はじめに
生まれつきの斜鼻や鼻骨先端が突出したハンプノーズ(鷲鼻)、鼻骨骨折および鼻中隔脱臼骨折の変形治癒などが対象になります。
この様な状態に修正目的で隆鼻用インプラントを留置しても、土台が変形しているために理想的な形にはなりません。
骨切りにより骨、軟骨の位置関係、形態を整えます。必要があればこの時、インプラントによる隆鼻を行います。
斜鼻
外鼻の軸が曲がっているもので、多くは古い鼻骨骨折の変形治癒のよるものです。
外鼻を強打して骨折による変形があるにもかかわらず放置した場合です。
初期であればX線検査で確認し、腫張が消退してから徒手的に整復、鼻腔内ガーゼタンポン固定で事なきを得ますが、顔面骨は癒合が早く2週間で骨折部は固着して可動性が無くなります。
鼻を強打して多量の鼻出血が有り、腫張が大きく皮下出血も強い場合は要注意です。
手術は局所麻酔下に行っています。
両側鼻腔内で切開を行い軟骨、鼻骨と皮膚、皮下組織の間を剝離します。斜鼻では鼻骨が片側に倒れかかる様に傾き、鼻中隔もそちらに変異しています。
切開部より骨ノミにて鼻骨側面、上顎骨の立ち上がりの骨折部を鼻根に向かい骨切りします。
更に鼻背で鼻中隔軟骨中隔板と外側鼻軟骨、鼻骨を水平に骨切りします。
骨性外鼻の可動性を確認した後、鉗子にて骨折部を整復しますが、このままではすぐに元に戻ってしまうため、鼻腔内にガーゼを詰めて整復位を保持します。
必要に応じて固定具にて外固定を行い安定するまで保持します。
斜鼻の修正手術は、日帰り手術で時間は60分ほどです。
治療費用の目安は程度により500,000~800,000円です。
リスクや合併症は、左右差、瘢痕、内出血、感染などです。
タウン形成外科クリニック 医師 中村 潔