長~

美容外科、形成外科の手術を手掛けて40年、日本形成外科学会専門医で医学博士Dr.中村潔のブログです。美容外科の治療について、専門医の立場から症例をお見せしながら詳しく解説しています。タウン形成外科クリニックの盛岡院と各院で診療を行っています。

狭義のシミに相当するものと考えます。主として頬に境界が分かりにくいび慢性の色素沈着を来します。

皮膚のバリアー機能が様々な外的刺激、炎症により損なわれた結果、色素細胞が過剰に産出したメラニン色素が周辺の有棘細胞に沈着したもので、難治性で治療が難しいタイプです。

 

 

 

化粧品等の化学物質、物理的刺激や日光が関係していると考えられます。

高齢になると化粧などをしなくなるためか自然に治癒すると言われていますが、それまで待てないのが現実です。
治療に当たっては内服治療、外用薬が主体になります。

トランサミン、ビタミンCなどの長期服用が必要です。

また内服全身投与では局所に達する薬剤は限定的になるので、これら薬剤をイオン化して強制的に皮膚に押し込むイオン導入などを行うこともあります。
外用薬として0.1%のトレチノイン軟膏も有効です。

 

 

 

この物質はビタミンAの誘導体で表皮を角質から剥がす作用が有り、結果として表皮のターンオーバーが活性化され、沈着したメラニン色素を脱落させる作用があります。

この軟膏は皮膚に対する刺激が強く表皮はビラン状になり、バリアー機能が損なわれるため厳重な管理下に使用することが重要になります。

しかし有効性は確認済みです。
レーザー治療はその強い光刺激により症状を悪化させることがありますので慎重に行います。

現在、レーザートーニングと呼ばれる方法が試行されています。

QスイッチYAG laserを微弱で均一な出力で照射し、色素細胞を刺激することなくメラニン色素のみを破壊することを目的とします。

出力が控えめなので根気よく複数回照射する必要があります。
 

 

肝斑は内服薬、外用薬、レーザートーニングで行います。

レーザートーニングの費用は、 頬全体で初回8,800円、2回目以降1回16,500円、5回66,000円(割引) となっています。

リスクや合併症は、赤み、色素沈着、再発などです。

 

タウン形成外科クリニック
医師 中村 潔