はじめに
タトゥー(刺青)は真皮内に色素を人為的に押し込んだ結果、色素粒子で描かれた文字、図柄が表皮を透過して外から見えるものです。
色素により筋彫りと呼ばれる線状、黒青色のものから各色彩を伴うものまで見られます。
表皮内異物と異なり垢として自然に脱落することはありません。
色素粒子は異物なので貪食細胞(マクロファージ)が除去しようとしますが、大きな粒子はその貪食能を超えているため永久的に残ります。
刺青が時間経過により薄く滲んだようにぼやける現象は、この貪食細胞の働きによるものと考えられますが無くなることはありません。
同じように外傷を受けた際、土、埃、砂などが真皮内に残留し、その色が透けて見える外傷性刺青も見られます。初期治療時の徹底したクレンジング、異物除去、創縁の新鮮化(デブリードマン)が大切です。
刺青に対する価値観は人種や国、文化などにより異なり、最近では訪日外国人の増加に伴い、その認識も変化しつつあると思われます。
しかし日本人に於いては、まだ多くの人に受けられるという状況ではありません。この刺青を除去する理由は個々人によって異なりますが、多くは結婚、就職、子供や家族への配慮など社会的要請によるものです。
そのため刺青除去は完全消失が望まれます。
色合いが薄くなっても図柄や文字が見えれば刺青があるのと変わりません。
手術によるタトゥー(刺青)除去の治療は、手術法にもよりますが、日帰りで行えます。
リスクや合併症は、瘢痕、内出血、感染などです。
手術の場合は部位、内容により異なりますが、単純な体幹部刺青で5cmまで30万円からになります。さらに1cm毎に5万円ずつ増額します。切縫、皮膚移植など手術手技により別途加算されます。
レーザー治療の場合は別途ご相談ください。
タウン形成外科クリニック
医師 中村 潔