光絶縁カスケードが大きく音質を向上させたのは私自身、大きな驚きでした。光絶縁で、上流のノイズは全て遮断できると盲目的に信じていたことも驚きの大きな理由ですし、これまでこれ以上無いのではと思っていた我が家の音が大幅に向上した、それも44kHz 16bitのCDクオリティーのデータのストリーミング再生音が大きく向上したことに衝撃を受けたのです。

image

これまでの再生は、何だったんだろう・・・・・。

 

これが偽らざる感想でした。

 

たとえば、CDプレーヤー。

 

CDの盤上にあるデータを光ピックアップで読み出して、バッファにため込んで、クロックに応じて読み出してDACに送り再生する。

 

もし、理想的に動作するなら、DACから送り出される音が変わるわけが無いのです。そもそもDACの性能は数年前からすでに行き着くところに行っているのですから、

 

でも、現実的に音は変ってしまいます。

 

光カスケードで私が確信したのは、この音の違いの大部分はデジタル機器が理想的に動いていないことに由来しているに違いないという事です。

 

そもそも、TAISさんから以前、教えていただいた事で私が非常にびっくりし、納得もできたことの一つが、デジタル機器は数十万、数千万というスイッチの集合体でそれが一つの信号を処理するためにほんの僅かな時間差を持って動作している、当然、一つのスイッチ(半導体ではゲートです)が動く度にノイズが空間や回路に放射され、モアレを形作って器機内に充満しているのだ、という事でした。数GHzで動作してている機器であっても器機内は、一つ一つのスイッチから発生した微小なノイズがモアレを作るので、0.01Hz等という非常に周期の長いノイズからそれこそ、数GHzのノイズまであらゆる周波数のノイズが渦巻いているというのです。それが回路内に入り込んで様々な影響を与えていると。

 

また、電源回路のアースは実はそういったノイズの影響を受けて常に揺れ動いており、基準としては非常に曖昧で影響を受けやすいのだとも仰っていました。

 

TAISさんがプラグ直近に小型リポバッテリーを足すというアイディアを下さったのは、まさしく、そういった超長周期の電位の揺れまでを考慮して電源電圧を安定させるためだったのです。現在開発中のTAISアダプターもその方向で開発されており、少なくとも音を聴く限りは成功しているので、TAISさんの仰る対策の方向性はあっているのだと確信しています。

 

さて、そのような回路上で音がデジタル信号から再生成されるわけです。理論上、デジタルは音は変わらないはずです。おそらくハイレゾであっても44.1kHzのサンプリングであっても理想的に稼動すればどの機器で再生しようと同じ音になるはずなのです。しかし、現実は音は大きく異なりますし、ましてやネットワーク環境などと言うおおよそデータだけしか運ばない部分に変更を加えても音が変わってしまうのです。

 

これはプラセボなどでは無く、本当に人が認識できる程度の違いが生じているのだと思います。

このことが示しているのは悲しいかな、デジタル機器を理論値通りに稼動させるためには、膨大な対策が必要で、それが現実問題としてなかなか困難なのだという事実です。困難な中でデジタル機器の稼働状況を理想的な形にするための一つの取り組みが、ネットワークを流れてくるデータの均等性と時間精度を高めること、だと思いますし、もう一つの取り組みが電源環境を極力頑健にして、電圧の揺れを最小化するという事なのだと思うのです。

image

この両者が理想的な形になった場合、私の予想ではDACやストリーマーの差が非常に小さくなってしまうのでは無いかなと思うのです。ハイエンド機器も、よく練られたエントリー機器も音がほとんど変わらない、という日が来てしまうのかも知れません。