さて、先日奈良大淀病院裁判一審で、遺族の請求棄却という判決が出ましたが、
控訴断念され、無事判決が確定しました。
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毎日新聞
奈良の妊婦死亡:遺族が控訴断念
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100316k0000m040049000c.html
奈良県大淀町立大淀病院で06年8月、同県五條市の高崎実香さん(当時32歳)が分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、19病院に受け入れを断られた末に死亡した問題を巡る訴訟で、遺族側は15日、町と産科医に求めた賠償請求を棄却した今月1日の大阪地裁判決について、控訴しないことを決めた。
大阪地裁判決などによると、分娩のため大淀病院に入院していた実香さんは、06年8月8日午前0時ごろ頭痛を訴え、間もなく意識不明となった。19病院に受け入れを断られ、午前5時47分、約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)へ搬送。実香さんは長男奏太ちゃん(3)を出産したが、同月16日に死亡した。判決は「救命の可能性は極めて低かった」などとして、遺族側の請求を退けた。
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朝日新聞
奈良妊婦死亡訴訟、遺族の敗訴確定へ
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201003160043.html
2010年3月16日印刷ソーシャルブックマーク
奈良県大淀町の町立大淀病院で2006年8月、出産中に意識を失った高崎実香さん(当時32)が19病院から受け入れを拒否された末に脳内出血で死亡したことをめぐり、遺族が大淀町と当時の担当医師に慰謝料など約8800万円の賠償を求めた訴訟は16日、遺族の訴えを棄却した1日の大阪地裁判決が確定した。遺族と町側ともに期限までに控訴しなかった。
判決は医師が最善の措置をとったとしても救命の可能性は極めて低かったなどとして遺族の訴えを退ける一方、国などに救急や産科医療の改善を求める異例の意見を付けていた。
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産経新聞
http://www.sankei-kansai.com/2010/03/16/20100316-021634.php
2010年3月16日
奈良妊婦訴訟、原告側控訴せず
奈良県大淀町の町立大淀病院で平成18年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明に陥った同県五條市の高﨑実香さん=当時(32)=が19病院から転院を断られた末に死亡したのは診断ミスが原因として、夫の晋輔さん(27)らが町と担当医に損害賠償を求めた訴訟で、原告側は15日、請求を棄却した1審大阪地裁判決について控訴しないことを決めた。
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重ね重ね、亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
しかし、見事なまでにベタ記事でサックリ終了です。
この記事では尻拭いとでもいう感じで控訴断念という事実だけを伝えていますが
事件の第一報を医療事故スクープとして毎日新聞がセンセーショナルに報道した事を忘れてはいけません。
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毎日新聞 2006年10月17日 東京朝刊
>遺族は「意識不明になってから長時間放置され、死亡につながった」と態勢の不備や病院の対応を批判。大淀病院側は「できるだけのことはやった」としている。【林由紀子、青木絵美】
>この日当直の内科医が脳に異状が起きた疑いを指摘し、CT(コンピューター断層撮影)の必要性を主張したが、産科医は受け入れなかったという。
毎日新聞 2006年10月22日
>結果的には本紙のスクープになったのですが、第一報の原稿を本社に放した後、背筋を伸ばされるような思いに駆られました。
>「もし遺族に会えてなかったら……」
>当然ながら関係した病院のガードは固く、医師の口は重い。何度足を運んでもミスや責任を認めるコメントは取れませんでした。
>支局の記者たちも、ジグソーパズルのピースを一つずつ集めるような作業のなかで、ぼやっとしていたニュースの輪郭がくっきりと見えた感覚があったに違いありません。
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なるほど。
>「もし遺族に会えてなかったら……」
裁判にはならなかったんですね。
>当然ながら関係した病院のガードは固く、医師の口は重い。
>何度足を運んでもミスや責任を認めるコメントは取れませんでした。
当然です。
結果が示す通り、医師にはミスや責任は最初から無かったんですから。
医師にミスや責任があったと最初から決めつけていたんですね、解ります。
そして、
毎日新聞がジグソーパズルを作るかのように、事件を作り上げたと言う事がよく解ります。
↑
(リンク先の過去記事も是非参照ください。)
医療の素人である新聞記者には、パーツを組み合わせれば
「医師の責任あり!医療過誤事件!」
という模様ができるはずように見えたんでしょうね。
でも、私たち医療の人間にはバラバラのパーツを見ても、
「医師の責任なし!医療冤罪事件!」
という模様が出来上がるはずである事は最初から解っていた事でした。
しかし、毎日のスクープによって触発されメディアスクラムが発生、
連日のようにTV、新聞で騒ぎ立てられた結果、
大淀病院は産科閉鎖し、当地の産科医療は崩壊したことは事実です。
医療にミスは無く、医師の責任も無い医療上の出来事について、
知識のない人間が「ミスが有った、医者の責任だ」と騒ぎ立てた結果がコレです。
つまり、今回の大淀病院事件を総括するならば、
記者を始めとする一般人の医療知識の欠如こそが、
この一連の騒動、裁判を起こし、結果的に一地域の産科医療を崩壊させた
という事になります。
・・・私が6年前からこのブログで警鐘を鳴らし続けて来たことが現実におきて、非常にガッカリです。
脱力感しか残らない結末に、以前の都々逸の続きを思いつきました。
<医者の常識 世間の非常識>
医者を殺すにゃ、刃物はいらぬ。訴訟ひとつも、あればいい。
医療潰すにゃ、真実いらぬ。 スクープひとつも、あればいい。
控訴断念され、無事判決が確定しました。
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毎日新聞
奈良の妊婦死亡:遺族が控訴断念
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100316k0000m040049000c.html
奈良県大淀町立大淀病院で06年8月、同県五條市の高崎実香さん(当時32歳)が分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、19病院に受け入れを断られた末に死亡した問題を巡る訴訟で、遺族側は15日、町と産科医に求めた賠償請求を棄却した今月1日の大阪地裁判決について、控訴しないことを決めた。
大阪地裁判決などによると、分娩のため大淀病院に入院していた実香さんは、06年8月8日午前0時ごろ頭痛を訴え、間もなく意識不明となった。19病院に受け入れを断られ、午前5時47分、約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)へ搬送。実香さんは長男奏太ちゃん(3)を出産したが、同月16日に死亡した。判決は「救命の可能性は極めて低かった」などとして、遺族側の請求を退けた。
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朝日新聞
奈良妊婦死亡訴訟、遺族の敗訴確定へ
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201003160043.html
2010年3月16日印刷ソーシャルブックマーク
奈良県大淀町の町立大淀病院で2006年8月、出産中に意識を失った高崎実香さん(当時32)が19病院から受け入れを拒否された末に脳内出血で死亡したことをめぐり、遺族が大淀町と当時の担当医師に慰謝料など約8800万円の賠償を求めた訴訟は16日、遺族の訴えを棄却した1日の大阪地裁判決が確定した。遺族と町側ともに期限までに控訴しなかった。
判決は医師が最善の措置をとったとしても救命の可能性は極めて低かったなどとして遺族の訴えを退ける一方、国などに救急や産科医療の改善を求める異例の意見を付けていた。
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産経新聞
http://www.sankei-kansai.com/2010/03/16/20100316-021634.php
2010年3月16日
奈良妊婦訴訟、原告側控訴せず
奈良県大淀町の町立大淀病院で平成18年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明に陥った同県五條市の高﨑実香さん=当時(32)=が19病院から転院を断られた末に死亡したのは診断ミスが原因として、夫の晋輔さん(27)らが町と担当医に損害賠償を求めた訴訟で、原告側は15日、請求を棄却した1審大阪地裁判決について控訴しないことを決めた。
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重ね重ね、亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
しかし、見事なまでにベタ記事でサックリ終了です。
この記事では尻拭いとでもいう感じで控訴断念という事実だけを伝えていますが
事件の第一報を医療事故スクープとして毎日新聞がセンセーショナルに報道した事を忘れてはいけません。
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毎日新聞 2006年10月17日 東京朝刊
>遺族は「意識不明になってから長時間放置され、死亡につながった」と態勢の不備や病院の対応を批判。大淀病院側は「できるだけのことはやった」としている。【林由紀子、青木絵美】
>この日当直の内科医が脳に異状が起きた疑いを指摘し、CT(コンピューター断層撮影)の必要性を主張したが、産科医は受け入れなかったという。
毎日新聞 2006年10月22日
>結果的には本紙のスクープになったのですが、第一報の原稿を本社に放した後、背筋を伸ばされるような思いに駆られました。
>「もし遺族に会えてなかったら……」
>当然ながら関係した病院のガードは固く、医師の口は重い。何度足を運んでもミスや責任を認めるコメントは取れませんでした。
>支局の記者たちも、ジグソーパズルのピースを一つずつ集めるような作業のなかで、ぼやっとしていたニュースの輪郭がくっきりと見えた感覚があったに違いありません。
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なるほど。
>「もし遺族に会えてなかったら……」
裁判にはならなかったんですね。
>当然ながら関係した病院のガードは固く、医師の口は重い。
>何度足を運んでもミスや責任を認めるコメントは取れませんでした。
当然です。
結果が示す通り、医師にはミスや責任は最初から無かったんですから。
医師にミスや責任があったと最初から決めつけていたんですね、解ります。
そして、
毎日新聞がジグソーパズルを作るかのように、事件を作り上げたと言う事がよく解ります。
↑
(リンク先の過去記事も是非参照ください。)
医療の素人である新聞記者には、パーツを組み合わせれば
「医師の責任あり!医療過誤事件!」
という模様ができるはずように見えたんでしょうね。
でも、私たち医療の人間にはバラバラのパーツを見ても、
「医師の責任なし!医療冤罪事件!」
という模様が出来上がるはずである事は最初から解っていた事でした。
しかし、毎日のスクープによって触発されメディアスクラムが発生、
連日のようにTV、新聞で騒ぎ立てられた結果、
大淀病院は産科閉鎖し、当地の産科医療は崩壊したことは事実です。
医療にミスは無く、医師の責任も無い医療上の出来事について、
知識のない人間が「ミスが有った、医者の責任だ」と騒ぎ立てた結果がコレです。
つまり、今回の大淀病院事件を総括するならば、
記者を始めとする一般人の医療知識の欠如こそが、
この一連の騒動、裁判を起こし、結果的に一地域の産科医療を崩壊させた
という事になります。
・・・私が6年前からこのブログで警鐘を鳴らし続けて来たことが現実におきて、非常にガッカリです。
脱力感しか残らない結末に、以前の都々逸の続きを思いつきました。
<医者の常識 世間の非常識>
医者を殺すにゃ、刃物はいらぬ。訴訟ひとつも、あればいい。
医療潰すにゃ、真実いらぬ。 スクープひとつも、あればいい。