ヒソスチン(スコポラミン)は、錠剤または液剤として、経口摂取、静脈注射、皮下注射、経皮吸収パッチで国外では発売されています。一方で、国内では基本は錠剤がメインでしょう。

 

副作用として、眠気、目のかすみ、口の渇き、めまいなどがありますが、これはムスカリン系抗コリン作用を反映したものです。

 

一方で、過去の多くの研究で、安全性と忍容性が高いことが報告されています。

 

例えばスコポラミン発布剤(パッチ)は、乗り物に乗る6~8時間前に乳様突起部(およそ耳の後の出っ張り)に貼るようです。

パッチ使用者は、パッチに触れる前後の両方で十分に手を洗う必要があります。

これは、スコポラミンが手によって目に広がり、目のかすみや瞳孔散大を引き起こす可能性があるためです。

 

また、パッチは決して切り刻んではいけないようです。これは薬物放出のメカニズムを妨げるからです。

 

健康な若い男性を対象とした1件の小規模な無作為化クロスオーバー二重盲検試験では、1枚のパッチで効果が得られない場合の治療法として、2枚のスコポラミン・パッチ療法の可能性が報告されています。このグループでは、2枚のパッチで安全かつ良好な忍容性が得られると結論づけられています。

 

鼻腔スプレーとして投与することで、より早い作用発現が期待できるといった報告があります。

 

若年成人を対象とし、実験的に誘発された乗り物酔いを用いた小規模な無作為化プラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験では、鼻腔用製剤は有効であり、覚醒度の低下は認められなかったようです。

 

コクランのシステマティックレビューでは、乗り物酔いの症状に対して、スコポラミンはプラセボよりも有効であるが、他の治療法と比較した場合の有効性は不明である と結論づけられています。

 

また、選択的な M3 または M5 ムスカリン受容体拮抗薬も乗り物酔いに効果があると考えられます。

 

日本では薬の選択肢がやや少ないのが残念な点です。

市販薬にも含まれていることがありますが。

別の薬(抗ヒスタミン薬)と合剤になっているケースが多い印象で、双方の効果と副作用など、リスクとベネフィットを勘案して使用の是非を考察する必要があります。
 

スコポラミンに関しては、以下の記事も参考になります:

 

 

 

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