健康な人でも、条件が整えば乗り物酔いをする可能性があることは実験的に証明されています。

 

人により乗り物酔いになりやすい場合があるのも事実です。

また、乗り物酔いは、その人のライフスタイルや体調によって異なります。

 

さまざまな調査をみてみると、いくつかの傾向がわかっています。

 

例えば、赤ちゃんや2歳未満の幼児は乗り物酔いを一般的にはしません。

 

しかし、乗り物酔いは、成人と比較して、15歳以下の子供でよりも多く見られます。

おそらく、繰り返し乗ることで慣れて、症状が軽減されることによるものと思われます。

 

また、男性よりも女性の方が乗り物酔いの報告数が多いのです。

しかし、これは多くの交絡変数が関係している可能性があります(偽りの相関かもしれないということです)。

 

双子研究もいくつかあり、乗り物酔いの感受性の個人差の大部分が遺伝的要因によるもので説明可能かもしれないという報告が明らかになっており、その率(heritability)は55〜70%と推定されています。

 

また、頭痛もちだと、乗り物酔いになりやすいという傾向もあるようです。

例えば、自己申告による乗り物酔いは、他のタイプの頭痛(例:筋緊張性頭痛)を持つ人よりも、片頭痛を持つ人の方が高いと言われています。

 

乗り物酔いの症状の多くは、片頭痛の発作を彷彿とさせます。

女性のヨットレーサーを対象としたある大規模な観察研究では、片頭痛持ちの人は乗り物酔いしやすく、刺激の多い運動をすると片頭痛を発症しやすいことがわかっています。

 

前庭症状と片頭痛が強く関連している片頭痛の患者さんは、他の型の片頭痛の患者さんよりも乗り物酔いが発症しやすいことも報告されています。

 

対照的に、前庭機能が欠如している患者は、通常、乗り物酔いにはなりませんが、視覚による乗り物酔いは生じてしまうことがあるようです。

 

 

 

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