奈良大淀病院妊婦訴訟の初公判が始まった事に呼応して、

ネット上の各医療系ブログで取り上げられ、

多くの方が

「大淀病院医師を支持します。」

と、意思表示をされています。


私も賛同し、意思表示しています。


さて、この訴訟にまつわるある剣呑な話

日頃から情報元となっている方のブログで取り上げられています。


天漢日乗


情報がたくさんあって、事態の把握のために自分なりにまとめて記事にしたいと思います。


ここで今話題になっている話の内容とは、

マスコミは妊婦が亡くなる前から状況を嗅ぎ付けて撮影を行っていたという事実

に関してです。


・・・あれれ?

亡くなる前からマスコミの介入があったとは、いったいどういう事なのか・・・・。


ともあれ、何が事実なのかと言うと、5月29日深夜にABCで放送された

「悲鳴病棟 医者を訴える決意をした夫」の放送内容には、なんと


亡くなられた妊婦が、転送先である大阪国立循環器病センターで

脳出血に対する手術を受ける前の映像が放送されていた


からです。


リンク先でキャプチャ映像付きで紹介されています。

http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/06/78abc529_ba44.html


・・・何故、どうしてリアルタイムで現場にマスコミが居合わせたのでしょうか?


それに関しては、

「新小児科医のつぶやき」 http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/

で、ブログ主のYosyan先生が記事を書かれています。

「マスコミ許すまじ」

(一部抜粋)
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ところが新聞社の関与時期はもっと早かったのです。なんと救急車の搬送時には記者は既に居たとのことです。
そんなに早く記者が駆けつけられた理由は不明なのですが、おそらく救急無線を傍受してのものでなかったかと
推測されています。現場がいかに修羅場であったかは既報の通りですし、家族も迷惑がっていたとのことですが、
追い返すわけにも行かず、そこから取材が始まったとの事です。

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Yosyan先生は独自の確たる情報源から、この話を得たとの事です。


このABCの放送では、搬送から帝王切開手術、そして脳出血手術の後まで

およそ12時間にも及ぶ映像を編集して構成されています。



素人には到底不可能な撮影です。画像はブレもなくも映像に耐えうるものだったと。


もとより、こんな修羅場で平然とカメラを12時間も回し続けることの出来る人間はプロ以外ありえません。


マスコミがたまたまその場に居合わせた?

あるいは妊婦の瀕死の状況を、誰かがマスコミにすばやく知らせ迅速に取材に入った?



いずれにせよ、こういった出来事に対してマスコミは用意周到にスタンバイしていた事は

事実のようです。


そして、H18年8月8日に起きた出来事が平成18年10月17日に毎日新聞 青木絵美、林由紀子記者の連名記事として

スクープされたのをきっかけに、マスコミ各社がこぞってこの出来事を取り上げ、連日のように報道しました。

報道の主旨としては、担当医師の対応を誤診、怠慢と非難するものであり、19病院に転送を断られたという事を

「たらい回し」と揶揄するものでした。


この時、マスコミ各社が一斉に医者、医療機関を非難する報道を行ったため、

その過程において集団的に取材が過熱した状況、いわゆる


メディアスクラム


が生じ、大淀町および周辺地区の医療関係者を恐怖に落としいれ、結果的に当地の産科医療は完全に崩壊した訳です。


その後、ネットを通じて当夜の詳しい状況が判明するに従い、

担当医師の判断は医学的に妥当なものであったとする意見が持ち上がりますが、

メディアは相変わらず医者叩きを続け、それに呼応した形で警察の捜査が入り、遺族は提訴を決意しました。



・・・さてさて、ご遺族の提訴にあたって、ある団体の後押しが示唆されてきています。


その団体とは?


・・・今回の出来事ではあまり関係が無いとされている出産時の医療行為について、

この放送では、さも問題であったかのように取り上げられています。


それは、陣痛促進剤の使用記録です。


陣痛促進剤?


今回の一件は脳出血が問題だから、陣痛促進剤使用とは直接結びつかないのに、

ここで何故取り上げられるのか不思議な事です。



ところが、H19年4月28日に行われた「産科医療」の事故・裁判・質・システムを考えるシンポジウムで、

この亡くなられた妊婦のご遺族(義父)が、当夜の出来事に関して口演されています。


その内容は、「日々是よろずER診療記」のなんちゃって救急医先生が参加されリポートされています。

シンポジウム聴講記


その場にはマスコミの取材陣も集まっていて、主催者側が一方的に医療を攻撃し、

医療崩壊の原因は、医師の低レベルのせいだと断言していたのです。



このシンポジウムを主催したのが、「医療情報の公開、開示を求める会」とそして、


「陣痛促進剤による被害を考える会」


という団体であった事を知ると、「悲鳴病棟」で突然陣痛促進剤の使用記録が挿入されていた事も

なるほどと頷けるかもしれません。


マスコミ、ご遺族、弁護士、そして「陣痛促進剤による被害を考える会」・・・

今回の出来事に対するこれらの関わりと思惑を考えるに、医師として背筋が凍る思いですが、

先のリンク先でのYosyan先生怒りのまとめを抜粋させていただきます。 m( _ _ )m



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(一部抜粋)

構図をまとまえると、

  1. 事件当夜から記者は取材を開始していた
  2. 記者は家族に例の団体を紹介した
  3. 記者と例の団体は乗り気でない家族を訴訟 に引きずり込んだ
  4. 乗り気でなかった原告の夫及び弁護士マスコミ 報道 に引きずり込んだ

この情報が信頼できる人物からのものでなければ、到底信じられない真相です。


マスコミ
の手口のあざとさは散々見てきましたが、ここまでするとは驚嘆させられます。


まさに毎日は自らの手で奈良 事件を作り上げた事になります。


批判の強いこの事件の毎日の初期の記事ですが、麗々しく書いてあった


「丹念な粘り強い取材で浮かび上がった事実」なんてものは最初から無かった事になります。


事件当夜に作り上げたシナリオ を遺族を巻き込んで進行させただけです。


ここまでの事が許されるものなのでしょうか。悲劇に見舞われた遺族を食い物にし、


奈良県 南部の産科を壊滅させたマスコミ 許すまじです。


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訴訟の行方がいったいどうなるのか?

果たして誰がどんな成果をあげるのか?


曇りの無い眼で、真実を見極めてゆく努力をしたいと思います。