りんご病(伝染性紅斑)とは?
最近、周囲で「りんご病」が流行しています。以下のような質問をよくいただきます。
- 急に頬や手足に発疹が出てきましたが、これはりんご病ですか?
- 発疹があるのですが、学校に行っても大丈夫でしょうか?
りんご病(伝染性紅斑)は数年に一度流行する感染症です。事前に知識を持っておくと安心ですね。
りんご病(伝染性紅斑)の原因は?
りんご病は医学用語で「伝染性紅斑」といい、頬がリンゴのように赤くなるためこの名前がつきました。
ウイルス感染が原因です
伝染性紅斑は「ヒトパルボウイルスB19」に感染することで起こります。このウイルスは赤血球の前駆細胞に感染し、全身に症状を引き起こします。
りんご病の特徴
まず、りんご病になりやすい年齢、季節、そして感染経路について説明します。
学童期に多く、冬から春に流行します
りんご病にかかりやすい年齢は学童期(6〜12歳)です。具体的な感染率は以下のとおりです。
- 5歳以下:2%〜9%
- 5〜18歳:15%〜35%
- 18歳以上:35%〜60%
冬から春先にかけて流行し、学校や施設で感染が広がります。主に唾液や鼻水を介して人から人へ感染します。
発疹の出現時期は感染力が低い
特徴的な発疹は病気の後半に出現しますが、この時期にはすでに感染力はほとんどありません。
潜伏期間は約2週間
ウイルスが体内に入ってから症状が出るまでの「潜伏期間」は約13〜18日(最大21日)です。
初期症状
りんご病の初期には、以下のような症状が現れます。
- 発熱
- 倦怠感
- 筋肉痛
- 頭痛
この時期は通常の風邪や体調不良と区別がつきにくいです。
特徴的な発疹について
初期症状が出てから7〜10日後に、典型的な発疹が現れます。
- 頬に紅斑が出る:最初に頬がリンゴのように赤くなります。
- 網目状の発疹が広がる:1〜4日遅れて、大腿や上肢に網目状の発疹が出ます。
この発疹は約11日間(2〜40日間)続き、痒みを伴うこともあります。日光、運動、入浴、擦ること、ストレスで悪化する場合があるので注意しましょう。
合併症について
- 筋肉痛、関節痛、関節炎:特に成人に多く見られます。
- 一過性の骨髄無形成(貧血):まれに貧血を起こすことがあります。
妊婦の方は要注意
妊婦が感染すると、胎児水腫を引き起こす可能性があるため注意が必要です。特に妊娠中の学校や幼稚園、保育園の先生は気をつけてください。
診断方法
基本的には医師の診察で診断されます。見た目の症状や病歴からほぼ確定できますので、特別な検査は通常必要ありません。
ただし、診断が難しい場合や症状が長引く場合は、血液検査でパルボウイルスのIgM抗体を測定したり、PCR検査を行うこともあります。
治療方法
りんご病には特効薬がありません。症状を和らげるために、適切な水分補給や解熱剤の使用などの対症療法を行います。
感染予防について
手洗いやマスクの着用で飛沫・接触感染を防ぎましょう。
登校・登園について
発疹が出ている時期は感染力が低いため、本人が元気であれば登校・登園を制限する必要はありません。
不安な場合は、かかりつけの医師にご相談ください。
まとめ
りんご病は主に学童期の子どもに多い病気ですが、成人や妊婦も感染する可能性があります。
症状が出た場合は早めに医療機関を受診し、適切な対応を取りましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療上の判断は必ず医師にご相談ください。