今回は、赤ちゃんのおむつかぶれ(おむつ皮膚炎)で困っている保護者の方々に向けて記事を書きました。
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『おしりの皮膚が赤くただれています』
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『うんちやおしっこをするたびに、痛がって泣きます』
と受診される方は沢山います。
特に下痢がひどかったり、夏場でおむつの中がジメジメすると、皮膚に炎症が起こりますが、どう対処していいか分からない方もいるでしょう。
ついでに市販で購入できる軟膏とかあれば教えて欲しい方へ向けて、診療所や病院で処方している薬に類似した市販品もご紹介できればと思います。
本記事の内容
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おむつ皮膚炎のポイント
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おむつ皮膚炎の症状や原因
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おむつ皮膚炎の対処法
おむつ皮膚炎は小児科外来でもよくみる疾患です。
おむつかぶれの対処法はシンプルですので、今回はその要点を解説しようと思います。
オムツかぶれ(おむつ皮膚炎)のポイント
まずはおむつ皮膚炎のポイント(要点)から説明していきます。重要なのは以下の3点でして、
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尿・便が長く皮膚と接触すると起こりやすい
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対処法の基本は皮膚を清潔に保つ
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亜鉛華軟膏(あえんかなんこう)などで皮膚を保護する
になります。
おむつ皮膚炎とは?
まずは「おむつ皮膚炎とは何か?」から説明していきましょう。
お尻の皮膚がただれて赤くなり、ブツブツができた状態を「おむつかぶれ」と言うことはあるでしょう。
この状態を「おむつ皮膚炎」といいます。
おむつ皮膚炎は、悪化してしまうと、
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皮膚のただれによる赤みが強くなる
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皮がめくれてしまう
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排尿・排便のたびにかなり痛がる
といった特徴があります。
このため、受診時に「お尻が真っ赤で、おむつ替えのたびに痛がって大泣きします」と相談されることが多いです。
おむつ皮膚炎の原因
おむつ皮膚炎の原因は、皮膚に尿・便が長時間にわたる接触です。
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尿・便でおむつ内の湿度が上がる
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便にある消化酵素や細菌の繁殖
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尿のアンモニアによる刺激
でお尻の肌がどんどん荒れ、最終的に皮膚に炎症が生じ、赤みを帯びてきます。
おむつ皮膚炎の予防法と治療法
おむつ皮膚炎の予防法も治療法も基本的に同じで、
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皮膚を清潔にする
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皮膚を保護する
の2点になります。
皮膚の清潔
皮膚を清潔に保つ具体的な方法として、
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おむつをこまめに替える
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ぬるま湯やお尻拭きで、お尻・股を清潔にする
の2点があります。
皮膚を洗う際の注意点ですが、ぬるま湯などで股を優しく洗い、丁寧に拭き取りましょう。
拭き取る際は、強くこすらず、軽く押さえるようにお尻を拭くのがポイントです。
石鹸やボディーソープは皮膚にしみて痛がることもありますし、毎回行うのは時間的にも現実的でないでしょう。
皮膚の保護
亜鉛華軟膏などの軟膏で皮膚を保護しましょう。
亜鉛華軟膏を、お尻にべったり厚塗りして、便と尿が皮膚に触れないようにしましょう。
亜鉛華軟膏ですが、実は市販されています。
ドラッグストアやAmazonでも購入できますので、医療機関への受診が難しい場合、試してみてもよいでしょう。
3〜4日ほど続けると、かなり皮膚が改善することが多いです。
逆に、ご自宅で皮膚の清潔と保護をしても改善ない場合は、一度小児科や皮膚科に受診された方が良いかもしれません。
皮膚の清潔と保護以外の対処法
皮膚の炎症が強いとき、お尻を綺麗にして、亜鉛華軟膏で皮膚を保護しても、赤みが治らないことがあります。
このような時は、
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非ステロイド系の軟膏(アズノールなど)
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ステロイド系の軟膏(ロコイドやリンデロンなど)
を使用して、皮膚の炎症を軽快させます。
これらの軟膏は、お近くの小児科や皮膚科で相談して処方してもらいましょう。
また、場合によっては真菌(カンジダ)が増殖していることもあります。
皮膚を綺麗にして、亜鉛華軟膏を使って、ステロイド軟膏を使用しても治らないケースがあります(ステロイド軟膏を塗ると悪化することも)。
このような時は、カンジダ(真菌)の増殖を疑います。
カンジダ皮膚炎の特徴は、円形の発赤や表皮剥離がお尻のあちこちに散在している点でしょう。
カンジダに感染した場合、抗真菌薬の入りの軟膏を使用して、真菌を除菌します。
まとめ
乳幼児のおむつ皮膚炎について解説してきました。
長くなりましたが、おむつ皮膚炎の対処法として重要な点は、
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おむつのまめな交換
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お尻の皮膚を清潔に
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軟膏などで皮膚を保護する
の3点になります。
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