受動喫煙とこどもの健康について

 

今回は受動喫煙とこどもの健康について解説してみようと思います。

  • 「受動喫煙に悪影響はあるのでしょうか？」

  • 「副流煙で、こどもの健康に悪影響が出るって本当？」

と疑問を持たれている方々がいるのかもしれません。
ですが、実際のところ、数多くの研究が古くから行われており、受動喫煙は子供の健康に悪影響があることが示唆されています。

 

受動喫煙はこどもの健康に悪影響するのは明らか

 

タバコによる健康被害といえば、肺疾患（肺癌や喘息）、心疾患、癌を思い浮かべる方が多いと思います。

『受動喫煙での健康被害って子供にも本当にあるの？』と疑問がある方もいるようです。

 

ですが、現実として、受動喫煙によって小児の健康に悪影響がでます。

受動喫煙がこどもの健康に与える影響は、1980年代からずっと報告されて続けており、十分な科学的根拠があるといえます。

 

似たような研究報告が30年以上も続いているのは、どこの国も子供の受動喫煙防止に苦労しているという事実を、反映しているのかもしれません。

 

 

受動喫煙が子供の健康に与える「短期的」な影響

 

まずは受動喫煙が「短期的」に与える悪影響をみていきましょう。

 

これまでの研究で分かっているのは、子供が受動喫煙をすると；

  • 呼吸器症状が出やすくなる（咳、痰、喘鳴） 

  • 肺炎や気管支炎に罹りやすくなる

  • １歳未満の乳児がRSウイルスで重症化しやすくなる

  • 喘息になりやすくなる 

  • 中耳炎になりやすくなる

  • 乳児突然死症候群（SIDS）の危険性が上がる

です。

 

気道系（空気の通り道）への悪影響が多いですね。

 

受動喫煙が「長期的」に子供の健康に与える影響

 

受動喫煙は長期的な健康被害もあり；

  • 学校の欠席が増える

  • 喘息の場合、喘息のコントロールが悪くなる

  • ADHDのリスクが高くなるかもしれない

  • 肺癌や白血病のリスクも上がるかもしれない

  • 将来の心疾患のリスクも上がるかもしれない

が代表的でしょう。

 

学校の欠席に関しては、おそらく気道感染症のリスクや、それが悪化しやすいため、結果として欠席が増えるのでしょう。

ADHDや肺癌、心疾患に関しては確定的な研究ではありませんが、いくつかの報告でリスクの上昇が示されています。

 

次回は個々の研究結果について簡単にご紹介してみようと思います。

 

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