• 『鼻水がなかなか止まりません』

  • 『鼻水が多いので、鼻水を止める薬をください』

と外来でお願いされることが多々あります。

 

今回は、乳幼児の鼻水について少し説明をし、よくある質問やお願いについて、お答えしています。

 

乳幼児の鼻水

 

乳幼児は鼻水が出やすいと言われています。理由として

  • 免疫が未熟でウイルス感染を起こしやすい

  • 鼻の粘膜が敏感である

  • 気温の変化に反応しやすい

などが言われています。

このため、乳幼児は大人よりも鼻水が出やすい傾向にあります。

 

鼻水の役割を理解する

 

鼻水は鼻の中にいる細菌・ウイルスや、異物を外に出そうと努力しています。

この点からも、薬で無理に鼻水を止める必要はないのがお分かり頂けると思います。

 

鼻水止め(抗ヒスタミン薬)は副作用に注意

 

『鼻水止め』として抗ヒスタミン薬が処方されていることが多々あります。

アレルギーによる鼻水は止まるかもしれませんが、カゼによる鼻水にはあまり効果がないばかりか、様々な欠点があります。

 

抗ヒスタミン薬には副作用があります

 

第一世代の抗ヒスタミン薬(ポララミン・ペリアクチンなど)には様々な副作用があります。

 

 

 

 

代表的な副作用は:

  • 熱性けいれんを起こしやすくなる

  • 熱性けいれんの持続時間が長くなる

  • 眠気が強く、ふらつく

  • 易刺激性が強くなる

です。

 

鼻水止めで鼻が詰まることも

 

鼻水止めを使用すると、逆に鼻水が粘っこくなることがあります。
鼻づまりを起こして、逆に眠りづらくなることもあります。

 

鼻水はかませるか、吸ってあげるとよいでしょう

 

3歳くらいであれば、鼻水をかめるようになってきます。

2歳未満ですと、うまく吸えないので、鼻吸い器を使用されてもよいでしょう。

 

最近は比較的安価で鼻水吸引器を買えるようになったせいか、ご自宅で吸われている方も増えてきています。

鼻吸いだけで病院へ受診するのが億劫であれば、購入を検討されても良いでしょう。


あるいは、生理食塩水などを鼻に点鼻させてあげても良いでしょう。

点鼻をすると、鼻水が柔らかくなり、鼻詰まりが解消されます。 

 

鼻水が出ている時に気をつけること

 

鼻水があるときは、中耳炎になりやすいので注意が必要でしょう。
耳を痛がったり、気にしているようでしたら、中耳炎の可能性があります。

 

長引く場合:副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の可能性

 

また、鼻水が長引く原因として、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎もあります。

特徴としては、副鼻腔炎は色のついた鼻水が多く、アレルギー性の場合は透明であることが多いです。

 

また、一般的に2歳未満のアレルギー性鼻炎は多くありません。
アレルギー性鼻炎の場合、鼻水だけでなく、鼻や目を痒がることもあります。

 

まとめ

 

『鼻水=鼻水止めの薬で止める』という考えはやめましょう。

 

鼻水がひどければ、吸ってあげる、点鼻してあげる、鼻をかませる対処が良いでしょう。

鼻水が長引く場合、副鼻腔炎などの可能性もありますので、再度受診されて相談するとよいでしょう。

 

 

 

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