いまだにアナログよりはデジタルの方が音が良いと真剣に思っている人も多いです。実は私も長年ずっとそう信じてきました。我が家でアナログレコードシステムを導入するまでは、です。

 

我が家の現在のシステムでアナログレコードを初めて聴いたのは、Esoteric K-03でCD再生やファイル再生を主に行なっている頃でした。ヤフオクで、格安に手に入れたThorens TD320と言うプレーヤーにSME3009というトーンアームがついたプレーヤーを7万円で落札し、それにdenonのDL−103をつけて、オーディオテクニカの格安フォノアンプ(1.5万円のやつです)を買ってきて、手持ちのレコードを聴いたのが初めてでした。

 

もうね、その時の衝撃は今も忘れません。そんないい加減なシステムなのに、なんと、Kー03の音と同等かもしかしたらアナログの音の方がいいかもと思ったのです。これには驚愕しました。だって、世間では、以下の動画のようなことがまことしやかに言われていたのですから。

 

このかた、よくオーディオについての解説をしていて、全てがダメ、という感じではないのですが、こと、このアナログオーディオの説明動画については、多分、良いシステムでアナログレコードを聞いたことがないのだろうなと思わざるを得ません。もう、何十年も前から言われていて、オーディオマニアならそんなことわかってるけど、でもなぜかアナログの方が音がいいんだよ、と言いたくなってしまいます。

 

アナログオーディオの不思議は、スペック上で大幅に、それこそ何百倍も劣っているはずのアナログレコードが、なぜかデジタルオーディオよりも音がよく感じてしまう、というところにこそ有るのです。

 

先日、DSオーディオのGrandMasterシリーズのカートリッジとフォノアンプを聞いた話はブログに書きました。そのおとは驚愕の音でした。素晴らしく音が良いのです。その音の良さは、別にノスタルジックにほんわかとして良い、というものでは全くなく、音のキレ、音像のシャープさ、音場の広さ、立体感、全てものすごく良いのです。こんな音をデジタルシステムで出そうと思ったら、おそらくTAIKOオーディオの目玉の飛び出るようなサーバーと、目玉の飛び出るようなDACを組み合わせないと出ないと思います。

でもね、いくらDSオーディオのカートリッジと、フォノアンプが凄くても、チャンネルセパレーションも、周波数特性も、歪みも絶対にデジタルオーディオには敵わないに違いないのです。なのに音がよく感じてしまうんです。いい音だ、と人間が感じるのは実はそのような静的な特性以外のなんらかの要素が大きく関係しているはずだという、未知の事実が隠れているはずなのです。

これに関連して面白い解説を見つけました。

 

 

 

 

これ、ぜひ読んでみてください。面白かったです。

 

さて、先のYouTube動画の方はおそらくご自身で本当に音がいいアナログオーディオを聞いたことがないのではないかと思います。この人の後ろに置いてい有る程度のプレーヤーでいい音は流石に出ないでしょうから。

 

その後、件の動画についての問題点を多少補足した記事を書きました。こちらもご笑覧ください