美容外科と形成外科で40年~盛岡タウン形成外科クリニック名誉院長~

美容外科と形成外科で40年~盛岡タウン形成外科クリニック名誉院長~

美容外科、形成外科の手術を手掛けて40年、日本形成外科学会専門医で医学博士Dr.中村潔のブログです。美容外科の治療について、専門医の立場から症例をお見せしながら詳しく解説しています。タウン形成外科クリニックの盛岡院と各院で診療を行っています。

軽症、中等症例では爪甲の弯曲を矯正するための形状記憶合金製鋼線やスプリントを使用し、弯曲した爪を扁平に矯正することで症状が改善するものも多くあります。

 

形状記憶合金製鋼線

 

 

 

 

しかし対症療法的であり、一時的に急性期の症状が改善しても、原因が除去されたわけではありません。

爪甲は常に爪母で作られ伸長していくので、再発の可能性が大きいと考えます。

長期成績に関する報告もあまり見られません。
難治性のもの、強度の弯曲例、矯正無効例や感染が重症化した症例では観血的治療が必要になることがあります。

早期治癒を希望する症例でも手術を行います。内側、外側単独に陥入するもの、両側陥入の症例が見られます。

前述した扇状に広がる爪母、後爪郭のみを切除することにより、陥入部に相当する爪三層構造の背爪、中間爪の硬い爪甲(図2)が生えてこなくなりなります。

 

 

 

爪床で形成される柔らかい腹側爪甲は爪床を被う角質層になります。

原因は何であれ、外側の硬い陥入部爪甲を生えなくさせる目的で行います。
足趾の基部から局麻剤による伝達麻酔を行った後、ゴム駆血帯により趾基部で血流を停止させます。

陥入爪甲基部から爪母が位置する範囲(爪半月)まで小切開を行います。

 

 

後爪郭に沿って側面を末節骨中央まで剝離した後、陥入部爪甲を基部から全長に渡り抜爪除去します。

 

 

この陥入部爪甲に相当する後爪郭、爪母を中央部より切離し骨膜下に剥離して一塊に摘出します。

 

 

側爪溝の皮膚、皮下組織及び側爪郭は温存され、1ヶ所10分程度で終了します。抜糸までは2週間ほどです。

 

 

古くは爪甲、皮膚、爪床、側爪溝まで切除する術式(Graham1929, Winograd1929, Jansey1955)がありますが、手術侵襲が大きく爪床を平坦に維持する皮下の繊維組織を破壊することになりお勧めできません。
 

 

陥入爪の手術は日帰り手術で局所麻酔で行います。

 

 

リスクや合併症は、疼痛、出血、感染などです。

治療費用は一カ所165,000円(税込)、1趾(1本の指)で二カ所220,000円(税込)です。

 

 

タウン形成外科クリニック
医師 中村 潔

高齢者などで極度に進行する症例では、pincer nailと呼ばれる状態になり、爪甲が丸まり爪床のみでなく骨の変形を来す場合もあります。

 

 

 

末節骨の骨軟骨腫が爪甲変形の原因とする報告が見られますが、むしろ逆で、丸く「かんぬき」状になった爪により挟まれたため生じた骨、爪床の変形と考えられます。

 

 

爪母の扇状形態のみによる変形とは考えられず、爪床を固定する膠原線維の退行性変化、緊張の消失、など複合的な原因が関与していると考えます。

 

 

 

 

爪床で形成される腹爪細胞の分裂速度、変異方向が中間爪と同期しないなども考えられます。

 

 

 

陥入爪の手術は日帰り手術で局所麻酔で行います。

 

リスクや合併症は、疼痛、出血、感染などです。

巻き爪、pincer nailの治療費用は1趾 500,000円(税込)です。

 

 

タウン形成外科クリニック
医師 中村 潔

陥入爪は足趾の爪甲縁が側爪溝皮膚に陥入することにより慢性炎症を来たし、疼痛、感染、排膿、不良肉芽形成を繰り返す疾患です。

 

 

 

陥入部の爪甲を切除しても爪が伸びれば再発し難治性になるのです。

 

 

 

 

爪甲は伸長する過程で自然に弯曲する傾向があると考えられています。

爪甲が病的に弯曲陥入する要因は、外傷、圧迫など外的要因は別として、爪母の形態、爪床の張力、爪甲の弯曲傾向のいずれかになると考えます。

爪甲の自然弯曲に抗する足底からの圧力不足、足趾変形、靴の不適合による爪甲縁への圧迫などを原因とする報告がみられます。

しかし、手指では体重による圧力がかからないにも関わらず陥入爪はあまり見られません。

また不適当な爪切りにより爪外側が棘状に残り皮膚に刺さるとする報告も見られます。

反論として爪甲湾曲変形の結果、疼痛が生じ不完全な外側縁の爪切りとなり、症状が増悪したものとも考えられます。

陥入爪の原因に関しては、推測の域を脱しておらず本当のところはよく分かりません。
陥入部に相当する爪甲表面にみられる線条を基部に向かいたどると、その部分の爪甲を形成した爪母の位置が分かります。

この位置より外側の爪母、後爪郭は扇形に広がっており爪甲末端より幅が広くなっています。

 

 

 

この扇状に広がった部分が陥入爪甲に相当し、陥入爪発生要因の一つと著者は考えています。

 

 

陥入爪の手術は日帰り手術で局所麻酔で行います。

 

リスクや合併症は、疼痛、出血、感染などです。

治療費用は一カ所165,000円(税込)、1趾(1本の指)で二カ所220,000円(税込)です。

 

 

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医師 中村 潔

はじめに
爪は高度に分化した皮膚付属器の一つです。

 

 

元となる細胞は爪母、爪床、後爪郭部爪母で三層構造としてつくられ、その細胞が角質に変異、分化していく過程で指(趾)先、中央に向かい移動していきます。

 

 

 

こうして爪は指先に向かい伸びていきます。

爪母は爪甲下の爪半月として一部みられます。

三層の各部は硬さが異なり中間爪が最も硬くなります。

爪床は柔らかい腹爪を形成し、爪甲の形態、栄養を維持していると考えられます。

爪床を平坦に保つ張力は爪床と骨を結ぶ膠原線維が担っていると考えます。

 

 

爪甲が指尖部で爪床から離れると、水分、栄養の供給が途絶するため爪甲は白濁し黄線が生じます。

 

次回は実際の症例と治療についてです。

 

タウン形成外科クリニック
医師 中村 潔

老人性色素斑からの移行と考えられ、角化型では隆起性角質増殖がみられます。

イボ状のカリフラワーの表面のようになると脂漏性角化症(老人性疣贅)の状態になります。

 

 

 

さらに進行すると黒色、表面不整の腫瘤となり黒色癌前駆症や基底細胞癌などとの鑑別が必要になってきます。

 

 

 

表皮内の基底細胞、有棘細胞の増殖による腫瘍性変化ですが、病変は深部に向かうことはなく、表層に向かって次第に角化が強くなりイボ状に膨らみます。

ここが治療の要になります。

病変が進行して厚い角化型の脂漏性角化症に移行したものに対しては、Q-YAG レーザーのエネルギーは深くまで到達しません。

超音波メスか鋭利なメスで角化部を削り落としてからQ-YAG レーザーを使用することで好結果を得ています。

 

 

 

脂漏性角化症に関しては皮膚が薄い眼瞼部でさえも切除縫縮の必要はないと考えます。

 

 

 

悪性腫瘍との鑑別が必要な症例では生検を兼ねて切除することもあります。

 

 

脂漏性角化症・老人性ゆうぜいの治療の費用は5mm 88,000~(部位により異なります)となっています。

リスクや合併症は、赤み、色素沈着、再発などです。

 

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医師 中村 潔