私は常々オーディオはかなり健康に悪いに違いないと思っていました。だって、一時期オーディオ雑誌に評論家先生の訃報がしょっちゅう載っていた時期があったじゃないですか。今は若返ってあんまり訃報はありませんけど、そもそも運動せず、ずっと座って聴くなんて健康に悪そうだし。
ところが!!
なんとあるオンラインの医学雑誌にオーストラリアで1万人のコホート研究をしたところ音楽を毎日聴く人は認知症の罹患率が4割低かったという研究結果が出ていました。コホート研究ってのは、ある人たちを一定期間観察してどうなったのかを調べる研究です。この研究では音楽への接し方をはじめにアンケート調査してその人たちが認知症になったかどうかを調べたら、毎日音楽を聴く人はなんと39%も認知症のリスクが減ったというのです。つまり100人認知症になるところが61人で済んだって事です。
ちょっとびっくりです。私、認知症にならないかも。
以下、その論文の抄録の和訳です。Chat君に訳してもらいました。
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論文名:
What Is the Association Between Music-Related Leisure Activities and Dementia Risk? A Cohort Study
(音楽に関連する余暇活動と認知症リスクの関連:コホート研究)
掲載誌: International Journal of Geriatric Psychiatry(2025)
背景
音楽を聴くことや楽器演奏などの音楽活動は、高齢者の精神的・社会的健康に良い影響を与えると報告されている。しかし、音楽習慣と認知症の発症リスクとの長期的関連については、十分に検証されていなかった。
目的
70歳以上の一般高齢者を対象とし、
①音楽を聴く習慣、
②楽器演奏の習慣、
③聴く+演奏の両方
が、認知症および認知機能低下(CIND:軽度の認知障害に該当しないが認知機能が低下した状態)の発症リスクに関連するかを検討する
方法
- デザイン: 前向きコホート研究
- 対象: 70歳以上の健康な 10,893 人(オーストラリア)
- 観察期間: 長期追跡(詳細は本文)
- 主要アウトカム:
- 認知症発症
- CIND(Cognitive Impairment, No Dementia)の発生
- 曝露因子:
- 音楽を聴く頻度(never, sometimes, often, always 等)
- 楽器演奏の頻度
- 両者の併用
- 解析: 多変量モデルを用いて、生活習慣・教育歴・健康状態などの交絡を調整した上で、認知症リスクとの関連を評価。
結果
1. 音楽を聴く習慣
- 「ほぼ毎日(always)音楽を聴く」と回答した人では、
認知症発症リスクが約39%低下。
2. 楽器を演奏する習慣
- 「よく/いつも(often/always)演奏する」と答えた人では、
認知症リスクが約35%低下。
3. 聴く+演奏の両方
- 両方の音楽活動を行っている人では、
- 認知症リスクは約33%低下
- CINDリスクは約22%低下
結論
高齢者における音楽を聴く・演奏するなどの音楽関連余暇活動は、認知症および認知機能低下のリスク低減と関連していることが示された。
特に、「ほぼ毎日音楽を聴く」ことは最も強い関連を示した。
限界
- 観察コホート研究であるため、
因果関係(音楽 → 認知症低下)を証明するものではない。 - 「音楽のジャンル」「具体的な聴取時間」「演奏の技術レベル」など、詳細条件の検討は行っていない。
- もともと認知症リスクが低い健康志向の人が音楽を好む可能性(健康行動バイアス)を完全に排除できない。
