前回、私が2000年前後にはまっていたホームシアターのことと、当時の私の信念、つまりデジタル接続で音は変わるわけが無いので、全てデジタル接続、それも光デジタルが最良であるに違いない、と言う考えを持っていた、という事をかきました。

 

また、あらゆるケーブルで音が変わるわけが無いので、ケーブルは流石に付属品はかっこ悪いが、ちょっと高級そうに見える1000円前後の物で十分だと考えてもいました。スピーカーケーブルはモンスターケーブルが最も高級品だと思っていたのです。

 

 私がはじめてホームシアターから離れて、「音楽をいい音で聴くためのオーディオ」に目覚めたのは、2005年前後のクリスマス前の事でした。

 はじめて購入したパソコンが、3年ローンで買った、Machintosh SE30+Vimage(カラービデオカード)+LaserWriterLS+Apple Color Monitorという、ガリガリのApple信者の私は、Apple Storeのサイトをしょっちゅうチェックしていました。

 そんな私に、Apple Storeクリスマスセールで格安で売っていたイヤホンが目にとまります。B & O社のA8というイヤホンでした。とにかく、格好いい。アルミでいかにも北欧のデザインという感じです。

 

確か、当時1.5万円ぐらいだったと思います。

 

これでiPodから音楽を聴くと、「えっ!!!」と言うほど音がクリアだったのです。それまでは付属のApple製のイヤホンだったので、なおさらです。

 

この経験をきっかけに、私はイヤホン沼にはまります。まずは当時評判が良かったEtymotic Research ER-4Sというイヤホンを買ってみました。これが素晴らしい! とにかく細かい音がこれでもかと聞こえてきて、ギターのつま弾く感じに本当に驚かされました。

結局、その後、当時の私はいくつもイヤホンを買いますが、このER-4Sを代替できるイヤホンには出会えず、スピーカーオーディオにはまるまでこのイヤホンを使い続けます。そして、スピーカーオーディオに移ってからもこのイヤホンの音は私のオーディオの音の好みの基礎になっているんだなと感じます。

非常に高解像度で繊細ですが、低域の量感は余り無く、引き締まった音、そういった音を好むようになったのはこのイヤホンの影響が大きいかも知れません。

 

2012年に職場を変わる事がほぼ決まりつつあったので、2010年、新居の計画を立てる際にオーディオ趣味のある父親と相談してスピーカーを新調し、さらにオーディオルームを作ろうという事になります。機種選びは私の担当でした。

 

その時にはじめてオーディオショップなる物に行くのですが、それが今付き合いのあるショップです。これまで、オーディオ専門店はホームシアターを購入するために訪れていたAVACと、何度がうかがってMonitor Audio Silver 6を購入したテレオンのみでした。AVACはフレンドリーでしたが、オーディオ専門店は非常に敷居が高く、なんとなく、馬鹿にされてはいけない、みたいなこちら側の気負いもあり、あんまり足を踏み入れたくない場所だったのを覚えています。

 

まず、はじめに聴かせていただいたのは、今も覚えていますが、アキュフェーズのセパレートアンプで駆動しているSonus Faber Cremona Mでした。ちあきなおみさんの黄昏ビギンだったことを今もはっきり覚えているぐらい、衝撃でした。

何だ、これは! と言うのが私のその時の感想です。部屋中に音が満ちて、奇麗な弦やボーカルがほんのり浮かんでいるのです。凄いな、と思いました。ただ、先にも書いたように私の音の基準は当時ER-4Sの音ですから、かなり緩めの音に感じましたが、聴いたことが無いほど奇麗な音でした。そして値段は定価で150万円。まじか、、、、、という感じです。

アンプはとみると、何とパワーアンプだけで40万円ぐらい、プリアンプも同じぐらいです。当時の私には、その価格に驚き、「オーディオ恐るべし」という感想しかありませんでしたが、同時にこんな音で音楽を聴いている人が世の中にいるんだな、という驚愕もありました。

 

「これは、もしかするとスピーカーで聴く音楽はとんでも無いのかも」

とはじめて認識した瞬間でした。

 

その後、第一回のスピーカー探しの旅が始まります。

 

続きは次回に